4月12日から16日までの間に行うとする「人工衛星打ち上げ」と称した北朝鮮の弾道ミサイル発射予告に対して、田中防衛大臣は「弾道ミサイル等に対する破壊措置命令」を3月30日に発令した。これを受け自衛隊はスタンダードミサイル3(SM—3)搭載イージス艦、地対空誘導弾ペトリオットミサイル3(PAC—3)配置などで迎撃態勢をとった。
防衛省は4月9日、齊藤治和航空総隊司令官を弾道ミサイル防衛(BMD)統合任務部隊指揮官としたBMD統合任務部隊を編成。3月26日には航空総隊を府中基地から米軍横田基地に移転しており米軍との初めての本格的な共同統合運用を開始した。2009年に次いで同部隊の編成は2度目となる。
迎撃ミサイルSM—3搭載イージス艦は日本海に1隻、東シナ海に2隻配置された。またPAC—3は石垣島、宮古島、空自那覇基地、空自知念分屯基地、さらに首都圏では市ヶ谷、朝霞、習志野の駐屯地等に配置された。
3月31日午前8時、イージス艦「きりしま」が海自横須賀基地を出港、佐世保港へ向かった。同日、輸送艦「おおすみ」にはPAC—3を搭載、翌4月1日に宮古島に向けて海自呉基地を出港した。
輸送艦「くにさき」には4月1日にPAC—3を積載、翌日呉基地を石垣島に向けて出港。また7日には海自佐世保基地からイージス艦「きりしま」「ちょうかい」が東シナ海へ向け出港、舞鶴基地からもイージス艦「みょうこう」が日本海で追尾・迎撃のため出港した。
4月5日に沖縄県内4カ所のPAC—3配置がすべて終わり、7日には首都圏の配置も終わった。陸上自衛隊もヘリによる情報収集や万一の事故対処等のため西部方面隊から隊員が沖縄県に向けて出発。速やかに万全の備えをとった。(4月9日現在) |