第4代統合幕僚長に着任した岩崎茂空将の着任行事が1月31日、防衛省で行われた。
A棟講堂で着任式に臨んだ岩崎統幕長は、着任の辞の中で、日本を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ「統合幕僚監部は、現在実施している警戒監視活動及び国際平和協力活動並びに海賊対処行動等の任務はもとより、不測事態に対する迅速な対応を含め、与えられた任務を確実に実施していかなければならない」との指針を掲げた。
指針の実行のため「動的防衛力の具現化による統合運用態勢の実効性の向上」「日米共同態勢の更なる強化」「統合幕僚監部の機能強化」の3点を重視する課題として挙げ、それら課題への取り組みにあたり、「統合運用を基本とした価値観の共有及び関係機関との認識の共有」「安全保障環境の変化や時機に応じた幕僚活動」の2点を要望事項として述べた。
また、「東日本大震災の教訓をはじめ、これまでの統合訓練や実際の部隊運用を通じて得られた教訓や成果についても、陳腐化させることなく、組織的、計画的、かつ着実に反映してもらいたい」と補足し、最後に、「統合幕僚監部に勤務している矜持、誇り高き精神の下、果敢にチャレンジし、統合運用の実を上げていただきたい」との激励の言葉で、着任式を締め括った。
岩崎統幕長は岩手県出身の防大19期。西空司令官、航空総隊司令官、航空幕僚長等を経て現職。
同日、第32代航空幕僚長に就任した片岡晴彦空将の着任式が防衛省で行われた。
片岡新空幕長は、「国民から信頼され、健全にして精強、明朗闊達な航空自衛隊を目指して、自信と誇りを持って邁進しなければならない」と訓示。続けて、安全保障環境、経済状況をはじめ様々な分野で転換点にあるなかで防衛力整備においても動的防衛力の構築に舵が切られ次期戦闘機として第5世代機のF—35Aが選定されたことに触れ、「痛みが伴うかも知れないが、不断の改革と改善を行い、実効的な対処力を向上させなければならない。我々の精強性の原点は常に現場の力にある。活力に溢れ、強い絆で結ばれた力強い現場を構築していかなければならない」と訓辞した。
片岡空幕長は東京都出身の防大20期。中空司令官、航空教育集団司令官、航空総隊司令官等を経て現職。 |