海上自衛隊第2航空群(司令・眞木信政海将補=八戸航空基地)所属のP-3Cによる海氷観測の状況が2月23日、首都圏の報道陣に公開された。海氷観測は気象庁への協力支援業務として昭和35年から実施。観測で得た情報は札幌管区気象台や函館海洋気象台などの関係機関に送られ、航行船舶の海難事故防止などに広く活用されている。
今冬は猛烈な寒波が北日本を襲っており、離陸直前の滑走路は目も開けられないほど吹雪いていたが、一面真っ白の滑走路で作業をする整備員や誘導員は気象状況の如何に関わらず粛々と任務に努め、航空機の安全に寄与していた。離陸後、P-3C(1番機=5098機・川地秀樹機長、2番機=5081機・菊池謙秀機長)は北海道を縦断しオホーツク海へ。窓からは、灰色のP-3Cの下に、白い絨毯のような海氷、オホーツクの蒼い海と三色のコントラストが目にも鮮やかな光景が広がっていた。
機内では、報道陣に、海氷観測の手順や哨戒活動をはじめP-3Cの諸任務、レーダーやソナー等を駆使して収集された情報を乗員が共有し任務に当たるP-3Cの運用システム等について、戦術航空士の古俣信貴1尉ほか搭乗員から詳細な解説があった。
この日、2機のP-3Cに分乗した報道陣は20人以上。「海自の海氷観測」は、真冬の風物詩として毎年各メディアで紹介され、広報活動の一翼を担っている。 |