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2009年2月1日号 |
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スポーツよもやま話 |
根岸直樹 |
W杯に向けて「背水」の岡田ジャパン |
目標はベスト4 |
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“手応え十分。フィンランド戦(4日・国立。親善試合)を見てくれ」と、サッカー日本代表・岡田武史監督(52)が自信に満ちた表情を見せた。
1月10日、鹿児島・指宿合宿で09年のスタートを切ってから、アジア杯予選(1/20=対イエメン、1/29=対バーレーン)を2試合こなした結果の手応えだ。いずれも格下が相手だったが「全員が集中力を持って戦っていた。ボールにかかわらない選手の動きもチェックできたし、確実に進歩してきて、結果を出せるチームになった」と、言葉の端々に自信のほどがうかがえた。
W杯最終予選は、11日の対オーストラリア戦(横浜)を皮切りとして6月までに4試合(3月28日・対バーレーン、6月6日・対ウズベキスタン、同10日・対カタール、同17日・オーストラリア)が組まれている。予選グループの2位からスタートして、本戦は32カ国で戦う。日本としては「まずオーストラリア戦に勝って一気に波に乗りたい」ところだ。
日本は前回(06年)ドイツ大会以降では、FIFA(国際サッカー連盟)ランキング最高の30位にランクされている。02年、トルシエ監督でベスト16位に食い込んで以来の上位進出チャンス。
岡田監督は「ベスト4進出」というでっかい目標を掲げている。「そこそこの練習をこなし、Jリーグでもそこそこの試合をしてきたんだから…なんて甘い考えではダメ。代表選手のうち何人が本気で(ベスト4進出に)チャレンジできるかがカギだ。生半可な考えでは勝てないことを、選手の胸にたたき込んだ」と話す。
南アフリカ杯アジア予選を勝ち抜けば「次ぎは“世界"しかない」とまで言い切った。その期待を込めて、選手に「6つのチーム哲学」を注入してきた。(1)エンジョイ(楽しむ)(2)アワーチーム(オレ達のチーム)(3)ドゥ・ヨア・ベスト(最善を尽くせ)(4)コンセントレーション(集中力)(5)コミュニケーション(意思の疎通)(6)インプルーブ(進歩)だ。
岡田監督の任期は、一応10年の南アW杯予選終了までとなっているが「契約書にも解任の条件が入ってはいるが、私としては1試合、1試合が勝負、の気持ちで戦っている」と話す。「状況に応じては、いつクビになっても仕方がないと思う。その覚悟はできている」とまで言ってのける。まさに“背水の陣"といったところか。
「選手の気持ちの中に“自分たちのチーム"という意識が備わってきた。外国人選手にパワーやスピードで追いつけなくても、日本選手は持久力と瞬発力では十分、勝っている。技術だって負けてはいない。それどころか、ここまでは技術で勝つことが多かった。メンタル面でも、日本人には大和魂がある。組織力では絶対に優位、と確信している。選手たちもチームのコンセプトを理解してくれた」
岡田・ジャパンは08年、W杯アジア予選を9戦6勝1敗2分け“マナマに0―1、オマーン、ウズベキスタンに1―1)で乗り切った。09年はどんな戦いになるのか。岡田監督は最後に「スローガンは接近、展開、連続」とも付け加えている。まずは11日のオーストラリア戦(日産ス)の戦いぶりに注目してみたい。
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HOME's English Class |
(防衛ホーム英語教室) |
I will E-mail you on it! |
アイ ウィル イーメイル ユー オン イット |
それについてはメイルするわ!
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さて、今回の表現は、“I will e-mail you on it"「それについてはメイルするわ!」です。メイルするは通常、send an e-mailですが、最近は、e-mailを動詞にして「メイルを送付する」という意味で使うことが一般的になってきました。言葉は変わっていくものですね。すこしばかり便利な表現です。Onは「〜について」という意味で使っています。Itは、それまで話していた内容全体を示す言葉です。メイルは、日本語も同じですが、慣れてしまえば、割合、簡単に意思疎通できるものです。経験をつんで、メイルの達人になっていただきたいものですね。
大寒も過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きますね。インフルエンザや、流行の病気に負けず頑張っていきましょう。ストレスのない、楽しく陽気な生活をお過ごしください。
それでは、See Ya!
