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1079号 (2022年7月15日発行) |
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機略縦横(38)
南西航空方面隊准曹士先任 准空尉 高間宗仁 |
この度は、防衛ホーム「機略縦横」へ寄稿の機会をいただき感謝申し上げます。
沖縄県は今年5月15日、本土復帰50周年を迎えました。沖縄が本土へ復帰するまでには幾多の困難がありました。今年は様々なメディアで大々的に取り上げられたため、詳細をご存じの方も多いのではないでしょうか。
太平洋戦争が終結して今年で77年になりますが、沖縄県は終戦直後から約27年もの間、アメリカによって統治されました。沖縄返還協定により昭和47年5月15日、日本に返還され、自衛隊の配備もその直後から行われました。配備直後に沖縄で勤務されていた自衛官の方々は、とてもご苦労されたと伺っています。その先輩方の公私にわたる地道な努力の積み重ねと支援者の方々のご尽力により、現在では自衛隊の活動も多くの県民方からの理解を得ています。
沖縄県において6月23日は特別な日です。沖縄戦における旧日本軍の組織的な戦闘が終結したこの日は、現在は沖縄慰霊の日として沖縄戦での戦没者を追悼する日として定められており、島全体が平和の祈りに包まれます。
その慰霊の日に先立つ6月19日、沖縄本島南部の糸満市にある平和祈念公園において、陸海空自衛隊員や隊員家族、自衛隊協力団体など合わせて900名余りのボランティアによる清掃活動を行いました。当日は朝から梅雨明けを思わせる強烈な日差しの下、全員で手分けして平和の礎(いしじ)の石碑拭き、公園内通路、各都道府県慰霊塔周辺の枯葉やゴミ拾いを行いました。
太平洋戦争において、沖縄では住民を巻き込んだ大規模な地上戦があり、その時に国を守るために戦って下さった先人たち、そして尊い犠牲になられた県民の方々に思いを馳せながら、参加者たちは心を込めて清掃活動を行いました。このような思いを持つことは、沖縄県において自衛官として勤務する上でとても大切なことであり、沖縄県の歴史的背景も含め、この地域の防衛の重要性を後輩たちに継承していくことも、私たち准曹士先任の職責であると考えます。
私達が享受している平和は、先人たちの尊い犠牲の上で成り立っていることを忘れず、この平和な日々が一日でも長く続くように、これからも任務に邁進していきたいと思っています。 |
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