防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年4月15日号
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寄せ書き
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初級幹部への一歩
第13普通科連隊(松本) 陸曹長 清水萌子

 私は昨年12月、規律や規則に縛られ、教官に恐怖した幹部候補生学校を卒業し、一般幹部候補生隊付教育として第13普通科連隊本部管理中隊に配属になりました。安堵する一方、初級幹部への一歩をいよいよ踏み出すことへの不安と緊張を抱えて複雑な気分での着隊でした。
 私たちは各中隊に数名ずつ配属され、訓練については第1中隊のもとで教育を受けました。BU区分での訓練が多く、少し孤独感を感じていた着隊間もない頃、1中隊長のご配慮で私たちも第13普通科連隊の識別帽をかぶることになりました。
 我々にとって初めての識別帽であり、部隊の一員として少し認められたような心持ちで嬉しく思いながら、松本の識別帽を被りました。
 レンジャー帰りの小隊長・井出3尉、そして精強な助教陣のご指導の下、本格的な普通科の訓練を体験し日々、新鮮な知識を積み重ねることができました。銃剣道では隊員の方々の練度と迫力に圧倒されながら、スキー訓練では思い通りにならない官品スキーに悪戦苦闘しながら、一つでも多くのことを習得しようという気概で訓練に励みました。
 また1月末には第12旅団統制のCH—47からのリペリング訓練を行いました。空中機動旅団の名に恥じぬ立派な降下ができるよう、地上12メートルの寒風も高所恐怖症も克服して、演練に取り組みました。
 こうした訓練もさることながら、隊員の方々との交流を通して学んだことが本当に多く、刺激的で充実した日々を送ることができました。
 松本で過ごした経験をもとに、これからも立派な初級幹部となるべく、一日一日を大切にしていきたいです。

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お前は9割出せる
第312基地通信中隊(海田市) 1陸士 濱名謙児

 入隊前、私は体力面で特に長距離を走ることに不安を感じており、実際に穏やかなペースでも3キロ走るのがやっとで、死に物狂いで走った最初の3キロ走の記録が12分51秒でした。
 当初11分台、10分台は私には想像もつかないタイムで、最初のうちはただ走ることが辛かったです。
 しかし「12分を切れなかったら自衛官ではない」という前期教育の区隊長の言葉を胸に毎日、歯を食いしばって走ってきました。練成の成果もあり、すぐに12分を切りタイムが上がっていくと、走ることが楽しくなってきました。前期教育終了の際には、班長から「普通の人間は8割しか出せないが、お前は9割出せる人間だ」というありがたい言葉をいただきました。
 部隊配属されると中隊の代表選手に選抜され、23年度の中部方面通信群の持続走競技会に参加。練成を重ね駅伝の2区で3キロを走りましたが、自己ベストの10分30秒を更新できずに、大変悔しい思いをしました。それでも各地から集まった同期と交流を深めるとともに、トップクラスの選手たちの走りを目の当たりにし、大変良い経験ができたと思います。
 体力検定の中でも駆け足は練度向上に最も長い時間と労力を要し、努力の割には高い点数の取得が困難な種目ですが、自分は最も重要な種目だと考えています。
 これからも区隊長・班長の言葉と競技会での悔しさを忘れずに日々精進するとともに、雪辱を晴らすべく来年も競技会に参加したいと思います。

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最初に負ける練習
第12普通科連隊(国分) 陸士長 新村祐太

 柔道の基本は受身の稽古からですが、試合では受身をとると負けになります。ということは負ける稽古をしているということになります。「まず負ける稽古をする」なんて世の中のどの競技を探しても、どこにもありません。柔道の創設者の嘉納治五郎は著書の中で「最初に負ける練習をして、後で負けなくなり勝てるようになる」と述べています。
 受身はなぜ必要なのでしょう。まず考えつくのは怪我をしないためです。柔道は少しでも気を抜くと大怪我につながる激しい競技です。正しい受身を習得することが怪我の予防の第一歩です。次に柔道という武道の基本は受身そのものであり、投げて相手がきれいに受身をとったら一本で、投げた人の勝ちです。
 それでは受身をとった人は負けなのでしょうか。試合の勝敗なら確かに負けですが、勝つことがすべてだったら優勝者以外の努力は水の泡になってしまいます。強くなるためには努力を重ねることが大切であり、投げられて受身をとることは恥ずかしいことではありません。本当の負けとは投げられても「悔しい」と思わなくなったときです。
 いま柔道をしている人へ「初心を忘れることなく努力していくこと」が柔道の練習で大切なことです。

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母校の後輩を指導
第8施設大隊(川内) 陸士長 児玉一希

