防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年8月1日号
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御殿場の夏は熱い!

 7月8日、静岡県御殿場市にある陸自富士学校・富士駐屯地(富士学校長兼ねて富士駐屯地司令・井上武陸将)で開設58周年記念行事が行われた。間もなく、8月26日の富士総合火力演習を最終日とする演習に突入する隊員約2000名、車両約200両が毅然とした勇姿を見せてくれた。
 富士学校・富士駐屯地開設記念行事の人気の高さは例年通り。富士学校のある御殿場IC傍の足柄PAには、朝6時の時点で今からまさに記念行事に行くであろう家族連れやグループが、あちらこちらで記念行事に臨む心意気や自衛官に対する想いを語っていた。
 式典が始まる前から人・人・人で埋め尽くされたグランドには、一糸乱れぬ姿の隊員が整列。細野豪志環境大臣、榛葉賀津也参議院議員、佐藤正久参議院議員、岩井茂樹参議院議員らをはじめとする多くの来賓が臨席するなか、観閲指揮官を富士教導団長・市野保己陸将補とし式典が始まった。
 執行者である井上学校長は「いついかなる任務であっても即時的各に対応し任務完遂が求められている。その原動力となっているのは、本校を卒業した普通科・特科・機甲科の幹部である。陸上自衛隊精強化の原動力となるべく人材育成の任務に全力を傾注する」などと式辞を述べた。
 いきなり大雨が降って来た中での観閲行進のあと、富士学校の音楽隊による演奏、そして訓練展示と続く。隊員の動きを見ていると雨が降っていることを全く感じさせない。グラウンドには雨が降っていないのではないかと思うほど。
 ヘリポートに展示された10式戦車試作車やリニューアルした資料館は、人が絶えず常に賑わっていた。「さぁ次は総火演だ」御殿場の夏は熱い。


インターネットによる応募が大幅増
防衛省で総火演抽選会

 8月26日に東富士演習場で行われる平成24年度富士総合火力演習の一般公募抽選会が7月13日、防衛省E棟7階教場で江口直也陸幕監理部長、大塚裕治陸幕広報室長、竹内哲也陸幕広報室総括らが出席し、警務隊の立ち会い、中央業務支援隊の支援のもと、厳正に行われた。
 はがきの抽選は、会場の机に碁盤の目状にはがきの束を並べ、抽選箱から数字の書かれた二つのボールを引き、数字が交わった場所のはがきの束が当選となる方式、インターネット応募は竹内総括がマウスをクリックして当選を決めた。
 6月3〜7月6日の約1ヵ月間の応募期間中、往復はがきによる応募総数は25001通、ネット応募総数は62839通に達した。ネットによる応募が昨年度と比べて+24989通と大幅な伸びを見せ全券種の平均倍率は14・8倍だった。


海外から便り ハイチ
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子供達の笑顔に後押しされて
第2施設大隊(旭川) 3陸尉 登立光洋

 2月上旬に極寒の旭川を出発し、いまは"我が家"であるハイチに入国して早くも5ヵ月が経ちました。
 この間、私達、第6次隊要員は第5次隊要員から引き継いだコレイルという地域にある小学校のグラウンド敷地造成工事を行い、無事に工事を終えることができました。
 しかし、派遣当初は真冬から真夏へ環境が急変したため、気温差と直射日光の強さには戸惑いと驚きを隠し得ませんでした。朝晩は結構涼しく、北海道の真夏より過ごしやすいのですが、活動する日中は気温がどんどん上がり、まるでサウナの中にいるようでした。また、グラウンド用地の造成工事であることから、当然日陰もなく、強い日差しにさらされている肌は、日焼け止めを塗っていても、軽いやけどのように水ぶくれができるという有様でした。
 更に、もうひとつ驚いたのは、ハイチの交通状況でした。
 日本隊宿営地から作業現場までは20キロ弱位の距離ですが、朝7時半に出発しても渋滞のため1時間30分以上かかる上に、交通マナーは決して良いとはいえない状況です。このため、車長とドライバーの連携は勿論、車両梯隊を組んで走行する場合は、前後左右の状況をトランシーバー等で相互に連絡しつつ、車両梯隊が一丸となって安全運転に心掛けなくてはなりません。
 このような厳しい環境の中で、私達を元気づけてくれたのは現地の子供達でした。工事当初は遠巻きに見ていた子供達でしたが、学校のグラウンドを作るために行っているということを徐々に理解するにつれて、次第に私達に打ち解けてくるようになりました。例えば、学校の登下校中に笑顔でハイチの言葉で話しかけてきたり「ボンジュー(日本語で『おはよう』の意味)」と挨拶したら、恥ずかしがりながらも「ボンジュー」と可愛らしく返事をしてくれて、私達の気持ちを明るくしてくれました。子供達とこのような触れ合いを通して、ハイチの将来を担う子供達のために活動することの意義を強く感じられるようになり、自分たちに与えられた持ち場を全うする意欲が出国時以上に強く湧いてきました。
 最後に「ここは日本ではない」ということも常に念頭に置き決して油断することなく、隊のモットーの一つでもある「6次隊全員が無事に元気に笑顔で帰ろう」を胸に、微力ながら精一杯活動していきたいと思います。


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