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自衛隊ニュース   2012年12月1日号
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寄せ書き
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同期と山岳救助を体験
第7普通科連隊(福知山) 2陸曹 井本 淳

 FTC訓練を目前に控えた10月6日、任務完遂のため体力と精神力向上を目的に、同期の隊員(足立3陸曹)と二人で六甲山縦走を実施しました。神戸の須磨から宝塚まで繋がる縦走路は全長56キロとハードなコースです。
 当日、朝から快調に前進していましたが、六甲山の山頂に到着したのは予定より1時間遅れの17時でした。天候が悪化してきたこともあり経路を変更し、最短距離で下山することとしました。
 下山を開始して間もなく真っ暗な登山道で、しゃがみ込む二人組の登山者を発見しました。声をかけると、一人が過呼吸で動けず、我々より前に通りがかった登山者が救急隊の要請に下山中とのことでした。しかし、救急車が進入可能な道路まで20分の距離があり、周囲の状況や傷病者の状態を考慮して背負い搬送で下山することにしました。
 傷病者を発見してから1時間後、夜間の山道ということもあり若干のロスがあったものの傷病者は救急隊に無事、収容されました。救急救命士の資格を持つ同期の隊員が傷病者に適切な処置を行っていたため、スムーズに引き継ぎを行うことができました。
 後日、警察の方と話をする機会を得て、近年このような事案が増加していることを知りました。最悪の場合は遭難者の捜索もあり得るが、今回はそれを未然に防ぐことができたということ、また救助された方も無事であることを伺い、我々のとった行動が山岳救助の一助となったということを実感しました。自分自身、最善の処置ができたのか少し反省すべき点も残りますが、人の命が救われたことを心より嬉しく思います。

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祭の支援で絆が深まる
第37普通科連隊(信太山) 1陸士 三輪 久

 私は10月6日、地元の黒鳥町の坊小路の「だんじり」を曳きました。今回で3回目、過去2回は高校生のときに友人の助っ人としての参加でした。その経験から、だんじり祭の過酷さは知っていましたが、今回は同期と一緒に参加し、言葉を交わし交友を深め、なにより全員で参加できることが楽しみでした。
 朝4時に起床し寝ぼけ眼の状態で集合し、だんじり小屋へ向けて前進しました。参加した10名中7名が人生で初めて法被を着てのだんじりデビューでした。
 青年団の人たちによりだんじりが姿を現しました。本当に楽しそうでした。経験の少ない私にも青年団や町内の人たちにとって、だんじりがとても大切なイベントであるのがよく分かりました。なんといっても、この2日間のために、準備に1年間費やすのですから。
 私のように、だんじりをあまり知らない者には楽しさを理解するのは難しいと思いますが、今回のだんじり支援で大きな収穫がありました。それは同期との絆が深まったことです。苦労を共有し、大声を張り上げながら街中を走り抜け、笑い、楽しい時間を過ごしました。
 綱先で、綱を体中に巻き付けての「やりまわし」は体がちぎれる思いでしたが、大勢のギャラリー、一緒に曳いている青年団、食事の用意をしてくれた裏方の人、なによりだんじりを曳いている子供たちのためにも、忍耐力の強い私たち自衛隊は文句を言うべきではなく、使命を果たすべきだと思いました。
 人数は少なくとも頑張って曳くことも時には必要です。演習前で体力的に大変でしたが、自衛隊として公務員として少しでも人のために働くことができて良かったと思います。

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お酒が父の栄養剤
第43普通科連隊(都城)  原ノ後健一2陸曹の長女
高1 原ノ後りの

 私の父は、とてもお酒が好きで毎日、晩酌をします。ビールはもちろん、とくに焼酎が大好きで水のようにグビグビ飲んでいます。そんなに飲むと体に悪いのでは、と心配になりますが、父はとても元気で二日酔いで気分が悪いという姿は見たことがありません。まるでお酒が父の栄養剤みたいです。
 自衛官なので体力が必要です。体が丈夫な父にピッタリの仕事だと思います。小さい頃は父がどんな仕事をしているのか、あまりよくわかりませんでした。でも東日本大震災のときに、その仕事の重要さや責任の重さを知りました。災害派遣のことをテレビや新聞などの報道や、父に尋ねることで様々なことがわかり、父の仕事を私なりに理解するきっかけとなりました。人のために何か行うこと、みんなが平和に過ごせるようにすることが父の仕事なのだと思います。
 これからも体力第一で、みんなのために元気で頑張ってほしいです。私も父と同じように、人に喜んでもらえる、人の役に立てるような仕事につきたいと思います。

