防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年10月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
ガンバレ、イチロー!
まだ39歳これからの活躍も大いに期待だ

 町の自動車精密部品を製造している小会社から、仲間のひとりが社員が5倍も多い大企業に引き抜かれたが、聞いてみると「工場長」の肩書きははずれ、給料も前とほとんど変わらず、ボーナスも在籍期間が短かったため「雀の涙以下」だったとか。
 「でも、これから先の20年を考え、若手工員を育てながら、また認めてもらえれば…」と話していた。
 前書きが長くなったが、そんな一夕、グラスを傾けながら、マリナーズからヤンキースに移籍した大リーガー・イチローの話をした。イチローは、マリナーズで5年契約の最後のシーズンだが、若手が育ってきたこともあって、ヤンキースに移籍したらしいな、という話になった。
 イチローはマリナーズでの12年間、スターとしてその実力は誰もが認めるところだった。5年契約の最後の今季も、残る気なら残留できただろうに、という話になった。主力としてチームを引っ張るにしろ、コーチ兼任にしろ、存在がネックになることはないはずだ。
 それが、自分から申し出てヤンキースに移ったというなら、話が合わない。ヤンキースは今季、主力の外野手が故障で、イチローの加入は大いにプラスになっているのかと思えるのだが、ジラルディ監督は、定位置のライトだけでなくレフト、センターも守らせるし、打順も決まっていない。それどころが先発をはずされベンチに置かれたり、送りバントのサインが出たりしている。
 5年契約で年棒1700万ドル(約13億円)のスターの存在が泣こうというものだが、一部にヤンキースは今季限りでイチローを手放す、というウワサも流れている。39歳になる年齢的な衰えをちゃんと計算に入れているのだろうか。
 そういわれてみれば、10年続けてきたシーズン200安打以上がストップ(2010年)した。盗塁年30個以上の俊足も脚力にかげりが見えてきた。イチロー自身「自分でも年を重ねてきたのかなあと実感することがある」と口にしているという。「体は元気でも、心が折れるときがある」と担当記者にもらしたとか。
 ただ父親・鈴木宣之さん(59)は「せめて田口さん(元阪急、カージナルス)くらいまでは頑張って…」と話している。田口壮選手は、1992年オリックス入団時の同期生で、先頃43歳で「引退」を表明した。年齢的には4歳年上で、イチローには「もう少し頑張れ、とメールした」そうだ。
 「寂しいですね。日本ではいつも一緒。95年からのリーグ連覇、96年の日本一も一緒。隣にいてあれくらい守りやすい選手は、メジャーに移っても出合ったことがない。お互いに意識し合ってやってきたんだし、オレは田口さんの分も含めてもう少し頑張ってみたい」
 イチローが来季、どうなるのか。「日本に帰って有終の美を飾るのも選択肢のひとつか」という声もあるが「こんなことでくじける男と違う。もう一度スイッチを入れ替えて頑張ってほしい」とは、愛工大名電時代の監督・中村豪さん(70)の激励の言葉。その言葉を裏付けるかのように、9月下旬のブルージェイズ戦で自己最多の1日2試合、8打数7安打4盗塁をマークした。ジェラルディ監督は「まだ安心できない」としているが「やるじゃないか」。
 最近読んだ本に、59歳まで投げ続けた伝説の黒人投手サチェル・ペイジが、歳を聞かれて「年齢のことさえ聞かれなければ、投げ続けていただろう」と答えたとあった。イチローはまだ39歳。先が楽しみだ。


