防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年6月1日号
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「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
藤 山 恵 光
藤山氏は平成22年3月、第2航空団司令部(千歳基地)を2空佐で定年退職。57歳

 私が定年退職した平成22年春は、この1年半前に発生したいわゆる「リーマンショック」による世界的な経済危機の波が我が国にも及び、雇用環境の悪化等大きな影響を受けていました。私の最終勤務地の空自千歳基地が所在する北海道地区もご多分に漏れず、私の再就職活動は困難を極め、3カ月の隠遁生活を強いられることとなりました。幸い札幌地域援護センターのお力添えにより、いまの会社をご紹介頂き、職に就くことができました。
 私は、在職中多くの期間を新機種の部隊建設に操縦幹部、運用幕僚として携わり、その間数回の米国での留学、訓練の経験をさせて頂き、職務経歴書の作成にあたってこのことを特に強調しました。早々にセットして頂いた社長面接では書類審査でこの経歴を評価したとのお話をお聞きし、また面談でも共通の価値観を有することが分かり双方とも良い印象を持てたことが採用に繋がったと思います。
 弊社は、発電所等のプラントの構成品であるバルブ・ポンプのメンテナンスを専門とする会社で、北海道では随一のシェアを誇っています。近年は道外にもその営業範囲を広げ、更には海外への進出を目指していたところ、その人材としての私の採用だったようです。
 私の現在の職務は、海外展開の企画、調整及び新規顧客の開拓です。仕事の内容は、空自の防衛部の仕事とさほど変わらず、2年経過した現在でも「自衛隊流」を通しております。
 再就職活動その後の会社勤めにあたっては「業務管理講習」別名定年学校での薫陶が大いに役立っています。我が社のビジョンは「従業員の幸福の追求と社会貢献」を目指し、このために「顧客第一主義」を徹底する、ことです。定年学校での「自分の周りにいる全ての人は大事なお客さま」の教えは、自衛官にとっても平時においては十分通用します。在隊中自己の職務をキッチリと全うできていれば再就職においても何も心配することはありません。現役の皆さんには、大震災以来益々国民に尊敬され且つ期待されている折、職務に精励されんことを祈念いたします。


寄せ書き
隊内生活体験を担当
東北方面後方支援隊(仙台) 2陸尉 富田 勝男

 私は4月18日から20日まで教官・企画幹部として?バイタルネット(医療器材等の流通会社)の隊内生活体験を担当しました。本支援に当たり、先ず敵(企業)を知り、それに付随した教育訓練を企画し、先任助教・班長等とミーティング・予行及び受入れ準備を万全にし「誠意をもって接しよう」を合言葉に支援に臨みました。
 体験者は大半が22、23歳の大卒者であるため、能力は高いのですが、団体行動、規律のある生活が不十分であり、指導事項として「(1)挨拶の確行、(2)整理・整頓の実行、(3)時間の厳守」を伝え教育を開始しました。
 最初は慣れない服装、団体行動への戸惑い及び自衛隊の厳しさを感じていましたが、基本教練、非常呼集、体力検定等を体験していくにつれ、歩調が揃い、お互いに声を出し合い、節度ある態度へと変身していきました。
 特に非常呼集においては、集合から始まり駐屯地2・5?を徒歩から駆け足行進を行い、この間男女問わず大きな声で歩調を唱えて一生懸命頑張っていた姿は脳裏に残っています。
 その後、飯ごうによる朝食を体験させるとともに、基幹要員との懇談の際には、缶飯・乾パン等の試食をさせ、少なからず自衛隊の事を理解してもらえたと思います。我々も、体験者の謙虚で必死になってチャレンジしていく精神には学ぶものがありました。
 最後に、本支援で一人の落伍者も出すことなく終了した事は先任助教・班長等の誠意を込めて教育を行なった結果だと感謝しております。

東北方面後方支援隊(仙台) 3陸曹 千田愛美

 私にとって生活体験支援は初めてで、例年どのような感じなのか想像がつかず、接し方などに戸惑い、終盤は多少なぁなぁになってしまったように感じました。
 厳しくするか優しくするか、どちらが正しいのかわかりませんが、先輩助教にアドバイスされたように、3日間では難しいものの涙を流すくらい辛いほうが更に達成感や団結、信頼感が増すのかなぁと感じました。
 しかし学生の所感文を読ませてもらい、私なりに教育したことが体験者たちの経験となり、体験者が、これからの目標設定や今回の経験をどう活かすか、今までの生活の反省など様々なことを感じていたようで、嬉しく思いました。
 3曹昇任以来初の支援で、自分の力不足や不慣れさを感じましたが、基幹要員に恵まれ、支えられつつもとても楽しくやりがいを感じることができた3日間となりました。
 また、体験者の元気な姿や素直さを見て、私も自分の生活や仕事に対する姿勢を見つめ直すいい機会となりました。機会があればまた支援したいと思います。

