防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年6月15日号
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休日特別開催に家族連れなど多数参加
防衛省市ヶ谷台ツアーが12周年迎える

 6月2日、防衛省市ヶ谷台ツアー12周年特別開催が実施された。平成12年6月に始まった同ツアーは、毎年6月と秋の音楽祭りの時期に合わせて毎年2回、休日の特別開催を行っている。土曜日のこの日は午前・午後併せて約200名が参加した。

東日本大震災特別展
 市ヶ谷地区の庁舎や官舎、儀仗広場、市ヶ谷記念館などを約2時間30分かけ巡る市ヶ谷台ツアー。訪問者用エレベーターを上がり台地上に出ると、「下から見てこんなに広いとは想像できなかった」、「計画的に庁舎が配置されている。緑が多く明るい印象ですね」など参加者から驚きの声が漏れていた。ツアーの目玉のひとつである市ヶ谷記念館は、旧陸軍士官学校大講堂や三島由紀夫が立て籠もった前陸自東方総監室などが内部に復元され歴史の息吹を感じさせる建物だが、同所では6月11日まで、全国や世界中から寄せられた激励メッセージや千羽鶴などを展示した「東日本大震災特別展」を開催。防衛ホームの紙面に掲載した著名人からのメッセージも展示され、特にAKB48からのメッセージ色紙は写真を撮る人で順番待ちが出来るほど。この日のためにツアースタッフが用意した手作りボードの前で記念撮影をする家族連れも見られたほか、改めて、東日本大震災における自衛隊の活動に対し、感謝を口にする参加者も多かった。

笑顔のために地道な努力
 市ヶ谷台ツアーに携わるスタッフは全6名。毎週月〜金の午前・午後2回催行している。ツアー同行スタッフは、怪我防止のために常に足元の注意喚起を促すなど、参加者の行動、様子に細心の注意を払いながら連日、気の抜けない業務に携わる。「参加者の皆さんの笑顔を見るのが一番嬉しい」と須賀芳夫准陸尉。
 様々な動機から防衛省・自衛隊に興味を抱き市ヶ谷台を訪れる参加者に対し、子どもたちへ優しい言葉をかけお土産を手渡す、行列に先回りして全速力で走るなど、参加者を見守るスタッフたちの地道な努力が今日も繰り返されている。
※ツアー申し込み方法は、防衛省・自衛隊HPをご参照ください。


組手団体 健軍Aが10度目の優勝
形試合団体戦は下総に栄冠輝く
日本中から強豪
第50回全自空手

 記念すべき節目となる第50回「全自衛隊空手道選手権大会」が6月2日、日本武道館で日本全国から強豪36チーム、組手試合と形試合の団体戦、個人戦出場合わせ延べ約250名の選手が参加し行われた。
 組手団体戦は、健軍Aが10度目の優勝に輝いた。昨年は東日本大震災で大会中止のため2年越し2連覇となった。決勝の相手は健軍B。Aは2試合連勝で早々と優勝を決めたが、Bも意地をみせAに3連勝させなかった。健軍の選手は組手個人でも男子と女子ともに準優勝と大活躍だった。
 吉井正幸監督は「嬉しい限り。全体的に力があってチームとして充実している。引き続き連覇を続けたい」と話した。
 形団体戦の決勝は、キレと力強さで小牧を上回った下総が栄冠を手にした。
 来賓として在日米軍司令官バートン・フィールド中将が観戦に訪れ、試合後の表彰式にもプレゼンターとして参加。成績上位チーム、選手にトロフィーなどを手渡して栄誉を称えた。
 OBによる演舞も行われ、大会監査も務める野島千佳氏がお孫さん2名(朝霞・中村祐美選手、防大・中村圭登選手。ともに形試合個人で優勝)と見事な技を披露した。戦闘服姿の朝霞支部有志3名による空手演舞もあり、実戦さながらのパフォーマンスをみせた。

「間合いが大切」個人優勝 岩元選手
 組手個人男子は、高等工科学校の岩元泰樹選手が相手の不意を突く素早い攻撃で、自分よりひと回り以上も大きな選手を次々と破り優勝した。
 本紙の取材に対し岩元選手は「スピードより"間合い"に気をつけ、相手が反応できない攻撃を心がけている」とし、さらに「努力すれば大きな相手でも倒せる。優勝したことよりも、いろんな人に『勇気をもらった』と言われたことのほうが嬉しい」と話した。

