防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年7月1日号
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寄せ書き
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人を助ける仕事
第20普通科連隊(神町) 陸士長 吉田希実

 私は小学校低学年の頃、天童高原スキー場でリフトに搭乗中、トラブルでリフトが停止してしまい、たまたま訓練で来ていた自衛隊の方から助けられたことがあり、その模様は翌日の新聞にも紹介されました。このことがきっかけで自衛隊を格好よく思うとともに、「私も人を助ける仕事をしたい」と強く思うようになり、自衛官を志し入隊することができました。
 (この場をお借りしてお願いがあります。あの時、私を助けてくれた方がどこの部隊の方か分からずに今に至っていますが、もし、あの時のことを覚えている方や現場にいた方がいましたら、ぜひ教えてください。よろしくお願いします)
 連隊では衛生小隊で勤務し、昨年の東日本大震災の災害派遣では入隊の動機にもなった「人を助ける仕事」を微力ながらできたことを誇りに思うとともに、被災地で私が接した子供達の中から、私のように自衛隊に入りたいと思ってくれる子が現れてくれれば、とても嬉しく思います。
 現在、私は念願がかない陸曹候補生の試験に合格し、7月からの入校に向けて履修前教育を受けています。陸教では暑さに負けず、自分に負けず「辛いときこそ元気と笑顔」をモットーに頑張ってきます。そして連隊、中隊に貢献できる陸曹になれるように一回りも二回りも成長して陸教から帰ってきます。

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「カモ〜ン」で成功
第17普通科連隊(山口) 2陸曹 佐伯弘明

 4月26日、海田市駐屯地体育館で開催された第10回「日米アーミーコンサート」に第13音楽隊の一員として山口駐屯地音楽部4名と、米子駐屯地音楽部3名が参加する機会をいただき、私はトロンボーン奏者として演奏に参加しました。
 米軍側は在日米陸軍座間軍楽隊! 私は英語を特に苦手としているため、13音楽隊に混ざって演奏することだけでも荷が重い中、言葉の壁が演奏以上に重く圧しかかりました。
 当日、軍楽隊と合同訓練を行う寸前まで「英語ができれば楽しいだろうなぁ」と、テンションが下がる中、軍楽隊のトロンボーン奏者の方が体育館に姿を現しました。そのとき13音楽隊のトロンボーンの隊員が一人もおらず、私は「どうしよう」と思いつつも「軍楽隊の方々を演奏席に誘導しなければならない」と、とっさに思い「トロンボ〜ン、カモ〜ン」と普通に日本語をしゃべる感覚で、軍楽隊の方々の誘導に成功。その後、楽譜の省略箇所を説明、楽器の上げ下げを行う箇所など、思いつく限りの単語と動作で説明し「伝わってないだろうなぁ」と思いつつも私の顔にも自然と笑顔が出て、軍楽隊の方も笑顔で応えてくれました。
 練成訓練間は言葉の不安と、まともに演奏ができない自分が情けなく、とても辛い日々ではありましたが、演奏が終わると共に笑顔で握手を交わし、一気に今までの気持ちが消え去り、とてもすがすがしい気持ちがしました。
 この度、訓練とは違う演奏で米軍と共演する機会をいただき「楽器も英語も、もう少し頑張ってみよう」と前向きに考えるとてもよい経験となりました。

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「釣バカ報告書」
第6特科連隊(郡山) 3陸曹 大串 仁

 今年の春季休暇に同じ中隊内の仲間と共に新潟県へ海釣りに出かけた。自分達が住んでいる福島の海では、原発事故によって魚の捕獲が制限されているため、釣りが出来ない。
 そんな中、新潟の海で釣りをするのは3度目だ。我々は主に堤防での釣りなので、時合が合えば数が釣れるが、そうでなければ撃沈する時もある。
 そして今回、釣りを始めて15年、今まで釣ってきた中で一番の大物と出会った。体長65センチのワラサである。竿を振って誘いを入れている最中に「ガン」というもはや衝撃と言うべき当たりと共に一気にラインが走り、数分間格闘した。釣り上げた時、今まで感じた事のない達成感に満ち溢れていたと同時に手も震えていた。こんな魚と出会う機会はこの先何度あるのだろうかそう考えるとまた釣りにでかけたくなる。もちろん、仲間たちとともに。

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指導の難しさ痛感
第4後方支援連隊(福岡) 陸士長 野口明日香

 私は4月18日から20日までの間、地元企業などに勤務する女性11名に対し、隊内生活体験入隊の支援を行いました。そして言葉で伝えることの難しさ、指導することの難しさを痛感しました。
 また、指導される立場から指導する立場になってみて気付くこともたくさんあり、自分自身の足りないところを知るとてもいい機会になりました。新入社員の人達から学ぶことも多々あり、自衛隊も会社勤務も初心を忘れないこと、人間関係、お互いの信頼関係などが大切なのだと感じました。
 たった3日間という短い期間の中でも「みんなで団結して頑張ろう」という気持ちが伝わり、とても嬉しかったです。これからも初心を忘れず日々精進していきたいと思います。