〈スワタケル〉 |
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防衛ホーム 俳句コーナー |
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池普請いつ果つとなく泥掬ひ 大谷弥栄
待つといふたのしさ春を待つはなほ 小川淑子
傾けて乳母日傘の寒牡丹 小野道子
夜半まで妻指図して雛飾る 渡辺成典
溶岩原に靡くものなし春疾風 榎 利美
旧正に集ふ山形県人会 齋藤扇葩
初蝶や一の鳥居は湖の中 丸岡泥亀
褞袍着て達磨のやうな我が姿 山口 博
畦焼の匂ひを纏ひ夫帰る 益子千翠
凧揚げの子に鼻紙を渡しやる 井戸田盛男
寒見舞旅の誘ひを追伸に 青木敏夫
幾度も法螺の音響き豆を撒く 小田知佳
冬ざれや癌宣告を受けて立つ 須釜嚠子
寄鍋の湯気の向ふに初曾孫 鶴間俊子
墓原の一基は雪を払ひあり 田中雅巳
池底の鯉泰然と春を待つ 今田三郎
底冷の回廊巡る夫婦かな 松村久美子
選者吟
飛雪より色抜け出して梅の花 成川雅夫(「栃の芽」誌提供)
「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=畠中草史氏042・796・0961〉へご連絡下さい。 |
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イラク派遣を終えて シリーズ |
空自第1輸送航空隊 2空佐 原 範朗 |
貴重な体験を今後に活かす |
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1990年に発生したイラク軍によるクウェート侵攻、日本では「テレビゲーム的な戦争」などとも称された翌年1月の多国籍軍によるイラク攻撃は、当時、大学生だった私に「戦争」を身近に感じさせると同時に、「自衛官」を将来の職業として意識するきっかけとなった出来事でした。
あれから18年、イラクの上空を飛行する機会があるなどとは学生時代には想像すらしなかっただけに、この地で活動する機会が与えられたことを思うと非常に感慨深いものがあります。
私は平成20年8月に、イラク復興支援派遣輸送航空隊に派遣されているC―130輸送機の操縦士としてクウェートに到着しました。4月にデスクワーク主体の勤務から約4年ぶりに飛行部隊勤務へ異動したばかりであったため、派遣前までに、「航空機の操縦要領を思い出すための訓練」、「イラク国内で実施している離着陸要領等、飛行要領を習得するための訓練」及び「派遣前の総合訓練」を実施し派遣に備えました。私自身、飛行部隊を離れている間も何らかの形でイラク復興支援活動に関係していたこともあり、派遣要員に指定されるまでは現地での活動に関してそれなりに理解しているつもりでいました。しかしながら、実際に派遣要員に指定され、派遣に必要な様々な教育や訓練を受け、派遣が現実的になると実は肝心なことについては何も理解していなかったことに気づき、「本当に自分でできるのだろうか?」と不安に感じながら日本を出発したことを今では懐かしく思います。
様々な不安を抱えながらのクウェート到着でしたが、クウェート国際空港に到着した時の感想は「熱っ」というものでした(非常にありきたりなのですが…)。「体験することによりはじめて具体的に想像することができる」ということをあらためて実感させられた到着でした。
派遣当初は夏真っ盛りで、外気温は約50℃、飛行に必要な装具等を身につけ航空機に到着するまでに汗をかき、操縦席に座る前までにまた汗をかき、エンジンをかける前までにまたまた汗をかき、離陸前までにすでに汗まみれになっている状態でした。しかしながら、その暑さも11月に入る頃にはだいぶ和らぎ、朝晩には肌寒く感じられるようになってきました。派遣当初は砂漠一色だった上空からの風景も緑や湿地(池、湖でしょうか?)の面積が徐々に広がり、その変化の様子をみていると、この砂漠の地でなんとなく季節の移り変わりを感じることができます。また、イラク国内における建築物等の建設や高速道路等を走る車両をみていると少しずつではありますが、復興の兆しを感じることがあります。
派遣前、不安に感じていたイラク国内の運航に関しては、これまでに蓄積された運航ノウハウ、確立された運航支援態勢のおかげで不安なく運航することができました。クウェートでの生活も贅沢を言えばきりがありませんが、約4ヶ月間、不自由することなく生活を送ることができました。これも、様々な場所でイラク復興支援活動を支えて頂いている多くの方々のおかげであるのは勿論ですが、同時に、1期から15期までの先人達が、全くの手探りの状態から築き上げてきて頂いた成果のおかげだと感謝しています。
11月28日、約5年にわたるイラク復興支援活動の終結が決定されました。派遣が決定された当時、小牧基地に勤務していたこともあり政府による派遣決定後の諸準備、先遣隊の派遣、本隊出発の様子等、当時の出来事は今でも昨日のように思い出されます。私自身、かつて飛行部隊を離れた際には、この活動に参加することはないのではないかと正直あきらめていましたが、最後に参加の機会を与えて頂いたことを非常に光栄に感じています。今後、同様な任務に参加する機会が与えられるかは分かりませんが、今回のこの貴重な経験を無駄にすることなく今後の勤務に活かしていきたいと思っています。
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