日本オリンピック委員会が体校に「最優秀団体賞」
トップアスリートサポート賞で
オリンピックとミリタリー
体校渉外広報室 3陸佐 佐野伸寿

 日本オリンピック委員会は「トップアスリートサポート賞」最優秀団体賞に金2個銅2個を獲得した自衛隊体育学校を選んだ。今大会では、この受賞に象徴されるように自衛隊選手の活躍が非常に目立った。だが、活躍したのは自衛隊だけではない。各国とも軍人アスリートが大活躍した。
 一例を挙げると湯元進一2陸尉が銅メダルをとったレスリング・フリースタイル55kg級では優勝者であるロシアの選手をはじめ4人のメダリスト全員が軍人だった。また、鈴木康弘3陸尉を下しボクシング・ウエルター級で優勝したサピエフ選手はカザフスタンの陸軍大尉だ。さらに日本のお家芸である柔道の女子48kg級ではブラジルのメネゼス海軍伍長が北京王者のドゥミトル大尉(ルーマニア)との軍人対決を制し優勝。女子体操跳馬を制したのはルーマニアのイズバス軍曹。話題になったフェンシング・フルーレ日本チームを破って金メダルを獲得したイタリアチームは全員が軍人だった。
 とくにドイツは6種目で7人の軍人が金メダルを獲得しており、ドイツ全体で金11個ということから考えると、ドイツのスポーツを支えているのは間違いなく軍人アスリートだ。
 軍人がスポーツの分野で活躍するのは、今や世界の常識となった。米軍は体育として全隊員にレスリング、ボクシングを義務づけ、柔道を徒手格闘体育訓練として採用している国は年々増えている。軍隊という組織は兵士を日々強化しなければならず、兵士の強化策として体育訓練を積極的に行う必要がある。そのため各国とも自軍の精強化のためにスポーツを奨励している。
 だが同時に、軍人の国際交流としてCISM(国際軍事スポーツ委員会)の活動を忘れてはいけない。オリンピックはスポーツを通した平和な国際社会の構築を目標としている。その理想を実行すべく、1948年に世界各国の軍人のスポーツによる国際交流の場として設立されたのがCISMである。すでに設立から半世紀以上が過ぎ、近年では信頼醸成のための平和構築装置として、軍人のスポーツ交流が見直されてきた。そのため、以前であれば経済的理由から発展途上国の方が軍隊スポーツは熱心であったが、最近では先進国諸国でも多くの国が重視している。そんな状況が今回のロンドンオリンピックでは顕著に現れていた。
 また、このCISMの活動はオリンピックにも大きな影響を持つようになった。2016年オリンピックの誘致活動では、ブラジルはミリタリーゲームを開催し、CISMを通じたロビー活動を活発に行い、日本やその他の競合国に差をつけリオデジャネイロ・オリンピックを勝ち取った。
 自衛隊は未だCISMには未加盟で、自衛隊体育学校の選手が軍人の国際交流を担うという任務を持っている訳ではない。自衛隊体育学校の選手はあくまでも体育訓練による自衛隊の精強化への貢献が求められる。だが、オリンピック終了後、総理官邸で行われたオリンピック成果報告会では野田総理から米満達弘3陸尉に対して「自衛隊員、そしてレスリング選手として、世界平和に貢献を!」と書かれた総理直筆のメッセージが贈られた。日本の国家戦略として自衛隊体育学校所属選手には新たな役割が求められる時代になった。


防衛ホーム 俳句コーナー

虫遠く鳴けば遠くへ目をやりぬ 大谷弥栄
わが顔を映して馬の瞳の澄めり 本多令佳
どつしりと御嶽聳ゆ走り蕎麦 宮本立男
新米の稲穂を吊りて釜めし屋 安田清子
宮参り延び延びとなり神無月 中村徳次郎
帶解きて座布団作る夜長かな 八木多佳子
ねぢ捲きの時計大事に敬老日 山内瑞江
朝露の径を稲架棒担ぐ行く 井戸田盛男
合はす掌を額まで上げ十夜婆 高橋のぶ子
掌のぬくみ杖にうつりて秋深し 菊池 緑
嫁姑手鎌で刈れる倒伏田 谷 勝美
旅にして思ひがけなき茸飯 辰巳一郎
秋晴や馬柵に鐙を並べ干す 小田知佳
層塔の背にありし秋の翳 石川千枝子
百姓の妻として生き吾亦紅 脇田登志子
落葉焚く煙の中に妻の顔 図子利明
   選 者 吟
決然と踏切り渡る秋の蝶 成川雅夫
(「栃の芽」誌提供) 


HOME's English Class (防衛ホーム英語教室)
Trick or Treat
トリック オア トリート
お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!

 Hi! 皆さん。やっと、秋めいてきました。急な気温の変化に体がついていかないところもありますね。さっそく風邪を引いてしまったかたも多いのではないでしょうか。読書、ハイキング、グルメ、どんな秋を楽しみますか。最近、街の花屋さんなどでかぼちゃの照明を見かけます。かぼちゃをくりぬき、中にろうそくを立てて照明にしたものです。英語では、Jack-o'-lantern(ジャコランタン)と呼びます。ハロウィーンの代表的なアイテムです。

 さて、今回の表現は、ハロウィーンで使われる表現です。"Trick or Treat"「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ」です。Trickはいたずら、Treatはお菓子をご馳走することです。ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていました。日本のお盆のようですね。ハロウィーンは、邪悪な霊から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていたことに由来します。カトリックでは、11月1日が諸聖人の日(All Hallows)となっており、その前夜ということでHallows-eveとなり、それがHalloweenと訛ったとされています。ハロウィンの仮装には、幽霊、魔女、コウモリ、黒猫、ゾンビ、魔神、ドラキュラやフランケンシュタインのような怪物が含まれます。日本ではディズニーランドや川崎市のハロウィーンパレード(1月28日)が有名ですね。子どもたちが仮装をして、家々を訪ね「いたずらかご馳走か」と叫びながら、お菓子をもらって歩く楽しいお祭りです。いたずらは、留守宅にトイレットペーパーをぐるぐる巻くといったかわいいものです。

 残暑が厳しく本当に暑い初秋でしたね。急な気温の変化で調子が出ない方もいるかと思いますが、夏の疲れをゆっくりととって、秋を楽しみましょう。それでは、今秋もストレスのない陽気で楽しい生活をお過ごしください。
〈スワタケル〉


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