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自衛隊ニュース   2012年4月1日号
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本科384名が巣立つ
防大卒業式
野田首相「国民と共にあれ」

 防衛大学校(神奈川県横須賀市)の本科56期学生、理工学研究科前期課程49期学生、理工学研究科後期課程第9期学生、総合安全保障研究科前期課程第14期学生及び総合安全保障研究科後期課程第1期生の卒業式が3月18日、自衛隊最高指揮官の野田佳彦首相を迎え、同校記念講堂で行われた。
 式典では、3月末日に退職の五百籏頭眞(いおきべ・まこと)校長が、本科56期384名(うち女子32名、留学生12名)と研究科各学生84名一人ひとりに卒業証書を授与した。また、一般幹部候補生任命・宣誓が行われ、陸海空各幕長が陸上要員182名、海上要員90名、航空要員96名を任命した。
 晴れて卒業証書を手にした学生を前に、五百籏頭校長は、「国防に、国際協力活動、災害派遣、いずれにあっても、諸君がここ小原台で培った器をもとに、持ち場を捨てず前進し、生涯に渡って健闘することを期待します」などと式辞。野田首相と田中大臣はそれぞれ、次のような訓示を述べた。
 野田首相は、「是非心に刻んで欲しい」と前置きして、「国を守るという責任の重さ」、「世界へと羽ばたく気概」、「常に国民とともにある姿勢」の3点を要望。3点目については、先の大戦中、共に戦った沖縄県民を気遣う電報を打電したのち自決した大田実海軍中将のエピソードを語り、国民へ真心を持って寄り添う大切さを訴えた。田中大臣は、「同期の絆を財産として切磋琢磨を続け、国民から信頼される、新しい時代を担うに相応しい立派な幹部自衛官となって下さい」などと訓示した。
 また、来賓代表として元駐米大使で日本プロフェッショナル野球組織コミッショナーの加藤良三氏が卒業生に祝辞を送り、金子紘士本科学生が卒業生を代表して力強く答辞を述べた。


高らかに医師の誓い
医大卒業式

 防衛医科大学校で3月10日、医学科第33期学生の卒業式が挙行された。
 午前10時半過ぎに開式し、はじめに全員で国歌斉唱を行った。厳粛な雰囲気の中、早川正道校長が65名の卒業生一人ひとりに卒業証書を授与し、固く握手を交わした。その後、学生代表に学位記が伝達され、卒業生全員で医師の誓いを唱和した。
 早川校長の式辞に続き、田中大臣が登壇。訓示で南スーダンやハイチ、ゴラン高原などの海外での自衛隊活動について触れ、「このような厳しい環境のもと、整斉と任務を遂行する隊員を健康管理面で支えているのは自衛隊衛生であり、その中心となる医官の役割は益々重要になってきている」とするとともに、「国民の期待に応えられるよう優れた総合臨床医となるべく、また立派な幹部自衛官となるべくたゆまぬ努力を続けていただきたい」と要望した。
 次いで来賓代表からの祝辞と在校生代表からの送辞が行われた。これに応えて卒業生代表が答辞で、6年間にわたる関係者の指導等に感謝を述べ、校歌斉唱で卒業式を終えた。
 引き続き、幹部候補生任命・宣誓式が行われ、陸上要員42名、海上要員13名、航空要員10名がそれぞれ曹長・幹部候補生に任命され、陸海空代表者が力強く宣誓した。
 卒業生たちは最後に、家族に向けて「不安も大きいけれど、これからが楽しみです。お父さん、よき理解者でいてくれてありがとう。お母さん、こんな人生をありがとう。これからもよろしく!」と改めて感謝の気持ちを伝え、盛大に帽子投げをして新たな道を歩みだした。 


最後の陸自生徒が卒業
高等工科学校

 3月12日、陸上自衛隊武山駐屯地内の高等工科学校(学校長・市野保己陸将補)で君塚栄治陸幕長立会のもと、第55期生219名の卒業式が盛大に行われた。平成22年に少年工科学校が高等工科学校に改編されたため、最後の陸上自衛隊生徒卒業式でもある。小泉進次郎衆議院議員、佐藤正久参議院議員、古屋範子衆議院議員、井上武富士学校長、平田文彦横須賀病院長など多数の来賓を招いて挙行された。