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人との付き合い方
第38普通科連隊(八戸) 陸曹長 星川三男

 人と付き合う上での距離ということで、私が日頃から気をつけていることは「放ったらかしにしない」ということです。
 例えば古くからの友人がいて、しょっちゅう会うわけではないけれど、時には顔を見たくなったりする。「あいつ、元気でやっているかな」。そんな時、私はすかさず電話をします。
 「久しぶりだな、元気でやっている? 最近どうしてる?」「いやあ、もうすぐ定年になるから、毎日が忙しいようで、毎日が日曜日みたいな」。
 特に用事があるわけでもなく、ただこれだけの会話です。でも、そんなちょっとした会話だけで友人との絆は切れることはありません。面倒くさいと思って2、3年も連絡を取らなければ、やがては会うことも電話も少なくなってしまう。何年も連絡をせずに久しぶりに会ったところで互いに話すことも見つからない。人付き合いとはそういうものだと私は思っています。
 毎年、春と冬になると私は友人たちを集めて飲み会をします。みんなが集まる場をつくり、そこで離れかけた距離を取り戻そうとします。集まってくれた友人と話をしたり…互いに良い関係を続けたいと思っているのなら、やはりそれなりの努力をしなければなりません。これからも友達の集まる場をつくっていきたいです。
 さて、こういう物理的な距離とは別に「心の距離」というものがあります。人間関係の距離感に悩んでいる人がいるとすれば、きっとこの心の距離の取り方が分からないのでしょう。これを解決するためには、まずは相手の性格を知ることです。
 人のタイプはさまざまです。よくしゃべる人もいれば寡黙な人もいる。ずけずけという人もいれば遠慮がちな人もいる。誰に対しても同じような付き合い方をするのではなく、相手に合った対応をしてあげることではないかと思います。言い方を変えれば「相手の性格に合った付き合い方を自分自身が演出する」ということだと思っています。

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救急シンポに参加
第7普通科連隊(福知山) 3陸曹 小柴勇次

 私はこのほど3日間にわたり静岡県浜松市で開催された「全国救急隊員シンポジウム」に参加しました。そして隊員の方々の「少しでも多くの人を助けよう」という強い思いに、とても感銘を受けました。
 救命士制度が発足して20年が経過しましたが、シンポジウムでは、これまでの問題点やこれからの課題、今までに体験した症例などの発表がありました。
 一番多く取り上げられていたのは「患者の第一発見者は、ほとんどが一般市民であり、その対処能力を養成することが救命率向上に繋がる」ということでした。
 この先さまざまな形で衛生に関する教育に参加すると思いますが、私にできることは、少しでも多くの人に応急処置の技術を普及・教育し、また私が実際に患者発生の現場に直面した際は自分のできることを尽くし、助けることができるよう日々訓練に励んでいきたいと思います。


頑張っています 新しい職場
活躍するOBシリーズ
イーケーエレベエーター 川 浦 契 吾
必ず役に立つ自衛隊での経験
川浦氏は平成22年1月、新町駐屯地業務隊を3陸佐で定年退職。56歳

 これから再就職する皆さん、自衛隊勤務で培った数々の貴重な経験は第2の職場でも必ず役に立ち、全く心配御無用です。現職務に最後まで精励し、安心して再就職のスタートを切ってください。私も、人間関係や識能等不安でしたが、地元援護センター並びに関係上司の御尽力により、紹介された会社にお世話になって早2年、こうして元気溌剌、若い課長・係長・主任の御指導を頂きながら愚息と同年齢の先輩社員に囲まれ、楽しく勤務しています。
 特に、定年退職前数年間は部隊勤務を離れ、若い人達と接する機会が少なく、若い皆さんとの会話がとても新鮮です。僅かな拙い経験ですが、自衛隊勤務の経験が役立っている事項として、(1)一返事二立ち三歩以上駆け足=素早い反応(2)挨拶の励行=警戒心旺盛な斥候の気持ちで周囲の人に真っ先に挨拶(3)ある物がある所にあるようにあれ=営内生活で学んだ整理整頓(4)水平直角一直線=誰でも分かる倉庫管理(5)業務手簿の活用=上司・先輩の指導事項をノートに記載し、決して忘れない。(6)文書要務=意図の明確な簡潔な文書、一目瞭然な「表」作成(7)誠実・積極、実行力=業務は積極進取の気持ちで前向きに実行(8)桃栗3年柿8年=辛抱が肝心(一寸ミスマッチしたからと早期退職は不可です)、などがあります。
 終わりに健康な身体、頑強な体力は申すまでもありません。自衛隊での経験は第2の職場でも磐石です。地本等の御尽力を忘れず励みたいものです。


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