8月26日、国内最大級の陸上自衛隊演習が東富士演習場で一般公開された。富士学校(学校長・井上武陸将)、富士教導団(団長・市野保己陸将補)を中核に、人員約2400名、戦車・装甲車約80両、各種火砲約80門、航空機約30機、その他車両約600両が参加。森本敏防衛大臣をはじめ、岩崎茂統幕長、衆参国会議員ら全国から集まった国内外の来賓とともに約3万1000人が見守る中、平成24年富士総合火力演習一般公開が行われた。
今年の目玉は大きく分けて2つ。1つは「10式戦車(ヒトマル)のスラローム射撃」。10式戦車が旋回しながら射撃を実施。高度な射撃性能と機動性能で実現した世界最高レベルの難易度の高い技術が必要。力強いだけでなく華麗とも思える技術を完璧に習得している隊員に驚かされる。
2つ目は、我が国の占領を企図する敵が海上から侵攻する場面を想定した「統合による作戦」。初参加の海上自衛隊P—3C哨戒機が潜水艦を含む敵艦船の情報収集を行うというところから始まった。その情報を基に航空自衛隊のF—2戦闘機が敵艦船を撃破するため2機出動。その後、地上で射撃準備をしている88式地対艦誘導弾を持つ富士教導団に対艦攻撃開始命令が下達、というシナリオ。大型スクリーンも駆使して、統合による作戦は終了した。また今年は、中距離多目的誘導弾も初参加をしており、富士総合火力演習の本来の役割はもちろん側面的な役割を十分に果たしたと言える。
火砲の音に耳を塞ぎ、戦車の動きに圧倒された来場者たち。展示されていた車両等が帰投するまで会場は多くの人で埋め尽くされていた。 |