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自衛隊ニュース   1126号 (2024年7月1日発行)
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「頭号の絆」は部隊の礎
第1師団長と最先任が同時降下
 第1師団長の兒玉恭幸陸将と師団最先任上級曹長の中村元則准陸尉は4月10日、習志野駐屯地において実施された「令和6年度全国空挺予備員降下訓練」に参加して、全自衛隊で初となる師団長と師団最先任の同時降下を達成した。
 CH47JA輸送ヘリのランプドアが開き緊張感と恐怖感が高まる。外気が入り込む音と機内のエンジン音で心臓の高鳴りがかき消され、「降下用意!環掛けッ!」降下長の号令で落下傘開傘紐と直結した環紐を導線に掛ける。
 「装具点検」の号令で師団最先任が前に並ぶ師団長の装具を点検し「異状なし」の合図よろしく尻を叩く。「傘の絆」で結ばれた二人、互いに命を預け合う瞬間である。
 師団任務完遂のためには空挺団の「傘の絆」と同じように、頭ごなしの命令でなく「我ら頭号師団任務完遂のためにお前はこれをやってくれ。力をかしてくれ」と、階級や年齢を超え、人を信じ、互いに協力しあう鎖のような固い絆「頭号の絆」で結ばれなければならない。
 その「絆」こそ有事で真に戦える部隊の礎になるんだと二人は語っているかのように飛び出す先の空を見つめている。
 「位置就け」の号令とともに用意の号令をまち降下へ、師団長が1番に飛び出し、続いて師団最先任が2番目に飛び出す。降下の瞬間に自重で開傘紐が強く引かれ、飛び出した瞬間に開傘紐は解き放たれ、ちょうど4秒後に落下傘が花開き、二輪の華が大空を舞う。
 二人の大空を舞う姿、降下して二人並び笑みを浮かべ歩く姿は傘の絆以上に「頭号の絆」で強く結ばれているかのように見えた。

田熊碑前で安全祈願
毎年命日に合わせて実施
<富士学校機甲科部>
 富士学校機甲科部(部長・末永政則陸将補)は、6月14日、田熊嗣利3陸佐(防大2期生)が戦車の横転事故で亡くなられた東富士演習場の慰霊碑(田熊碑)前において、「令和6年度安全祈願行事」を行った。
 第42期幹部初級課程(機甲科)の教官であった故田熊3佐は、昭和43年6月14日、東富士演習場での小隊訓練において、戦車に同乗して学生を指導中、戦車の横転事故が起きた際、学生の安全を優先し、殉職された。機甲科部では、故田熊3佐の後輩育成に対する熱意と愛情を偲ぶとともに、機甲科部隊の安全を祈願するため、毎年命日に合わせてこの安全祈願行事を行っている。
 57回忌にあたる本年は、機甲科部の職員や入校学生、機甲教導連隊の連隊長及び最先任上級曹長約100名が参列し、厳かな雰囲気の中、慰霊碑(田熊碑)前で慰霊行事を執り行うとともに、殉職現場において参列者全員が参拝(焼香)を行い、機甲科部隊の安全を祈願した。
 また、行事にあわせて入校学生に対する安全教育を実施して、安全意識の高揚を図った。

方面施設技術集合訓練
方面隊の部隊防護能力を向上
<第3施設団>
 第3施設団(団長・鹿子島洋陸将補=南恵庭)は、4月12日から同年4月19日までの間、南恵庭駐屯地及び北海道大演習場(島松地区)において、北部方面隊の方面直轄部隊及び方面管内の施設科部隊の基幹要員に対し、工程管理、施設基礎作業、交通作業、陣地構築作業及び障害処理作業に関する基礎的知識の普及、陣地構築及び部隊防護(レジリエンス)能力の向上を目的として、「令和6年度方面施設技術集合訓練」を実施した。
 第14施設群(群長・河端純一1陸佐=上富良野)が担任する領域横断作戦下における部隊防護に関する訓練に延べ159名の隊員が参加し、西部方面隊での訓練成果を踏まえた偽装・欺騙の訓練を実施した。
 また、第12施設群(群長・山下拓路1陸佐=岩見沢)及び第105施設器材隊(隊長・●島映二2陸佐=南恵庭)が担任する方面直轄部隊を対象とした工程管理、施設基礎作業、陣地構築、障害構成及び交通作業に係る訓練に延べ163名の隊員が参加した。また、第13施設群(群長・橋本隆之1陸佐=幌別)が担任する方面管内の施設科部隊を対象とした施設技術のDX化の基盤となる3D設計図の作成要領及び汀線部障害構成要領等の訓練に延べ101名の隊員が参加した。
 実習を重視して技術の定着化を図ることに着意した訓練により、北部方面隊としての施設技術能力の向上に寄与することができた。

