「今度帰って来るときは、絶対に綱(横綱)をみやげに持って来るから」。お盆休みを利用して母国モンゴルに帰った大関・日馬富士(28)はいま、連日の残暑の中でけいこに汗を流している。「オレ、けいこ以外に楽しみがないし、今度の場所(9日初日、東京・両国国技館)は、オレにとってはいままで以上に大切な場所になるはず。死にもの狂いでやるしかないんだ」と。
　7月の名古屋場所を全勝で乗り切ったとき「カギは来場所だ」と誰もが感じ、横綱審議会・鶴田卓彦委員長(84)も「連続Vなら間違いなし。準優勝でも綱(横綱)昇格への審議の対象になる」と話していた。
　日馬富士は過去2度、綱取りに失敗している。09年の名古屋、昨年の秋場所とも「必勝」を期しながら序盤で敗れ、望みが消えた。「綱取りは、神様がくれるチャンス。それだけに、しっかり前を見つめ、これまでやってきた努力を無駄にしないよう頑張るしかない」といっている。
　父・ダワーンニャムさんは06年末、50歳の若さで早世している。交通事故によるものだったというが、その墓前に「最高の報告をしたい」というのが、日馬富士の願いなのだ。
　「名古屋場所の後、白鵬関が平幕優勝の旭天鵬(38)=大島部屋、モンゴル出身=のことをたびたび口にして、自分のことのように自慢していた。自分より先輩なのに格下のモンゴル出身力士の優勝が、あんなにも嬉しかったのかと、母国の力士のことを心から思う横綱の態度に、涙の出る思いだった。横綱だというのに、旭天鵬のVパレードの旗手を買って出たんだから…」(日馬富士)
　北海道中心の夏巡業が終わり、部屋に帰っても多忙な日程が続くが「これしか楽しみがない」という日馬富士のけいこは、休みなしに続いている。両国場所は日馬富士以下琴奨菊、琴欧州、稀勢の里、把瑠都、鶴竜と、大関が6人も名を連ねているが、横綱に一番近いのは一体、誰なのか。
　「ハチ・ナナ、クン・ロク大関」などといわれ、10年春のひとり横綱以降、誰もが成し得なかった「打倒・白鵬」の悲願を日馬富士は果たすことができるのか。鶴田委員長は「いつまでも"ドングリの背くらべ"では、お客さんにあきられてしまう。最低でも10勝しないと(大関から)落とすシステムを作るべきだ。8勝、9勝で地位が保てるなどという考えは甘すぎる」と厳しい発言をしている。
　日馬富士はいま父親として妻・バトトールさん(25)長女・ニャムジャラガルちゃん(2)5月に誕生したヒシゲジャルガルちゃんの4人の家族をしっかりと支えている。「子供の顔を見ると勇気がわいてくる。この家族のためにも…」と、綱取り狙いの9日初日、両国場所に向け、いっそう闘志を燃やす日馬富士。綱取り成功が「3度目の正直」になることを祈る。

大黒の濃茶点前の萩の庭　　　渡辺成典
故郷の空の明けゆく威し銃　　　塩田昌恒
稲妻に照らし出されし鬼女の面　　　本多令佳
よく笑ひよく飲みよく食ぶ敬老日　　　井出かへい
駅を出づ人それぞれの夜長かな　　　桑野英毅
盆踊見る阿呆にもなりきれず　　　八木多佳子
白寿まで句を楽しまむ敬老日　　　渡辺美惠子
小鮒捕る仕掛け設へ水落す　　　井戸田盛男
全集に蔵書印押す夜長かな　　　大室　猛
次の田へ国道よぎる稲刈機　　　氷川杜夫
爽籟の静かに届く母の家　　　青木信子
温泉に芒のやうに身を任す　　　佐藤牛歩
隣室も単身赴任秋刀魚燒く　　　若松芳明
他の声にいつも離れて鉦叩　　　高橋のぶ子
臀解き提灯に来し秋茜　　　小田知佳
朝顔や交番裏に柔道着　　　丸岡泥亀
　　　選　者　吟
からからに山畑乾き曼珠沙華　　　成川雅夫
(「栃の芽」誌提供)
　「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=畠中草史氏　042・796・0961〉へご連絡下さい。

　Hi! How are you doing? 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。残暑が続いております。そろそろ夏バテの症状や疲れがでてくるころですね。私の友人も疲労と熱中症で病院に担ぎ込まれたと連絡を受け、びっくりしました。暑さだけではなく、仕事のストレス、暴飲暴食、極度の冷房などいろいろな要因が複合的に重なり体に負担をかけているようです。快適さも時にほどほどが体にも心にもいいのかもしれません。ご自愛ください。

　さて、今回の表現は"Let's get back to the subject"「閑話休題」です。防衛ホームの英会話始まって以来はじめて目本語に読み方が付け加えてあります。以前、「慇懃無礼"Hypocritical courtesy"を紹介しましたが、多くの読者から日本語の読み方がわからないと苦情をいただいたことを思い出します。「いんぎんぶれい:うわべは丁寧なようで、実は相手を小馬鹿にしていること」です。今回の閑話休題は「話を本題に戻すこと」です。Get back to は「〜に戻る」、subjectは話題のことです。逆に「話が脱線する」は"digress from the subject"になります。ビジネスの会話やスピーチなどで使える表現です。

　筆者は、8月下旬に英国のリバプール大学に短期留学いたします。東京大学大学院の夏期集中講座として参加します。英国で、面白い表現と出会えて紹介できることを期待しています。楽しみです、まだまだ、暑い日が続くと思いますが、無理をせずくれぐれもご自愛ください。ストレスが少ない陽気で明るい生活を楽しみましょう。それでは、皆さん。See ya!