3年ぶりとなる「自衛隊音楽まつり」が11月18、19の両日、東京・日本武道館で開催された。合わせて6回の公演に約1万3千人が来場、3カ国の外国軍楽隊を含む音楽隊の華やかで力強く心打つ音楽の祭典を堪能した。
音楽隊が奏でる
「WITH」テーマに
水のように時に優しく、時に強く、包み込むような演奏と歌。「WITH…回せ、響き。動かせ、新世界〜新しき世代、その力と共に〜」。今年のテーマを体現するかのように出演者の表現に来場者らも一緒になって拍手や手拍子で応えた。
「皆様と再びお会いできましたことに喜びをかみしめています。この瞬間に感謝の気持ちを込めて、私たちの音楽を精一杯お届けしてまいります」ーー。海自東京音楽隊のボーカル、三宅由佳莉2海曹のあいさつに続いて幕が開いた。
第1章。陸自東部方面音楽隊と東部方面らっぱ隊が村田茂3陸佐の指揮の下、大ヒットアニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華(ぐれんげ)」などで魅了。空自航空中央音楽隊は、原田悠生2空尉が指揮しユーフォニアムのカルテット(4人演奏)などで魅せた。
第2章。陸自中央音楽隊は蓑毛勝熊3陸佐の指揮で行進曲「我が山河」などを披露。「陸軍分列行進曲」では、要人への特別儀仗も行う第302保安警務中隊隊員が演奏に合わせて整斉と行進した。
海自東京音楽隊は、今回初めて男性隊員6人で編成した艦旗隊を先頭に入場。ピアニスト、太田紗和子1海曹が「パリは燃えているか」を弾き、会場を静かに包んだ。ボーカルの橋本晃作2海曹は、「必ずここへ帰って来る」という歌詞のある「宇宙戦艦ヤマト」を高らかに歌い上げた。
魂の自衛太鼓も
佳境へと向かう終盤の第3章は「自衛太鼓」で幕を開けた。北海道から九州・熊本まで全国の各駐屯地から集った10個チーム総勢約100人がアリーナを埋め、「廻天之力」をテーマに、雷鳥のような響きを激しく打ち鳴らした。演奏後、指導に当たった北海自衛太鼓の石中大樹陸曹長が紹介された。
全出演部隊が登場した最終章のフィナーレ。指揮を執った陸自中央音楽隊隊長の樋口孝博1陸佐が指揮台を降り、ステージ後方へと歩み、振り返って一礼した。天井から吊られたミラーボールが回り、小宇宙にいるかのような無数の白い光の点を放った。
(12面に外国軍楽隊等の記事と写真を掲載) |