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国守る隊員の言葉に重み
三重県伊勢市 美容師 中瀬貴子

 オーナーから今回の久居駐屯地での自衛隊生活体験の話を聞いたときは驚きと、どんなことをするのだろうと頭の中で色々な想像だけが膨らみ正直、不安で一杯でした。
 「自衛隊生活体験に参加することが私たちに、どう関係するのか」まだまだ不安の残る中、午前中の基本教練。「右向け、右!」進むとき、止まるときも号令をかけ、皆が揃うまで練習。女子チームの隊員さんは優しく教えてくれたので、楽しく体験できました。
 思ったより怖くない、怒られるのを覚悟していただけに少し安心して、気持ちも少し緩みました。でも午前終了のとき、ある隊員さんから厳しい一言「せっかく体験をするなら、もっと気を引き締めて真剣に!」。普段から国を守るために厳しい訓練をしている方の言葉は重みがありました。
 お昼からは皆も体験をする意味を少しずつ理解できたのか、足並みも揃うようになり、足音がピタッと同じになったような気がしました。誰が早くても遅くてもダメで同じように、お互いのことを見ながら行進し連帯責任で協力をしながら、お互いに迷惑をかけないように気持ちを合わせることが自然にできたのかな、と私なりに思いました。
 美容師という仕事は、お客様に心地の良い時間を過ごしてもらい、また幸せな気持ちになってもらうことができる良い仕事だと思っています。そのためにはスタイリストもアシスタントも「同じ気持ちになり協力し合い、連携がうまくいけば一番理想的」だと思います。職種は違っていても大切なことの一つではないかなと考えます。
 今回、一泊二日の短い期間ではあったけれど中身の濃い訓練でした。目標を達成するために協力する、連携することを養えたような気がします。

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"幸せ"でいっぱい
第6通信大隊(神町)  3陸曹 山田鉄郎

 9月28日に第一子「彩加」が誕生しました。初めての子で不安もありましたが無事に生まれてきてくれて本当に幸せな気持ちでいっぱいです。
 今回、出産に立ち会いました。大変な思いをして、かわいい子どもを生んでくれた妻にとても感謝しています。女性の強さ、生命の尊さ、家族の絆を実感しました。
 自宅に帰ると、オムツ交換や哺乳瓶でのミルクの授乳、沐浴など大変なときもありますが、子どもの無邪気な姿を見ているととても幸せで充実した毎日です。
 日に日に成長する子どもを見ては、親になったことを実感しています。
 これから子どもにいろいろなことを教わりながら自分自身も一緒に成長していく事と思います。守るものがまた一つ増えたので、これからは更に努力して、支えてくれている家族、そして妻に感謝の気持ちを忘れず、家庭のため、そして子どもの幸せのために、自衛官のパパとして一生懸命頑張っていきます。

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先輩と妻に感謝
第6通信大隊(神町)  3陸曹 鈴木篤史

 9月26日に3992グラムの女の子が無事に生まれました。名前は「聖來(せいら)」、「知徳が優れた理想的な人が来た」という意味で、早速親バカになっている次第です。
 今まで子供が苦手で生まれてきた我が子でありながら抱き方や、あやし方が下手でしたが約一ヵ月が経ち、ようやく慣れてきました。
 妻が臨月の頃、職場の先輩から「立ち会い出産をすれば、これからの人生変わるよ」と言われ、波瀾万丈の人生だった私は、妻の出産に立ち会いをして劇的に人生観が変わりました。アドバイスをしてくれた先輩と、陣痛に耐え無事に五体満足の赤ちゃんを産んでくれた妻に感謝の気持ちでいっぱいです。
 親になって初めて、家族、世の人のために生きていく使命感が醸成されるのだと実感しました。そして朝礼時に唱和している「誇り高き陸上自衛官の心得」の意味を深く胸に刻み、これからも一生家族のため、国防のために尽力していきます。


「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
準備万全に「健康管理第一」で
(株)北海道銀行岩見沢支店 齋藤義則
齋藤氏は平成17年5月、第12施設群本部管理中隊を3陸尉で定年退職。61歳

 昭和47年5月に入隊し、35年余りの自衛隊勤務を終え、平成17年に定年退職しました。
 退職前には「取得している資格を少しでも活かして自分に向いた仕事をしたい」と思っていました。しかし、実際には資格に関係のない北海道銀行岩見沢支店に就職することになりました。
 当行に入社してからは様々な規定を覚えなければなりませんでした。さらに、お客様に接する姿勢、現金等を扱うための緊張感、おかげで、入社して6年の経験を経た今現在でも、初心を忘れることなく頑張っています。
 自衛隊においては、入隊当初から1から基礎的なことを手を取り教わり、困っている時も相談に乗ってくれ、忙しい時は皆で協力し合う、そんな団体生活の良さを十分感じていました。しかし、今の職場においては、一人一人が違う業務を行っているため、指導受けも相談もなく、不安も多々ありましたが、月日が経つにつれ、なんとか仕事をこなせるようになりました。
 今でも帰宅するなり「ふーっ」と一息ついて、今日も一日無事に仕事を終えた安堵の気持ちになります。それは、民間は営利を目的としているために自衛隊とは全く違う厳しさがあるからです。そんな厳しさに戸惑いを感じながらも「自衛隊で培った忍耐力・精神力と体力を身につけていて本当によかった」と思うとともに、自衛隊には感謝の気持ちでいっぱいです。
 これから退職される皆さんは退職後、安心して生活するための準備はとても大切です。仕事も納得して就職した会社なら頑張れるはずです。そのためには健康管理が最も重要です。そして、健康管理は個人管理で行うものです。私自身、最低でも65歳までは健康で頑張ります。皆さんも就職の為の準備を万全に整え「健康管理第一」で頑張ってください。


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