1月5日23時45分、御殿場市小山町の陸上自衛隊富士学校(学校長・山本洋陸将)に10式戦車量産型初号車が到着した。
待望の初号車配備
10日には、「早期戦力化と安全」を祈願するとともに、陸上防衛力の骨幹としての任務完遂を祈念して機甲の魂を注入する「入魂式」が行われ、山本学校長と機甲科部長・川島昌之陸将補が砲塔についているマークにペイントし10式戦車に魂を注入した。それに先立ち川島機甲科部長は「本日待望の10式戦車初号車が富士学校機甲科部に配備された。これは諸先輩方の努力による伝統継承の賜であり、各防衛産業関係者の物造りにかける情熱と技術の結晶であることを 忘れてはならない。これからは我々運用者の役割であり、一日も早く戦力化しなければならない。また、戦車マンとしてやるべきことをしっかりと行うとともに安全本能を覚醒させ、事故の絶無を誓いたい」などと式辞を述べた。
軽量化で機動性向上
入魂式が行われた機甲科部第2装軌車実習場には、初号車を中心に90式と74式戦車各1両、10式戦車試作車2両が脇を固めるように配置されていた。今まで、富士駐屯地記念日や富士総合火力演習などで軽快に動く10式戦車試作車を見て90式戦車を見慣れた目には「小さくて軽そう」と映っていたが、並べて見ると10式戦車の存在感に圧倒される。初めてC4I2システムを搭載し、モジュール型装甲の純国産戦闘車両であり、小さく見えるという車両の軽量化は戦略的機動性の向上ということである。
敢えて10日にヒトマルの入魂式を行うというこだわりに、陸上自衛隊の10式戦車に対する思い入れが感じられた。 |