第2次岸田改造内閣が8月10日に発足、第24代防衛相に衆議院議員(千葉県第12区)の浜田靖一氏が就任した。麻生内閣で第6代防衛相を務めて以来、2度目の入閣。12日には防衛省で岸信夫前大臣と浜田大臣の離・着任式も行われた。新たに防衛副大臣、防衛大臣政務官も就任した。
「あらゆる選択肢排除せず防衛力抜本的に強化する」
三つの課題に全力
防衛省儀仗広場で特別儀仗隊による栄誉礼・儀仗を受けた後、鈴木事務次官、山崎統幕長をはじめとする最高幹部らが整列する中、浜田大臣は着任式に臨み、麻生内閣時の前回(2008年9月〜09年9月)以来となる就任に当たっての抱負を述べた。
大臣は「(前回大臣を務めていた)当時と比べてさらに厳しさを増している現在の安全保障環境を踏まえ、取り組むべき優先的な課題について述べたい」として「我が国自身の防衛体制の強化」、「日米同盟の強化」、「各国との安全保障協力の強化」の三つを挙げた。
「政府を挙げて行っている新たな国家安全保障戦略や防衛大綱等の策定プロセスの中であらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化していく」、「今後とも日米ガイドラインに基づく宇宙・サイバー・電磁波領域などさまざまな分野で両国の協力を進展させ日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していく」、「安全保障上のリスクが多様化・複雑化する中、安全保障上の分野において、多くの国々と協力関係を構築することは喫緊の課題。自由で開かれたインド太平洋ビジョンを踏まえ、地域の特性や相手国の実情を考慮しつつ、多角的・多層的な安全保障協力を戦略的に推進していく」と語った。
最後に「どんな困難に際しても臆することなく、防衛省・自衛隊をけん引し、粉骨砕身、職務を全うしていく。隊員諸君の精励恪勤(かっきん)に期待し、着任の訓示とする」と決意を表した。
公務始動
着任した浜田大臣が公務をスタートさせた。8月16日にはオースティン米国防長官と電話会談を行い、日本のEEZ内への着弾を含む中国による弾道ミサイルの発射を強く非難、地域におけるいかなる事態にも対応できるよう緊密かつ隙のない連携を図っていくことを確認した。
24日には「第14回防衛力強化加速会議」の議長を務め、事務次官、各幕僚長らの参加の下、令和5年度概算要求の検討状況について議論を交わした。
新旧大臣固い握手
離・着任式後の事務引き継ぎで浜田大臣と岸前大臣が固い握手を交わした。
浜田大臣が前回、防衛大臣に就いていた時に大臣を支える政務官を務めていた岸前大臣。
岸前大臣が防衛力の抜本的強化など重要な時期にあることを伝え、「防衛省一丸となって改革し、前に進んでいただくことを期待しています」と語ったのに対し、浜田大臣も「バトンを引き継ぎ積み上げてこられたことをしっかりと受け止め、一所懸命努力していきます」と応えた。
「隊員誇らしい」岸前大臣
岸前大臣は離任式で一昨年9月から約2年間の公務を振り返り、「全国の基地や駐屯地を訪問して現場の皆さんと直接触れ合う機会を持つことができた。24時間365日、国防という共通の目的に対しただひたむきに努力を積み重ねる皆さんの姿に接し、感銘すら受けた。大変誇らしく思う。世界中にいる皆さんの仲間からも活躍の報告を受けた」と語った。
儀仗広場で栄誉礼・儀仗を受けた後、最高幹部、多くの隊員たちの見送りを受け、職員代表から花束を贈られて省を後にした。 |