第1師団(師団長・兒玉恭幸陸将=練馬)は5月31日から6月8日までの間、北富士、東富士演習場等において、第1普通科連隊等を対抗部隊として、第32普通科連隊、第1特科隊、第1高射特科大隊及び第1通信大隊に対して訓練検閲を実施した。
自ら考え 創造的破壊に挑戦
本訓練検閲は「徒歩行進に引き続く陣地攻撃」を検閲課目として実施し、さらに32普連および1特に対しては「対ゲリラ・コマンドウ」についても課目として付与しその練度を確認した。訓練検閲実施にあたり統裁官(師団長)は「勝利への執念」、「創造的破壊」、「非戦闘損耗の局限」、「自ら学べ」の4点を要望した。
5月31日から6月1日の間、32普連及び1特は、治安出動次いで防衛出動下令下において住民混在下での武装工作員等への対処を実施した。両部隊は住民の安全確保を最優先事項として行動し、警察・自治体等との各種調整、作戦地域でのスクリーニング等を実施、最終的に潜伏等する武装工作員等を捜索・撃滅して任務を達成した。
6月2日から3日の朝にかけて32普連は約40キロ、1特、1高大及び1通大は約30キロの徒歩行進を実施し、引き続いて東富士演習場に展開する敵先遣戦闘団(1普連基幹)に対して攻撃を開始した。
攻撃開始に先立ち、1特及び1高大は北富士演習場に陣地占領、また1通大は大隊主力を同じく北富士演習場、一部を師団主力が集結する松本駐屯地に展開させるとともに高ボッチ山、甘利山及び富士スバルラインの要地に中継所を開設して、先遣32普連と師団主力との間の指揮連絡を確保するためのシステム通信組織を作戦間維持運営した。
3日、32普連は1中隊を平塚道沿いに、4中隊を戦車道沿いにそれぞれ前進させ、敵警戒部隊を駆逐するとともに、同日15時頃、3中隊及び5中隊を並列して攻撃させ、狐塚から大野一帯を確保し、明朝以降の敵主陣地に対する攻撃の態勢を確立した。この際、1特は32普連の攻撃発揮の条件を作為するため敵第一線陣地及び敵砲迫部隊を重視して制圧するとともに、積極的な対砲迫戦の実施により、敵砲迫の火力発揮を妨害し無力化させた。また1高大は、近SAM1コ分隊を32普連に、短SAM2コ小隊及び近SAM1コ分隊を1特にそれぞれ同行させて対空掩護を実施した。
その他、1通大は師団長より「作戦の終始を通じて戦略的コミュニケーション(以下SC)に資する映像を作成し、師団の作戦環境を有利にせよ」との指針を受け、必要な映像資料の撮影を行い、作戦間4本のSC映像を編集して師団司令部に提出した。
4日、32普連は1特の攻撃準備射撃の下、連隊攻撃目標に向け攻撃を開始、5日夕方には目標地域の確保に成功した。
6日、32普連隊長が師団長にじ後の防御構想について報告した時点をもって、本訓練検閲の状況を終了した。
優秀隊員表彰
『表 彰』(第4級賞詞)
【第32普通科連隊】
第1中隊 千葉1曹
第2中隊 梶原3曹
同 田口3曹
第3中隊 村田士長
第4中隊 荒井3曹
【第1特科隊】
隊本部 石川2尉
本部管理中隊 臼木1曹
第2中隊 渡邊3曹
【第1高射特科大隊】
指揮情報中隊 増田3曹
【第1通信大隊】
本部管理中隊 森田2曹
『褒 賞』
【第32普通科連隊】
本部管理中隊 阿部1曹
同 杉山2曹
第5中隊 神3曹
【第1特科隊】
第1中隊 渡邊3曹
第3中隊 佐野3曹
第4中隊 宮下2曹
情報中隊 小笠原3曹
【第1高射特科大隊】
大隊本部 佐々木2尉
本部管理中隊 杉山1曹
高射中隊 佐久間3曹
【第1通信大隊】
大隊本部 小野寺2尉
第1中隊 生方1曹
第2中隊 齋藤2曹 |