今回の取材の過程で、関係者の話から、地本の置かれている環境が見えてきた。
東日本大震災後、自衛隊の認知度や好感度はアップしたが、親心から「あんな危険でキツい仕事を自分の子供には、やらせたくない」という人も出てきた。
「少子高学歴化」で高校生の採用が減り、学校とのこれまでの良好な関係の維持が難しくなった。2士採用試験の応募者に大卒が増え、中には大学院卒もいるという。
今年度から来年度にかけては定年退職者が増える。「若年定年制」の自衛隊にとって、地本の援護業務はますます重要になる。退職者の人数分、新規採用も増えるが、それに伴う質の確保も大きな課題だ。
「協力会等の方には本当に感謝しています。ご協力がなければ対応できない部分がたくさんあります」。今までとは違う状況突破に向け、あらためて協力者への謝意を口にする関係者も多かった。
表彰式の日の夜に行われた懇親会で、ある地本長は思わず、こう漏らした「挨拶の言葉を述べる必要のない酒の席は、なんと楽なことか」。
全国の地本勤務の方へ、本紙より心からエールを送りたい。
「大変な努力をされていることは防衛省・自衛隊の皆さん、関係者全員が理解し、そして感謝しています。お体にはくれぐれもお気をつけください。この国のために、ありがとう」 |