 219名の卒業生一人一人に声を掛けながら卒業証書を渡す学校長。「うちの子がここで3年間過ごせるとは入学当初は思えなかった」と証書を受け取る生徒の姿を見て涙を拭う保護者。その後「目標をたて日々努力せよ」「同期の絆を大切にせよ」の要望を含め卒業とは陸上自衛官としての新たなスタートであると、市野学校長から式辞があった。
 君塚陸幕長からは「技術分野を担う陸自隊員として、誇りと使命感をもち謙虚に。そして、自ら部隊の先頭にたち陸曹の中核となるために邁進してほしい」「先の内閣府の調査では、98%が自衛隊員を評価してくれた。大きな成功は小さな成功の積み重ねであり、諸先輩方が50年以上積み上げて来た一つ一つの成果が今回の評価に現れた。しかし、評価を下げるのはあっと言う間だ。今後は現場より15万人の陸上自衛隊を支えてもらいたい」などと訓示があった。
 式典のあとは、恒例の在校生による送別パレード、卒業生パイロットによる祝賀飛行と続き、熱気と歓声に包まれた。午後3時10分からは、在校生、職員など全員の見送りを受けながら中期校に卒業生たちは向かって行った。


護衛艦「あきづき」、潜水艦「けんりゅう」、掃海艇「えのしま」
海自艦艇3隻が就役

 平成23年度就役の海自艦艇3隻の引渡式・自衛艦旗授与式が3月、相次いで行われた。
 就役したのは護衛艦「あきづき」(艦長・高田昌樹2海佐)、潜水艦「けんりゅう」(艦長・岡林眞人2海佐)、掃海艇「えのしま」(艇長・松岡孝泰3海佐)。第1護衛隊群第5護衛隊(佐世保)に配備される「あきづき」は3月14日、三菱重工業株式会社長崎造船所で、第1潜水隊群第3潜水隊(呉)配備の「けんりゅう」は同16日に川崎重工業株式会社神戸工場で、第41掃海隊(横須賀)に所属する「えのしま」は同21日にユニバーサル造船株式会社京浜事業所で、それぞれ引渡式・自衛艦旗授与式を実施した。


音楽演奏会でつながる市民との絆

創立50周年を記念して
空中音

 航空中央音楽隊(隊長・立山吉博2空佐)の創立50周年を記念した演奏会が3月21日、東京文化会館で開催された。
 斎藤高順・第4代隊長が創立10周年を記念して作った行進曲「ブルー・インパルス」(青い衝撃)をはじめ、創立50周年記念委嘱作品の「トゥ・ザ・スカイ」などを副隊長の中村芳文3空佐指揮で披露し、これまで築いてきた歴史を音楽で表現。また、世界的にも有名なユーフォニアム奏者・外囿祥一郎2空尉による演奏のほか、第2部では米空軍(ワシントンD.C.)軍楽隊のラリー・ラング大佐が指揮をふるい来場者を魅了した。
 同隊は1961年に「航空音楽隊」として発足。東京オリンピックの開閉会式などの行事で活躍し、昨年2月1日に半世紀の節目を迎えた。震災の影響で延期となっていたこの演奏会には多くの人が集まり、会場はほぼ満席になるなど、空中音の人気の高さがうかがえた。

隊員を身近に感じる
富士学校音楽隊

 3月10日御殿場市民会館大ホールに於いて、「第34回陸上自衛隊富士学校音楽隊定期演奏会」が開催された。
 「富士総合火力演習では見たことがあるけど、ホールで聞くのは初めて。楽しみです」と開場開始前から近隣住民らが御殿場市民ホールに並んでいた。陸上自衛隊富士学校(学校長・井上武陸将)に所属する音楽隊らしく、会場玄関ホールには陸上自衛隊を理解するのに大きく役立つ多数の写真パネル。3部構成の第3部でも陸上自衛隊を近くに感じ、頼りたくなるような映像と、消灯ラッパの交響詩。全体を通してのきびきびした隊員の動きと、素晴らしい音楽に観客たちは酔いしれていた。
 第1部は、中央音楽隊から7名、高射学校音楽隊から8名、第12音楽隊から1名の支援を受けての「吹奏楽の響き」。第2部は地元の社会福祉法人富岳会 富岳太鼓、北富士駐屯地太鼓部 天王太鼓、滝ヶ原駐屯地 雲海太鼓による「鼓動〜和太鼓ステージ〜」。第3部は、「明日へ」をテーマに、かなり厳選されたと思われる6曲が披露された。
 「昨日テレビで震災の時の自衛隊の働きを放送していました。テレビで見た自衛官と今日の美しい音楽が重なって、めちゃくちゃ感動しました」「受付とかの隊員さんが優しい!」と、地元の女子高生。大成功の富士学校音楽隊定期演奏会だった。


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