防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2009年10月15日号
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富士山で人命救助
米空軍予備役大佐から礼状届く
《1ヘリ団》
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 第1ヘリコプター団(団長・金丸章彦1陸佐)は、高標高環境下における行動能力向上を主な目的として7月から8月の間、各部隊毎に山地行進訓練を実施した。
 隷下部隊の第102飛行隊(隊長・北山隆茂2陸佐)は、7月23日に副隊長・西3佐(現西方ヘリ隊所属)以下15名で1回目の山地行進訓練を実施した。
 当日午前8時10分、富士宮口5合目を出発した訓練隊は、7合目を通過する際、右足に肉離れを起こして休憩している下山途中の60才くらいの米国人男性とその息子(10才くらい)を発見した。訓練指揮官は、応急処置を施した後、隊員5名に対し同行下山を命じた。隊員に両脇を抱えられた男性は、午後0時半頃無事に下山した。その男性は合衆国予備役大佐であり、現在は米本土住まいであるが過去に日本勤務歴があり、夏休みを利用して富士登山のために来日したとのことだった。
 この行為に対し、後日、第102飛行隊長あてに以下のような丁重な礼状が届いた。
(訳文抜粋)
 「7月23日、私と息子は、富士山登頂に成功しましたが、下山する途中、急に足に力が入らなくなり、7合目から降りることが出来なくなりました。その時、西3佐の指揮する部隊が通りかかり即座に助力していただいたのです。西3佐は、私を無事に下山させるよう、島野孝文1尉、堀口多喜二1尉、松田康弘2曹、竹原秀作2曹、向堀隼一3曹の5名の隊員に救護を命じました。私は、彼等に対し感謝するとともに、貴官と彼等のプロフェッショナルリズムと団結、それに容儀を褒め称えたいと思います。彼等は私の軍歴の間に見た中で最高の舞台の隊員であると確信しています。私が彼等から受けた恩は、返しきれるものではありません。私からの無上の敬意を彼等にお伝え下さるようにお願いするとともに、これほどの部隊を指揮する貴官に対しお慶び申し上げます。ジェフリー・S、マインツ予備役大佐(合衆国空軍(退役)」
 また、7月15日には、特別輸送ヘリコプター隊(隊長・田中裕之1陸佐)においても同種訓練途中の8合目で紫外線の影響により一時的に視力を失った部外者をヘリ隊長の指示を受けた河口重夫曹長が5合目まで手を取り、声をかけて励ましながら同行下山し、救急車の手配及び交通統制などにより援助する場面があった。

マーシャルアーツ柔道
浅野3尉が優勝
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 8月2日、タイ・バンコクで開催されたアジアマーシャルアーツゲームズ柔道部門男子60s級に出場した浅野大輔3尉が優勝した。
 このアジアマーシャルアーツゲームズはアジア発祥の格闘技である柔道、柔術、空手、ムエタイ、キックボクシング、テコンド、クラッシュ、カンフー、シラットの9種目を行う大会で来年度は世界マーシャルアーツゲームズに発展させ、2年に1度行われる格闘技のオリンピックとして定着させていこうというものであり、アジア大会と同様に、選手団はオリンピック委員会が派遣をする大会。開催国のタイでは多いに盛り上がり、注目を集めた。今回日本は、柔道のほか、空手、ムエタイ、テコンドの4種目に選手を派遣している。
 柔道にはアジア諸国23カ国79名が参加し、浅野3尉は1〜3回戦、準決勝、決勝を全て1本勝ちで勝利を飾り圧倒的な実力を示すことができた。〈1回戦〉アルデヤビ(クウェート)1本勝ち:合わせ技〈2回戦〉シバンヴィレイ(ラオス)1本勝ち:内股〈3回戦〉タナフォン(タイ)1本勝ち:背負投
準決勝 キム・キ・ユン(韓国)1本勝ち:背負投
〈決 勝〉ダヴァドルジ(モンゴル)1本勝ち:肩車
 今年4月幹部に任官した浅野にとって最初の国際試合優勝となった。(体校広報)

「日本論語研究会」第1回大賞
安岡正泰氏が受賞
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 慶應義塾大学(東京都港区)で毎月1回、土曜日に開催されている「日本論語研究会(代表幹事・田村重信氏)」の通算開催50回を記念して、この度「第1回・日本論語研究会大賞」の授賞式が53度目の開催となる10月3日に行われた。
 栄えある第1回の受賞者には安岡正泰・(財)郷学研修所理事長が決定した。安岡氏は「敗戦の詔勅」の補筆や元号「平成」の名付けの親としても知られる故・安岡正篤師の御子息である。
 同会は代表幹事で慶應義塾大学大学院の講師を務める田村氏と代表世話人の村木晴彦・元総務相大臣官房参事官の二人が「日本をよくする為に何が出来るか、口だけでなく行動に移そう」と一念発起。第1回の講座が2005年1月に開催された。以来着実に回を重ね、最初は30人ほどだった参加者も最近では毎回100人前後が集まり、夕暮れせまる教室を埋め尽くすまでになった。
 この会のユニークなところは、毎回多彩なゲスト講師を招いて論語にまつわる講演を行うほか、全員が一体となって「論語の素読」を行う点である。代表の田村氏が論語の一節を先立って読み、講師も聴講者も区別無く、後に続いて唱和する。
 講師の顔ぶれには「ヒゲの隊長」こと佐藤正久(イラク先遣隊長・参議院議員)や山本卓眞(陸軍OB・富士通名誉会長)、中條高徳(陸軍OB・アサヒビール名誉顧問)といった防衛関係者のほか、加藤良三・日本プロ野球コミッショナーや山田英雄・元警察庁長官など官界の要職を務めた先達、渋沢健・渋沢栄一5代目子孫など多士済々、いずれも講師であると同時に共に学ぶ「道友」でもある。
 この度の安岡氏は、会の趣旨に賛同し、過去最多の登壇を通じて論語の普及と道徳の復興に寄与した功績を称えての受賞となった。授賞式には同会顧問の小林節・慶應義塾大学教授から記念の楯が贈られた。
 受賞記念の講演となった今回は「論語と武士道」の題で、防人のルーツでもある「士」についての由来やその在り方、日本の将来を担う若者への期待を込めた熱いメッセージが聴講者を魅了する盛会となった。
 同会のホームページはhttp://www.rongoken.jp/、参加に関する問い合わせは代表幹事・田村氏(stamura@hg.jimin.or.jp)まで。(日本論語研究会 高橋大輔)

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