モンゴルへの衛生分野における能力構築支援は、2012(平成24)年に同国の国防・法執行機関職員統合病院を新設するための協力事業から始まりました。
2021(令和3)年8月の第6回事業からは「大量傷者受入訓練」を焦点として実施し、2024(令和6)年5月の派遣事業として、モンゴル軍が独自に「大量傷者受入訓練」を計画・実施できることを目標に訓練しました。
また、同年7月の招へい事業として、自衛隊中央病院の「大量傷者受入訓練」の研修により、5月の訓練のフォローアップを実施しました。
本事業に主務者として参加することができ、多くのことを学びました。
モンゴルと日本は、言語、文化及び歴史の違いはありますが、モンゴル軍中央病院職員と自衛隊中央病院職員がそれぞれの国民のための組織であること、人命に係わる衛生科職種であるという共通点がありました。
私は、自衛官として、災害派遣、平素の職務等から学んだことをモンゴル軍中央病院の職員の方々に一つでも多く伝えたいと思い訓練に参加しました。モンゴル軍中央病院職員の方々が我々の助言を速やかに受け入れ、向上のため努力する姿を見て感動しました。モンゴル軍中央病院職員の方々と自衛隊の派遣隊員が「モンゴル軍が独自に大量傷者受入訓練を実施する」という同じ目標を目指し、達成することができたと思います。
今後、モンゴルへの衛生分野における能力構築支援は、専門家交流へとつながる予定です。本事業で学んだことを今後の職務へ活かしていきたいと思います。
モンゴル軍の研修担当者の感想
【坂口1尉】
中央病院の大量傷者受入訓練が、モンゴル軍の方々の疑問解決やブラッシュアップにつながる研修となるよう取り組みました。研修中は多くの質問があり、モンゴルで5月に実施した訓練終了後も関心は高く、主体的に取り組む姿から、我々も充実した支援が出来たことを実感しました。能力構築支援事業が無事に完遂でき安堵するとともに、本事業に関われたことを誇りに思います。
【元永1尉】
中央病院の大量傷者受入訓練において、モンゴル軍中央病院の方々の研修を担当しました。第9回事業から携わり、モンゴル軍中央病院の方々の訓練に対する士気の高さを強く感じました。今回の訓練においても、熱心に研修する姿に感銘を受けました。モンゴル軍のニーズに出来る限り答えるべく、研修内容等の調整を行い、能力構築支援の集大成となる訓練完遂に寄与できたと感じています。 |