私は現在、UNDOFのゴラン高原派遣輸送隊で勤務しています。派遣隊員としてゴラン高原に派遣されることを光栄と感じるとともに、その重責に身が引き締まる思いです。
ゴラン高原派遣輸送隊はインドの後方支援大隊内の輸送隊であり、私はその輸送班長として各種調整業務に従事しています。勤務の特徴は常にインド軍人と机を並べて勤務していることであり、派遣当初に戸惑ったことは言語と習慣の違いです。
任務においては英語が共通語として使用されています。私自身、FTXやYSなどの日米共同訓練に参加した経験があり英語は比較的得意な方でしたが、UNDOF派遣国の軍人は米軍人と違い、どの派遣国も英語が母国語ではないため、訛(なま)りや表現に差異があり、各国の言い回しやイントネーションを押さえるまで非常に苦労しました。そのため当初は努めてEメールを活用し、調整で齟齬(そご)がでないようにしました。
また習慣の違いで面食らったのは、どんなときでも調整に赴いたらまずは席に着き、お茶を飲んでから話を始めるということです。本邦においては調整先の部屋に入り、立ったまま調整を済ませ、調整が済んだら部屋から退出するという流れが一般的だと思います。しかしこちらでは急ぎの調整であっても、まずは席についてお茶なので、当初は時計を気にしながらそわそわしたものです。今ではお茶を楽しんでから調整するという習慣にも慣れ、調整相手といろいろな話をして互いの交流を深めています。
このように言語や習慣の違いはありますが"One mission, One team, One goal"を合言葉に、すべての派遣国が力を合わせて任務に臨んでいます。私も日本の国益のため、中東の平和と安定のため、任務を終えて帰国するまでの間、全力で任務を遂行してまいります。 |