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自衛隊ニュース   2012年10月15日号
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連携して人命を守る
テーマは「大規模災害対処」
陸自主催国際会議MCAP
地域の安保環境の安定に寄与

 日本大震災を経験した陸上自衛隊主催の国際会議」—第11回「アジア太平洋地域多国間協力プログラム」(MCAP)が9月25日から29日まで5日間にわたって、東京都内で開催された。米国、豪州、インドなど24ヵ国、陸自からは幕僚監部、中央即応集団、研究本部など、また国連人道問題事務局や赤十字国際委員会、「国境なき医師団」などが参加。テーマは「大規模災害対処のための陸軍種としての平素の取り組み」。全体会議から始まり、11回目にして初採用の「シナリオに基づく机上演習」、東京臨海広域防災公園での施設研修などが行われた。

 この国際会議は「地域各国陸軍と意見交換や研修を行い人道支援、災害救助に活かし、さらに各国との相互理解と信頼醸成を図る」ことなどが目的。
 今回が初の「シナリオに基づく机上演習」(TTX)では、東日本大震災と同じマグニチュード9・0、最大震度7の大地震に被災した架空の「M国」とM国陸軍の活動や地域各国陸軍の支援などを想定。
 参加国は3グループに分かれ「大規模災害発災直後における官民軍の連携について」と「初動対処以降における多国間協力について」の2つを課題として討議し発表を行った。
 その結果、共通認識が必要として▼災害時、迅速な対応のため情報共有はもちろん重要だが、対処を誤らないために「被災後の状況が今、どの段階にあるのか、共通の評価が重要」▼アジア太平洋地域は文化的・宗教的に多様であり、異文化に精通した人材を育成し、連絡幹部として派遣すること▼多国間会議による相互理解の重要性、などが挙げられた。
 初採用のTTXは参加各国から「実態に即している」と高い評価を得た。次回以降、実際の被災状況により近い場面設定での「シミュレーション訓練」を行う考えも示された。机上演習から一歩進み、調整所を設置して連絡幹部がニーズの調整などを演習する。
 全プログラムを通じて参加各国は「自治体、民間企業などとも協定を締結し、すべての防災関係者が連携し参加する訓練を平素から行うことが重要」との認識を共有した。
 議長を務めた陸幕国際防衛協力室長・笠松誠1陸佐は「まず東日本大震災での経験をシェアすることが大事。大震災では甚大な被害を受け、多くの国から支援していただいた。その恩に報いるためにも、日本には災害対処でリーダーシップを執らなければならない責務がある」と話した。


島嶼部で初の共同訓練
陸上自衛隊と米第3海兵隊

 陸上自衛隊は8月21日から9月26日まで、米国グアム・アンダーセン空軍基地、同国自治領北マリアナ諸島テニアン島などで米海兵隊と実動訓練を行った。
 「島嶼部での作戦に必要な戦術・戦闘」を米海兵隊から習得することが目的。今年4月の日米安全保障協議委員会(2+2)の合意事項を具現化したもので、陸自が沖縄駐留の第3海兵機動展開部隊(3MEF)と島嶼部で共同訓練を行ったのは初めて。
 陸自は西部方面隊隷下部隊の西部方面普通科連隊(相浦)などから約40名、米海兵隊は3MEF隷下の第31海兵機動展開部隊約2200名を主力に、海軍からは「ボノム・リシャール」など揚陸艦3隻が参加。日米ともにそれぞれの水陸両用作戦の能力と相互運用性の向上を目指した。
 9月19日から始まったグアム島での訓練は、米海兵隊の偵察活動に始まり、日米が共同しボートで上陸地域へ潜入、敵部隊を強襲する作戦などを演練。報道公開され陸幕長・君塚栄治陸将、第3海兵機動展開隊司令官ケネス・グラック中将も視察に訪れた。


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