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自衛隊ニュース   2012年6月1日号
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君塚陸幕長「被災地と共に歩む」
キャンプ座間で在日米陸軍が東日本大震災復興・追悼式典
CRF司令部予定地区など視察も

 君塚栄治陸幕長は4月25日、キャンプ座間(司令官マイケル・T・ハリソン少将)で行われた在日米陸軍「東日本大震災復興・追悼式典」に渡辺周防衛副大臣ら防衛省・自衛隊関係者、村井嘉浩宮城県知事ら被災自治体関係者と参列した。
 式典で君塚陸幕長は亡くなられた方々に弔意を表すとともに、在日米軍のトモダチ作戦、座間スカウト団を中心としたバックパック作戦、各種ボランティア活動などに対し、改めて謝意を表した。また「災害派遣は終了したが『がんばろう! 東北』の精神は我々の心の中に息づいている。復興は簡単ではないと思うが、これからも共に歩ませていただく」と挨拶した。
 式典では「在日米陸軍は今後も被災地の復興に尽力する」ことを示すため、キャンプ座間内3道路を「センダイストリート」「イシノマキアベニュー」「トモダチアベニュー」と新名称にしたことも紹介された。
 なお同日、座間分屯地の視察も行われ、CRF司令部庁隊舎・業務諸隊庁舎予定地区、座間宿舎予定地区を確認した。

【君塚陸幕長スピーチ】
 東日本大震災における災害派遣は、陸海空自衛隊10万人体制となる自衛隊最大の作戦となりました。
 当時、私は統合任務部隊指揮官として、陸海空自衛隊の持てる力のすべてを傾注し「すべては被災者のために」「がんばろう! 東北」を合言葉に、被災地の方々に希望の光を届けるため作戦を指揮しました。
 救援物資だけでなく勇気や希望といった無形の力である真心(sincerity)を被災地の方々にお届けし、わずかではありますが復興へのお手伝いができたのではないかと思っています。
 この作戦において、我々自衛隊とともに救援活動にあたっていただいたのが、米国の皆様方でした。
 在日米軍の方々はトモダチ作戦において救援物資の輸送、学校での瓦礫の撤去や音楽演奏により、被災者に希望を与えてくれました。それに加え、座間スカウト団を中心とした方々によるバックパック作戦や各種ボランティア活動など、心温まる支援により、日本中に米国に対する感謝の気持ちが広がりました。
 50年来の親友から送られた強い友情と絆により、被災地の方々が笑顔を取り戻し、復興に向けた勇気を得ることができました。
 東北方面隊は平成22年に創立50周年記念行事を実施し、「みちのく半世紀、更なる飛躍を」をテーマとして、東北の方々にお誓い申し上げました。
 災害派遣は終了していますが、我々の心の中に、「がんばろう! 東北」の精神が、現在も息づいています。
 復興の道のりは簡単ではないと思われますが、更なる飛躍を期待し、これからの半世紀を共に歩ませていただくことをお誓い申し上げます。


米海兵隊員が田植えを体験
秋には稲刈りだ!!

 富士日米友好協会(中野新一会長)は5月6日、米海兵隊キャンプ富士(御殿場市)の司令官アンソニー・J・ジョンソン大佐ら14名の海兵隊員を招いて「田植え体験会」を行った。米軍側からの要望を受けたもので、同協会員の協力で実現した。
 市内の4アール超の水田で、地元農家に教えてもらいながら全員が横一列に並び、苗を等間隔に手で植えた。泥だらけになりながらも、隊員たちは田植えを楽しんだ。
 ジョンソン司令官は「日本の米作りには、ずっと興味をもっていた。若い隊員たちは日本の文化をよく知らない者も多く、素晴らしい経験になった」と話した。
 同協会は9月にもう一度、隊員たちを招いて稲刈りを体験してもらう予定。


「ニコ超会議」出展
陸自ブース大盛況

 陸上自衛隊は幕張メッセで4月28、29の両日、インターネット動画共有サービス「ニコニコ動画」を提供している株式会社ドワンゴ主催「ニコニコ超会議」にブース出展し、来場者約1万2000名を集めた。中央即応集団(第1空挺団)、通信団(第301映像写真中隊)が支援した。
 高機動車などの展示やパネル展示は大きな関心を呼び、とくに戦闘服での記念撮影は2日間で約500名と大人気となった。
 陸自は今年2月からニコ動に活動PRサイトを開設しているが、今回の陸自ブースの活況から、主催者のライブ映像担当者は「総火演のライブ配信を積極的にPRしたい。今後も陸自との関係を維持したい」と話した。
 主催企業の小林宏社長も盛況を聞きつけ視察に訪れ、戦闘服と防弾チョッキの試着、高機動車の試乗を体験した。
 来場者アンケートには約700名が回答。「とても楽しめた」6割超、「まあまあ楽しめた」3割超と、ほぼ100%の人が「楽しめた」と答えた。
 陸自では「親近感を醸成することができ、また役割やPKO20周年などについて理解の促進を図ることができた」としている。


