「自衛隊だけが撮った0311」。フジテレビ系で震災1年の特番を放送し、関東地区でこの週のTVランキングにベスト10入りした。16・8%の高視聴率だった。関東地区での1%はゴールデンタイムでは40万6千人になるそうだから(ビデオリサーチ社)約700万人が見たことになる。仙台地区では29%だったから3分の1のテレビが同番組にチャンネルを合わせていたことになる。番組の再現をするつもりはないが、自衛官が災害の中心にいながら撮影をしているので迫力が伝わる。背丈までの洪水の中で女性を救い、もう一人の男性の襟首をもって助ける。番組では助けられたこの2人の感激、感謝の談話を取っている。私たちを2階に上げておいて彼はまた出て行った。もう十分、ここに居てと引き止めたのに「まだ助けを待っている人がいっぱいいる、自分の気がすまない」と言って。被災地ではこのようなシーンがいっぱいあったことだろう。各地の創隊記念日の来賓あいさつでもこの番組が引用され隊員の活躍ぶりを称賛する。前号本紙に掲載されていたように今や国民の98%が自衛隊を評価している、身を挺しての自衛官の活躍にだれもが敬意を表したということだ。後日、隊員にインタビューしたテレビ局の制作担当者に聞いたが、かれらは奢ることもなく気取ることもなく淡々とその時の様子を話したそうだ。筆者も出動した知り合いの何人かと話したが「任務ですから」、多くを語ろうとしない。