風薫る草原の国で施設技術指導
10年目のモンゴル能力構築支援
 第2施設団(団長・黒羽明陸将補=船岡)は、5月11日から同年6月3日までの間、モンゴル国エルデネト市近郊に所在する第234部隊において、測量及び道路構築に関する能力構築支援事業を行った。
 本事業は、モンゴル軍工兵部隊のPKO派遣に向けた施設分野における人材育成を目的として、2014年より開始され、第2施設団は2018年より隊員を派遣している。今年度は、事業開始から10年という節目の年であり、測量及び道路構築の集大成という位置付けの中、第2施設団隷下の第10施設群土屋2佐以下9名の隊員が参加した。
 活動の舞台となる第234部隊が所在するエルデネト市は、モンゴル国の首都ウランバートルから約400キロ北西に位置し、世界5大銅山である「エルデネト鉱山」を有するモンゴル第3の都市。モンゴル最大級のセレンゲ川が悠々と流れ、水辺と草原のコントラストが美しい地域だ。
 令和6年度の事業内容は、アスファルト道約550メートルの構築と暗渠等の排水設備の構築だ。モンゴル人は、殆どすべての者が工事に関する基本的な知識及び技能を有しており、自ら住む家屋を家族で作り上げる程の技術を有すると言われている。半面、本派遣における工事内容であるトータルステーションを使用した屈曲部を有する道路測量技術やアスファルト舗装等の専門的な器材と技術を有する特技の保有は限定的であり、自衛官による専門的な指導・助言をもとに工事を進める必要があった。
 このため、本事業に参加したモンゴル軍の要員50名は、モンゴル国内各地より施設技術を担う基幹要員が集められていた。
 このような状況の中、本事業に参加した自衛官は、最年少が20歳という若さ。海外派遣はもとより海外旅行に行ったことがないという隊員も多数散見されたが、これまで部隊等において学んだ測量や工事施工に関する知識を最大限に発揮し、外国においても臆することなくモンゴル軍の指導・助言に励んだ。
 工事実施間は、アスファルト舗装を行う際に使用する乳剤を散布する器材の故障やアスファルト合材の運搬遅延、激しい雷を伴う降雨など、工事を実施していく中で幾つもの困難な状況に遭遇したが、その都度、自衛官とモンゴル軍が相互に知恵を出し合い、協力することにより全ての工事を無事完成させ、5月30日の訓練閉講式の日を迎えることができた。
 また、モンゴル国派遣間にモンゴル軍の厚意でミニナーダム(モンゴルの祭)が開催され、モンゴル相撲や弓矢体験を通じて親睦を深める機会を得た。モンゴル人は、国技であるモンゴル相撲に幼い時から親しんでおり、圧倒的強さを誇る。これまでの派遣隊員は1勝もできずにいたが、この度初の1勝を獲得することができた。(歴史的勝利!)
 派遣隊員は、派遣活動を通じてモンゴル軍の施設技術能力向上に寄与するとともに、文化・言語の違いを超えて指導する難しさ等を実感し、視野を広げ、達成感を持って帰国した。引き続き本派遣活動で得た成果を今後の各種活動に生かしていく。

第1次旅団訓練検閲
<第6即応機動連隊>
 第6即応機動連隊(連隊長・中津健士1陸佐=美幌)は5月23日から6月7日までの間、美幌駐屯地及び矢臼別演習場において「令和6年度北海道訓練センター実動対抗演習第1運営」の参加に合わせ、旅団が実施する「第1次旅団訓練検閲」を受閲した。
 本検閲は、「攻撃に任ずる増強即応機動連隊の行動」を検閲課目として行われた。
 本検閲に先立ち訓練開始式が行われ、統裁官(第5旅団長・鳥海誠司陸将補)より要望事項「戦場を把握し、戦闘力を組織化せよ」「戦況の推移を予測し、各人の責務を果たせ」「作戦下の安全管理を徹底せよ。特に重大な訓練事故の絶無を図れ」の3点が述べられた。
 連隊は戦闘開始までに、諸職種部隊と綿密な調整を繰り返し実施し、任務を完遂出来るよう、認識の共有を図った。
 状況が開始されると、偵察小隊により敵情・地形を解明し、引き続き連隊主力をもって敵部隊を攻撃するとともに、獲得した敵情をネットワークにより共有し、対機甲火力及び砲迫火力を発揮した。
 本検閲は広範囲な地域において4夜5日の連続状況下で作戦を遂行し隊員全員が心を一つに戦闘を行い、任務を完遂した。

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