11月28日、防衛省大臣室で、東ティモールにおける能力構築支援事業の派遣要員3名が森本敏防衛大臣に出国前挨拶を行った。
能力構築支援事業は、人道支援・災害救援、海賊対処、地雷・不発弾処理などの非伝統的安全保障分野を対象とする。従来の国連PKOや国際緊急援助活動などが問題発生後の「事後対応」であるのに対し、能力構築支援は、「平素から継続的」に、東南アジアなど開発途上国の軍・警察及び関係機関の人材に教育を付与、紛争や災害の対処能力向上を図り、被支援国と周辺地域の安定化に寄与する新発想の取組み。過去のPKOなどで得られた知見に基づき、同種の事業が各国で行われ成果を上げている。
こうした流れを受け、新防衛大綱に能力構築支援に取組むことが明記され、昨年度、内局防衛政策局国際政策課に能力構築支援室を新設(和栗博室長)。東南アジア各国、太平洋島嶼国、モンゴルで実施された調査研究を踏まえ具体化したニーズに基づき、今年度の東ティモール、カンボジアへの派遣が決定した。東ティモールでは、首都ディリ近郊のメテナロ基地の後方支援部隊に対し、同国の劣悪な道路状況で欠かせない装備品となっている四輪駆動車などをメンテナンスするため、自動車整備士養成教育などを行う。
今回の派遣要員は、挨拶を行った陸自中央即応集団・小山幹生2陸佐、陸自武器学校・鈴木建太郎3陸佐、能力構築支援室・阿部和美事務官の3名に加え、防衛省が契約した、自衛隊OBで構成される民間団体JDRAC(日本地雷処理・復興支援センター)4名の計7名。派遣期間は12月4日〜来年3月20日を予定。 |