大震災から復旧を遂げて桜の中で
多賀城駐屯地が2年ぶりに創立記念行事

 多賀城駐屯地(司令・永田真一1陸佐)は4月28日、創立58周年記念行事を行った。
 東日本大震災で津波により浸水してから約1年、復旧を遂げての創立記念日は桜が咲き溢れる中で行われた。
 4月に入隊して間もない新隊員392名を含む同駐各部隊920名、車両120両が堂々と行進を披露。22普連隊員による銃剣道合戦、仙台カラーガード倶楽部の演出披露もあり、観衆から惜しみない拍手が送られた。
 戦車や指揮通信車などの体験搭乗は大好評。子供広場、美術品展示、6師団音楽隊と地元の多賀城高校吹奏楽部との合同演奏や駐屯地よさこい部の演舞など見所満載のふれあいコンサートも行われ、子供からお年寄りまで来隊者皆が一日中楽しめる行事となった。


市民と創立60周年を祝う
久居駐屯地、大村駐屯地

 久居駐屯地(司令・鬼頭健司1陸佐)は4月22日、大村駐屯地(司令・濱本博文1陸佐)は4月28日に、それぞれ2000名を超える市民を迎えて創立60年を祝った。

〈久居駐〉
 鬼頭司令は「いつ何が起きても不思議ではない時代において、所在部隊は、あらゆる事態への即応態勢を維持し、事態が発生した際には国民及び県民の負託に応えられるよう強靭な部隊・隊員の育成に努める」と力強く話した。
 宮城県岩沼市から来賓として来隊した井口経明市長は式典後、祝賀会食の祝辞の中で「東日本大震災では33普連の皆さんがいち早く駆けつけてくださった。本当にお世話になった。どこよりも早い復興を目指し、皆様へご報告できるよう頑張りたい」と話した。
 
〈大村駐〉
 濱本司令は「市民と交流を深めつつ各種任務に即応できる力を向上させ、日本一の駐屯地を目指して精進する」との決意を示した。
 多くの催し物の中で、広報コーナーの東日本大震災派遣のパネル・写真展示はとくに関心を集め、感極まり目頭をおさえる来場者の姿も見られた。


テーマは「飛躍
14旅団6周年・善通寺駐62周年記念行事

 14旅団創隊6周年・善通寺駐屯地開設62周年記念行事が4月29日、行われた。
 観閲官の14旅団長・永井昌弘陸将補は式辞で「第50普通科連隊の高知駐屯地への移駐、第14飛行隊の北徳島分屯地への新編、第14施設中隊の施設隊への改編と移駐が完了し、今まさに旅団としての態勢が整い、大きな節目を迎えた」とし、さらに「今年の創隊6周年のテーマを『飛躍』としたのは、立派な体を頂いたことへの感謝とその体に魂を入れ大きく飛躍するんだという意気込みから。『地域とともに』を合言葉に、真に信頼される駐屯地及び旅団となるべく、隊員一丸となって精進・努力を重ねてゆく」と話した。
 観閲行進の後、オートバイドリルや空挺降下、模擬戦闘など迫力ある訓練展示を行い、音楽演奏、ヘリコプターなどの装備品展示、戦車体験搭乗などで、大いに来隊者を楽しませた。


全国大会を開催し盛大に祝う
通巻700号を迎えた自衛隊職場俳句誌「栃の芽」が記念式典

 自衛隊職場俳句誌「栃の芽」が通巻700号を迎え記念の全国大会が5月4、5の両日にわたってグランドヒル市ヶ谷、台東区民会館などで開催された。
 記念式典は4日午後2時からグランドヒル市ヶ谷で行われ、畠中草史委員長が開会のことばを述べたあと、参加者全員が起立、物故会員への黙祷を行った。
 次いで栃の芽会会長の金澤博範事務次官が登壇、「栃の芽」の歴史について触れながら「全自衛隊を対象として昭和28年1月以来、通巻700号という記念すべき節目を迎えましたが、これは職場俳句誌としては異例の長さを誇るもので、今後ともご健吟と栃の芽会の限りない発展を祈ります」と式辞を述べた。
 栃の芽選者の成川雅夫氏、同人会会長の島田昭重氏、友の会会長の森田幸生氏が順次あいさつしたあと、栃の芽誌の充実発展に寄与した功績に対して金澤会長から成川氏らに感謝状が贈られた。また、栃の芽会役員・幹事・支部などに表彰状が贈呈された。祝電披露に続いて新同人が紹介され式典を終了。会場を移して記念撮影や「若葉」主宰の鈴木貞雄氏の講演、祝賀会も催された。
 翌5日は記念吟行会が浅草寺一帯で行われ、参加者全員で通巻700号の節目を盛大に祝った。


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