日仏陸軍種間協力に寄与
6月6日、陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛協力センターの眞崎康次2陸佐(当時)が、日仏間の防衛関係発展に貢献した功績により、フランス政府から陸上自衛官としては初の快挙となる国家防衛勲章を授与された。
ブリュネ・タカモリの初実施に尽力
眞崎2佐は2022年から欧州・中東・アフリカの陸軍種間協力・交流に係る業務を担当する中で、対フランスでは陸軍種間協力・交流に関わる計画の策定やハイレベル懇談、共同訓練の調整等に尽力した。特に昨年9月にニューカレドニアにおいて実施された、陸軍種間における初の日仏2国間共同訓練「ブリュネ・タカモリ23」の実施に尽力したことが高く評価された(今年度は9月に日本国内で実施予定)。
在日フランス大使館で行われた伝達式で眞崎2佐は、周囲への感謝の気持ちを述べつつ、「各国の中で一番大変で一番充実していたのがフランス陸軍との協力です」と振り返り、「平坦な道ではなかったが、何度も顔を合わせ、日仏関係の強化に向けて気持ちをひとつにしてきたことが、今の結果となってきたと思います」とスピーチ。参加者からの祝福の拍手に笑顔で応えた。
仏軍の空挺降下訓練始め初参加を提案
眞崎2佐が一番印象に残っているのは、昨年11月の陸幕長の仏公式訪問だという。この訪問で、今年1月の第1空挺団(習志野)の降下訓練始めに仏陸軍が初参加することが決まった。これは事前に眞崎2佐が仕掛けたアイデアで、仏側及び第1空挺団と調整を重ねて陸幕長に提案したものだった。仏を含めて8カ国で行った同事業は、同盟国・同志国の連携を内外に示すという大きな成果を得た。眞崎2佐の右胸の空挺徽章が誇らしげに光る。
まだ道半ば
2022年末策定の国家防衛戦略では同志国との連携強化が不可欠だとされている一方、日仏陸軍種間協力は「まだ道半ば」だという。眞崎2佐は、さらに進展させていくための課題に「意識の壁」を挙げた。言語や文化の違いがあり、特に日本人は外国との関わりに消極的な部分があると理解したうえで、「フランスと交流する事が普通だという環境に意識を変えていくことが大切です。関係の強化は、究極は人と人との接点の総和です。幹部から曹士まで皆が積極的にコミュニケーションを取れるようになっていけば、日仏陸軍種間交流は一気に進むと思います」と強調した。フランスははっきりと自分の意見を主張する国柄と言われ、その国の軍人と何度も顔を突き合わせてきたからこそ重みがある言葉だ。
報道陣の質問にも丁寧に誠実に答えてくれた眞崎2佐。多忙を極めた2年間だった。伝達式に同席していた夫人からは「苦労が報われたね。やって良かったね」と言葉をかけてもらったそうだ。「家の事や子育てを任せっきりでした。支えてもらえて感謝しています」と少しはにかんで見せた。奥様の支えあっての偉業達成だった。 |