 私は2月13日から15日までの間、母校である、れいめい高校野球部の職場体験学習を班付として担当しました。私自身、高校時代にこの川内駐屯地で職場体験学習を受け、その魅力に引かれ自衛隊に入隊しました。
 今回は違う立場で、班付として自衛隊の日頃の訓練の様子、基本教練、体力測定、体験試乗など少しでも自衛隊のことを多く知ってもらうために、楽しく優しく3日間を一緒に訓練し、汗を流し過ごすことができました。また私も経験したことのない基本教練の指導まで学校の恩師(野球部監督)の見ている前で実施しました。何よりも緊張の増す場面でした。教える立場の難しさや「相手にどのように教育すれば伝わるか」など自分なりに工夫しながら実施し、とても貴重な経験となりました。今回の職場体験学習の経験を活かし、さらに自分を磨き、自信を持って指導していきたいです。また母校の、れいめい高校とのつながりも大切にして、これからも頑張っていきたいです。

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「結婚しました」
第9施設大隊(八戸) 3陸曹 小泉誠治

 約5年の交際を経て2月2日、無事に入籍しました。
 この間、陸教、施設学校、海外派遣、そして昨年の東日本大震災による災害派遣で、なかなか会うこともできず、喧嘩をすることもありました。それでも愛想つかされることもなく、いままで支えてくれたので、自分も頑張って来られたと思います。
 いままで支えてもらった分、それ以上にこれからは自分が彼女を支えていけるよう頑張りたいと思います。
 明るく笑顔の絶えない家庭を築いていけるよう頑張りますので、皆様の応援宜しくお願いします。

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緊張の中での投擲
第7普通科連隊(福知山)陸士長 足立大輔

 私は2月19日から25日までの間、日本原演習場で実施された第8次射撃野営に手榴弾投擲手として参加しました。
 本番前の訓練用手榴弾の安全管理、取り扱い説明および過去の訓練事故事例などの教育を受け、自衛隊の実弾訓練の中で手榴弾訓練は一番死亡事故が多いと知り、正直怖くなりました。
 訓練当日、演習弾3発、実弾3発の計6回の投擲でしたが実際に投げてみて、緊張して体が硬くなり、また手榴弾の重さで目標の近くに落ちず、思った以上に技術が必要であることが解りました。
 次回の訓練では本訓練で失敗したことを活かし、知識および技能を向上させ、後輩隊員にも普及できるように勉強したいと思います。


「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
函館どつく(株) 松倉友樹
松倉氏は平成23年2月、函館基地隊本部総務科を3海佐で定年退職。56歳

 私は、昭和46年に海上自衛隊に入隊以来、40年間の勤務を経て、平成23年2月17日に定年退職し、翌日から函館どつく株式会社に入社しました。
 入社の動機としては、これまでの艦艇勤務と最終配置である総務の経験が少しでも活かせる職種を希望し、函館基地隊就職援護室の紹介で面接に臨み、採用となりました。
 函館どつく株式会社は、船舶の建造、艦艇・一般船の修繕、橋梁及び産業機械製作等の総合的な重機械メーカーです。現在、私は一般修繕船の営業を担当しており、受注のための修繕工事の見積、検査工事の競争入札等、全く知識や経験もない職種に一心不乱で当たっています。特に、船の複雑な構造と6万件もの部品名、塗装、機関、内装工事等の造船技術は、現在に至るも全くの素人であることは否めません。さらに、修繕船工事には、人的、技術的、自然環境等による予知できないトラブルが日常茶飯事であり、その都度、難解な専門技術書を片手に、顧客との対応に追われますが、顧客から見れば営業マンに古参も新参もなく、会社の代表としての迅速な回答と対処を厳しく要求されます。
 仕事上、自衛隊での勤務で役立っていることは、営業マンの必修である真摯な態度、礼儀正しさは言うまでもありませんが、なんといっても、中枢部隊での過酷で多忙な勤務と最終の総務配置において培った、難局・危機に当たっての胆力です。特に、面倒なことから逃げないこと、どんな場面に遭遇しても「あの時の状況に比べたら」と自分を奮い立たせて取り組むことで、幾多の苦難をなんとか乗りきっています。
 再就職を前にした皆さんへのアドバイスですが、日夜多忙な業務に追われ精一杯努力し、部内外の行事にも積極的な人へは、特にありません。強いて言えば、パソコンのメールは必修ビジネスツールであり、ITスキルアップで仕事の能率は格段に向上すると思います。反対に労を惜しんで自己の配置に籠もり、諸行事にも消極的な人は、定年後の一般企業(現場)に溶け込むには、辛い忍耐の時間と努力が伴うでしょう。
 50代半ばでの中途採用には、新入社員教育などありません。今現在のワーキングスタイルが、第二の人生の最も大きな原動力です。
 東日本大震災での皆さんの活躍で、自衛隊への国民の期待と信頼は、今ほど高まったことはありません。誇りをもって毎日の職務に精一杯頑張って下さい。


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