東北方面後方支援隊(仙台) 3陸曹 阿部健太

 4月9日から11日までの3日間、守屋木材株式会社の新入社員11名の体験入隊を受け持ちました。
 今回、体験入隊を受け持って感じたことは、人に物を教えることの難しさです。自衛官でない人に教える際に、どこまで強く言ってよいか、どのように説明するかをとても悩みました。
 体験入隊前に、震災後の自衛隊のイメージが良くなったという新聞の記事を読み、「自衛隊のイメージを悪くしたくない」という気持ちから一歩踏み込んだ指導ができずにいました。しかし、体験入隊者の方々から質問されたり、基本教練を教えながら、少しずつではありますが、一歩一歩踏み込んでいくことができました。
 体験入隊者の方々は、普段とは違う生活環境で、当初はとても困惑した様子でしたが、時間がない中で何を優先してやっていくか、組織の下での規律の大切さ、団結して課題を乗り越えることなど、体験入隊者の方々も自衛隊を理解してくださり、「少しだけど、自分が成長できた」との声も聞けました。
 体験入隊は、自衛隊と一般の方々を繋ぐ良い機会だと思うので、今後も機会があれば是非参加していきたいと思います。

目標に向かって!!
第6師団付(神町) 2陸曹 日下裕之

 今年のG・Wは、自分の趣味であるトレイルランニングの更なる基礎体力を得るため「ジョギング」を計画して過ごしました。
 天候の良い日には、朝日を浴びながら新鮮な空気を吸ってのランニング(10km〜18km)、夜間にはライトの明かりと反射バンドを装着しての、ナイトラン(8km〜10km)をトレーニングしました。
 また、今回で3回目となる自宅(多賀城市)から実家(石巻市)まで約65kmを走路する「帰省ランニング」と言うのも実施しました。
 今回は、足腰への苦痛や激痛に悩まされず走ることが出来て、今まで以上に体力が身に付いていると実感しました。
 帰省当日、午前6時にスタート、ゴールは午前11時45分、疲労感は、そんなに感じられず適度な筋肉痛のみで走り終えました。今まで積み重ねてきたトレーニングの成果の賜物が、今回のランニングでは持久力や精神力が身に付いた事に凄く気付かされたりもしました。
 ランニング途中では、ふと思い出した東日本大震災災害派遣中に来た場所の、その後の移り変わりも見たくなり門脇小学校付近の被災地にも立ち寄りました。全国各地から被災地を見学する方々がたくさんいたのには驚かされました。
 ところで、なぜ自分がそんなにも苦痛・激痛に耐えトレーニングに励んでいるのかというと、10月初旬に東京都あきる野市で開催される日本山岳耐久レース(通称ハセツネCUP)にエントリーするために日々鍛錬しているからです。
 奥多摩の自然(71km)の中を走るハードなスポーツ、途中にエイド(給水箇所等)は1箇所のみ! ハセツネの原点は、「自己への限りない挑戦、そして、無事帰還する」のが原則、当然ルールもあります、そこが魅力で是非参加したいと決意したからです。
 今現在は「無事に完走するぞ!」という目標を掲げ、更なる自信を付ける為にトレーニングに邁進中です!

野営訓練に参加
第5高射特科群(八戸)第320高射中隊 陸士長 吉田健悟

 まだ雪が残り、肌寒い岩手山演習場において4日間の方面直轄部隊集中野営訓練に参加しました。演習経験が少ない私は、先輩達についていけるか、不安でいっぱいでした。
 訓練では、大きく歩哨掩体構築(各班で考えを出し合い、それを展示検証し、一番いい方法を取り入れる)、各班対抗(陣地占領後のゲリラ対処、車両行進中のゲリラ対処)で敵と味方に別れて訓練しました。
 本訓練において、それぞれの班で構築した掩体は、しっかりとした視射界が得られ、射撃が容易にできる掩体であったこと、また、偽装網の天張要領では、工夫次第で敵に対する見え方に違いがあることは特に印象に残りました。
 さらに、時間をかけないよう必要最小限の掩体構築と資材を利用し、掘りあげる難しさを知ることもでき、とても勉強になりました。
 もう一つは、ゲリラ対抗戦の索敵要領です。いかに敵から身を守り、味方と相互援護をし、前進して行くにはどうしたらいいか、敵の立場だったらどう進入・攻撃するか、味方だったらどう対処するか、話し合いもしました。実際には本物の敵はいませんが、中隊長がいつも言っている、常に敵を意識した行動をとるための基本的なものを得ることができたように思い、大変、有意義な訓練ができました。
 次の訓練では、自分の行動に責任を持ち、敵にやられず敵を倒すことを考え、訓練に励んでいきたいと思います。

自衛隊に体験入隊して
心強い仲間の存在
京葉銀行営業社員 曽合優佑

 私は、学生時代スポーツをやっていたこともあり体力には自信がありました。そのため自衛隊がどのような訓練をしているのか興味があり、また、日露戦争で活躍した騎兵隊で有名な習志野駐屯地にお邪魔出来るということで、自衛隊体験を非常に楽しみにしていました。
 しかし、蓋を開けてみると、日本を守っている自衛隊だけあって、訓練はとても厳しいものであり、楽しみだと思っていた自分が正直恥ずかしくなりました。改めて自衛隊の凄さ、厳しさを認識しました。そんな辛く厳しい訓練でしたが、なんとか耐えて最後まで諦めずにやり遂げることが出来たのもひとえに仲間の存在のおかげです。
 最初は自分のことで手一杯で他の人を気に掛ける余裕もありませんでしたが、共に苦難を乗り越えていく内に自分の中で仲間の存在は大きなものになり、行進体験ではこんなにも仲間というのは頼もしく、自分に力を与えてくれるものなのだと実感しました。
 これから私が歩んでいく道程には多くの苦難が待ち受けていると思いますが、どのようなことでも今回の自衛隊体験で感じたことを思い出し、仲間と一丸となれば必ず乗り越えていけると思います。
 今回はこのような貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございました。


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