8月30日から9月27日まで、中国・琿春市で行われた「中国遺棄化学兵器発掘・回収事業」へ派遣された陸自隊員6名が9月28日に防衛省を訪れ、森本敏防衛大臣に面会した。
防衛省は、内閣府の依頼を受けて平成12年度より毎年、弾薬及び化学の専門知識を有する陸自隊員を中国遺棄化学兵器発掘・回収事業へ派遣している。
派遣隊員は、金属探査及び発掘作業、発掘した砲弾等の外観鑑定・砲弾の汚染の有無の確認・作業員の安全管理等について専門家として指導等を行った。8〜9月後半の厳しい残暑の中、防護服を着用しての手作業。非常に体力を消耗する環境下で、日本側・中国側が安全に留意し終始協力しつつ作業を行い、対象地域の一部で旧日本軍の化学砲弾と思われる砲弾171発を含む計174発の砲弾等が発掘・回収された。面会した森本大臣は、「皆さんが今まで培ってきた技術、ノウハウを用い、大変困難な環境の中で日本を代表して頑張っていただき無事任務を完遂したことは大変御苦労でした。派遣で得られた体験、知識を活用して、それぞれの任務に役立てて下さい」と労った。
派遣要員は左記のとおり。
▽陸自武器学校・中野敏勝1陸尉=武器科「言葉も文化も違う相手との作業の調整がいかに難しいか大変勉強になった。技術的な面も併せてこれからの学生教育に活かしたい」▽陸自中央特殊武器防護隊・窪田雅之2陸尉=化学科「協同作業を通じ専門分野以外にも多くのことを学び視野を広げることができた」▽陸自第3特殊武器防護隊・高崎雄人陸曹長=化学科「自衛隊のCBRN能力は世界トップクラスであることを肌で実感し自信がついた」▽陸自化学教導隊・小林正明2陸曹=化学科「武器科隊員、民間企業及び中国側の参加者と共に日々協力して任務を完遂したことはこれまでにない財産」▽陸自第104不発弾処理隊・倉員武志2陸曹=武器科「貴重な経験を部隊に普及し、今後の勤務に活かしたい」▽陸自第103不発弾処理隊・稲尾瑛亮3陸曹=武器科「今回得られた経験を活かし不発弾処理業務の安全な実施に努める」 |