久しぶりの生演奏に感激
7月23日から24日、呉地方総監部(総監・伊藤弘海将)は呉市と共催し、呉信用金庫ホールで「海上自衛隊創設70周年記念・呉市制120周年記念海上自衛隊呉音楽隊ファミリーコンサート2022」を開催した。
当日は、海上自衛隊を初めて見る小さな子供たちの眼差しや、久しぶりにコンサートホールに来場した喜びを大きな拍手で表現する人など、いつも以上に熱気を感じるコンサートであった。コロナ禍を配慮し1時間という短いプログラムであったものの、明治時代から現在に変容していく呉市の歴史を感じさせる写真を呉音楽隊委嘱作品「オマージュ〜海の守り詩〜」に乗せて投影するなど、呉市制120周年の記念として記憶に残る演出とした。
任務の多様性が求められる中、音楽隊も吹奏楽編成だけではなく、アンサンブルも積極的に取り組み、木管アンサンブルによる「星に願いを」は、優しさと美しさを、金管アンサンブルでは、幕末から明治へと日本の近代化が進む様子を感じさせてくれる「文明開化の鐘」を演奏した。また、巷で大流行しているアニメ「呪術廻戦」のオープニングテーマ「廻廻奇譚」のスピード感溢れるサウンドに乗せて、海上自衛隊の活動動画を披露すると、日頃見ることのできない任務に対する強い眼差しの自衛官の映像に、客席からは熱い拍手が贈られた。
「守る未来、つなぐ海」がキャッチフレーズの海上自衛隊創設70周年。家族、仲間など多くの大切な人たちに支えられていることに感謝して、その大切な方々に「ありがとう」の気持ちを込めた映像と道本2曹の心にしみる歌声により「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌「虹」が歌われると温かな拍手が送られた。プログラムの締め括りは、ジャズの名曲「スペイン」。遠洋練習航海でスペインに寄港したことのある隊員もいる呉音楽隊ならではの灼熱の演奏を体感することができた。
アンコールでは、呉市のマスコットキャラクター「呉氏」と、呉地方総監部の「くれこ」と「やまと」がステージに登場。呉市公式オリジナルソング「君くれハート」を呉氏の軽快なダンスとともに披露。コンサートの最後を飾るのは、行進曲「軍艦」。
久しぶりの生演奏の喜びが拍手となって伝わってくる2日間であった。 |