「第47回社会人野球日本選手権大会」が10月30日から11月9日まで大阪市の京セラドーム大阪で開かれ、航空自衛隊千歳基地野球部(部長・小山晃紀雄1佐=2空団基業群司令=以下27人)が北海道代表として出場し、健闘した。同野球部の日本選手権出場は10年ぶり2度目。
「勝機信じて」
主力選手が引退し、選手数も少ない戦力的に厳しい状態で臨んだ今季。6月の都市対抗大会・北海道2次予選ではコールド負けも喫した。
道内強豪4チームによる総当たり戦で行われた9月の日本選手権・道地区予選は、3試合いずれも逆転勝ちして本戦への出場切符を手中に。10月には空幕(市ヶ谷)で行われた壮行会で井筒空幕長をはじめとする幹部・隊員に盛大な激励を受けた。
多くの強豪が名を連ねる日本選手権に向けて監督の福井一気2曹は、「(自衛隊は)負けてはいけない」という覚悟も胸に秘め、「(強豪と)10回試合をして1回も勝てない、ということはない。必ず勝機はある」と選手たちに伝え、決戦の地、大阪に向かった。
そして迎えた11月2日の1回戦。激戦の東海地区を勝ち上がった優勝経験もある王子との対戦。
「どの試合も安定している。マウンドを託すことができる」(福井監督)と、信頼される本木敬基3曹、佐藤怜3曹の両エースが継投し、強力打線を4失点に抑え打線に託した。反撃をうかがっていた打線に6回、勝機が訪れた。岸本大志3曹が四球を選ぶと濱田恵多士長がライト前へヒットを放ち走者1、3塁に。今野克則2士は確実にレフトへ犠牲フライを上げ岸本3曹が生還、一矢を報いた。
敗れはしたものの「航空自衛隊千歳」の名を全国に知らしめた隊員たち。福井監督は大会後、「多くの方々にご支援、ご声援を頂き励みになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。勝つことはできませんでしたが、一生懸命戦えました」と語った。 |