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自衛隊ニュース   2012年12月1日号
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車いすを丁寧に搬送
障がい者マラソン大会を支援
別府

 第41普通科連隊(連隊長・岡本良貴1陸佐=別府)は10月28日、大分県大分市で開催された第32回大分国際車いすマラソン大会に協力した。この大会は、1981年の国際障がい者年の記念事業として始まった、車いすランナー単独の国際大会であり、国内で開催される3大会の中でも一番歴史がある。
 競技は、フルマラソンとハーフマラソンの2種目で障がいの程度により、各3クラスに分けて行われ、選手は片手で持てるほど軽量化された「レーサー」と呼ばれる3輪タイプの競技用車いすに乗り、専用のグローブをはめてリムを叩くようにして回し、腕の力だけで42.195kmを走り抜く。トップ選手になると平均時速30km以上、健常者の約1・5倍の速さで走る。
 今回は本部管理中隊長・仲町幸次3陸佐を協力隊長として、人員87名、車両17両で協力した。隊員は、選手の生活用車いすと競技用車いすを大型トラックに細心の注意を払いながら積載し、スタート時点からフィニッシュ地点、フィニッシュ地点から宿泊しているそれぞれのホテルへと確実に輸送した。また、競技間は高機動車を報道関係者の取材車としてコース内を走行、取材に協力した。
 隊員一人一人はボランティアと共同し、常に連携を図りながら積極的に任務を遂行して大会の円滑な運営に大きく貢献した。


"海からの救助"広く世界
国際ユニヴァーサルデザイン会議
佐世保地方総監部

 佐世保地方総監部(総監・吉田正紀海将)は10月13、14日、国際ユニヴァーサルデザイン協議会が主催する「第4回国際ユニヴァーサルデザイン会議2012in福岡」に参加した。
 今年の会議では、東日本大震災などの教訓を踏まえ「安心・安全〜ユニヴァーサルデザインの基本を考える〜」をテーマに、公開シンポジウム、全体会議、分科会、展示会などを実施。監察官・米丸祥一2海佐が「東日本大震災における海上自衛隊の災害派遣活動」について、「初動においては全力で如何に尽くすべきか、海上からの救助は質・量とも如何に有効であるか」を中心に、"Rescue from the Sea海上からの救助"をキーワードに、護衛艦「たかなみ」の救助活動を主な題材として講演を行った。"海上からの救助"は阪神・淡路大震災の教訓から、護衛艦部隊が地震情報などに接した場合の初動対処要領をマニュアル化し備えておく発想で山田道雄氏(元呉地方総監)が構想を打ち出し実現に尽力した。
 「たかなみ」は、発災直後、横須賀基地を慌ただしく出港し翌日未明に金華山沖に到着。石巻港沖を仮の活動拠点と定め他の艦艇に先駆けて進出し、陸上捜索隊及び搭載ヘリなどによる孤立者救助、捜索及び救援物資輸送などを実施した。発災から3日間の72時間が人命救助に極めて重要とされている中、初動3日間で135人を人命救助、被災者15000余名に対して食料供与及び生活救援物資輸送を行った。講演では更に、海自が実施する一般的な災害救助活動及び、米海軍の救助活動並びに海上防衛力の特性などを広く内外に紹介することにより海上からの救助の有効性について多数の国内外聴講者から賛同を得ることができた。
 米丸2佐は、「正に"※恩海義きょう"を胸に秘めた災害派遣活動は、人として当然の道として広く世界に受け入れられたものと強く感じた。東北の被災地が1日も早く復興することを心より祈念しています」としている。
※日本海海戦で敗れ漂着したロシア水兵を保護した対馬住民を賞し東郷平八郎元帥が記念碑に揮毫した、海の恵みと博愛を説いた言葉。


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