浜田靖一防衛大臣は5月15日、自衛艦隊司令官に対してソマリア沖アデン湾の海賊対策で新たに海自P―3C哨戒機2機を派遣するよう命令を発出した。現在、アデン湾では、海上警備行動に基づき、海自護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の2艦が日本関係船舶の警護活動を続けており、5月19日までに18回、計61隻の関係船舶を護衛している。
浜田大臣の派遣命令を受けた海上自衛隊は直ちに第4航空群第3航空隊副長の福島博1佐以下約100名から成る海賊対処航空隊を編成。また、海自との統合運用となる陸上自衛隊は、P―3C哨戒機の拠点となるジブチ国際空港での機体警護のため、中央即応連隊の約50隊員を主力とした警衛隊(隊長・波多野武3佐)を編成、その編成完結式が5月16日、宇都宮駐屯地で行われた。火箱芳文陸幕長は訓示の中で「海上自衛隊と密接に連携するとともに陸上自衛隊の能力を存分に発揮して任務を完遂」「陸上自衛官らしい規律ある行動」「緩急ある行動を心がける」の3点を要望した。
一方、航空自衛隊は派遣命令後、直ちに空輸隊を編成、同18日、森下一支集団司令官、谷井修平1輸空司令をはじめ小牧基地隊員多数の見送りを受けながら、陸自隊員や現地で使用する装備品を搭載したC―130輸送機(機長・加藤治3佐以下約15名)がジブチに向け、出発した。
また、海自派遣海賊対処航空隊の先遣隊(派遣隊副司令・横田一哉2海佐以下海自約20、陸自約15の計約35名)も同18日、陸自中央即応集団の磯部晃一副司令官や福島1海佐をはじめ幹部、留守家族ら多数の見送りの中、成田空港から民航機でジブチへ向け、出国した。先遣隊は本隊の受入れ準備や各国部隊との連絡調整にあたることになる。
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