[競技出場表彰団体・個人]
〈組手試合団体戦〉▽優勝=健軍A▽準優勝=健軍B▽第3位=芦屋、高工校
〈組手試合男子個人戦〉▽優勝=岩元泰樹(高工校)▽準優勝=井形翼(健軍)▽第3位=河野達也(芦屋)、金子潤基(健軍)▽敢闘賞=姫野雅史(防医大)、工藤奨水(健軍)、川端晋平(健軍)、谷口丈治(朝霞)
〈組手試合女子個人戦〉▽優勝=橋本侑子(富士学校)▽準優勝=小金丸亜希子(健軍)
〈形試合団体戦〉▽優勝=下総▽準優勝=小牧
〈形試合男子個人戦〉▽優勝=中村圭登(防大)▽準優勝=平野政幸(佐世保)▽第3位=伊村守人(下総)、梶山翔平(健軍)▽敢闘賞=石井友喜(高工校)、吉玉真太郎(朝霞)、小野澤真一(練馬)、谷口丈治(朝霞)
〈形試合女子個人戦〉▽優勝=中村祐美(朝霞)


オリンピックへカウントダウン
ロンドン五輪 期待の星
五輪金メダルへ手応え
小原がW杯で4戦全勝

〈シリーズ29〉

 いよいよロンドンオリンピックまで60日を切り、道のりは終盤に差し掛かっている。
 そんな中、5月26〜27日の間、東京国立競技場代々木第2体育館で女子レスリングワールドカップが開催された。この大会は昨年の世界選手権で女子国別総合成績8位以上の国だけが出場する団体戦。自衛隊体育学校からはオリンピック日本代表の48kg級の小原日登美1陸尉、59kg級に齊藤貴子2陸曹、島田佳代子2陸曹の3人が出場した。
 日本は予選で、本大会5連覇中の中国、強豪のウクライナ、アメリカという厳しいブロックを勝ち上がり、決勝はロシアと激突。小原は日本が3勝を挙げ王手となった4試合目に登場。第1ピリオドを獲られたものの、第3ピリオド開始32秒で、鮮やかなフォールを奪い勝利。この瞬間、日本の6年ぶりのワールドカップ優勝が決まった。
 小原は今大会4戦全勝、試合内容も満足できるものだった。だが、その小原も3月末のナショナルチーム合宿後から調子を落とし、苦しい状態が続いていた。今大会も「優勝しなければいけない」というプレッシャーで眠れない日が続いていたという。だが、これまで蓄積してきたトレーニングは間違いではなく、小原をより強くしていた。課題であった減量もスムーズに調整できた。試合では、前半を奪われても冷静に自分のレスリングを行うことができた。オリンピック本番で今回のように若く最初から飛ばす選手に当たっても、スタミナに秀でる小原は、十分対処が可能であることを証明した。小原は試合後「オリンピックに対して、ものすごく不安を持っていましたが、今大会によって戦っていける自信が生まれました」と語った。
 また齊藤もロシアとの決勝戦で、ピリオド数2対0で勝利し、日本の優勝に貢献。島田もウクライナ戦で、昨年の世界選手権女子59kg級王者を下すなど成果を上げた。
 順調にオリンピックへの道を歩む選手がいると同時に、勝負の厳しさに向き合う選手もいる。5月12〜13日の間、福岡国際センターにおいて全日本選抜柔道体重別選手権大会が開催された。世界ランキング4位にして女子70kg級オリンピック代表候補の最有力であった國原頼子3陸尉は準決勝で敗退し、オリンピック代表の座を惜しくも逃した。
 國原は昨年11月に脱臼し、執念で戦線に復帰したとはいえ、不安を抱えていた。2年連続世界柔道銅メダルの実績だけでは不十分だった。日本で生まれた柔道はそれだけ厳しい宿命を持つ種目でもある。アスリートはその厳しい環境の中でも自分を見つめ戦い続けなければならない。國原の健闘を讃えたい。


雪月花

 ロンドンオリンピックで幾つのメダルがとれるか、君が代は何回聞かれるか。期待が高まってくる。最近では多くの国際試合で競技開始の時には国歌斉唱がつきものになってきた。日本の選手、以前は国歌演奏中にキョロキョロしたり隣同士で話をしている様がテレビに映し出されていた。外国の選手が胸に手を当て毅然としている態度と比べて気恥ずかしい思いをしたものだったが最近は日本の選手も整然としている。先日も陸自中央音楽隊の演奏会で冒頭に「君が代」が演奏されたが千人を超える聴衆は残らず起立した。コンサートで「君が代」を聞くとは思わなかった、胸が熱くなりました。と言う若い人に「さざれ石」とは何ですかと聞かれた。元は「細石」で小さい石、これが大きくなって苔が付いている石。この間、千代も八千代も歴史が刻まれている、日本は過去から未来に永久につづく国家であると言う意味のようだ。石も鍾乳洞のように石灰分を含んだ雨水で大きくなるから「巌」となるのもあながちマト外れでもない、岐阜県の春日村では細石が産出され「君が代」発祥の地として有名だ。石の蒐集として個人が所有はしたけれど結局は畏怖の念から耐えられなくなり神社仏閣に奉納する人もいる。


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