50キロなどの長距離を滑走する過酷な雪上のマラソン、クロスカントリースキー。北京冬季五輪の同競技に自衛隊体育学校冬季特別体育教育室(朝霞)からも隊員1人が出場し、海外の強豪選手に挑んでいる。
過酷なクロカンスキー
体校選手、北京強豪に挑む
自衛隊でも北方、東北方の部隊を中心に盛んに行われるスキー。
全自衛隊スキー大会も例年行われ、日本のスキー発祥の地、新潟県上越市の陸自2普連(高田)など各部隊・隊員が活躍。また、同冬季戦技教育隊(真駒内)は積雪寒冷地の戦闘・戦技の教育訓練、部隊運用の研究を担い、冬季機動の戦力向上に寄与している。
これら部隊の隊員は部外大会でも健闘を見せている。滑降の技術を競う昨年3月に新潟県で行われた「全日本技術スキー選手権大会」では、陸自5施設群(高田)の青木美和2陸曹が女子総合の部で準優勝した。
スキーは斜面を滑降するアルペン、整地を滑走するクロスカントリー(距離)、ジャンプなど大きく六つの競技に分けられ、冬季五輪でもそれらの各種目が実施される。
「キング・オブ・スキー」ともたたえられるジャンプとクロスカントリーのノルディック複合ではソチ大会(2014年)、平昌大会(18年)で渡部暁斗選手(北野建設)が銀メダルを獲得している。
世界各国強豪がしのぎを削る北京冬季五輪(2月4〜20日)のスキー・クロスカントリーは男女各6種目で競われ、日本から7人(男子3人、女子4人)が挑んでいる。
「ピークをしっかり合わせて海外選手に挑戦する。頑張る姿やあきらめない姿を見せることで、クロスカントリースキーという競技をもつと多くの人に知ってもらいたい」ーー。開幕前に「TEAM JAPAN」の一員として抱負を寄せた体校の山下陽暉2陸曹は、その言葉通り、各種目で果敢に滑走している。
自衛隊を代表し
山下2曹は富山県出身、早稲田大卒で入校1年目の新鋭。最初の種目、スキーアスロン(コース8周30キロ、前半4周15キロ=クラシカル走法・後半4周15キロ=フリー走法)ではスタート後、中・終盤の位置につけて粘りの走りを続けた。
得意の後半のフリーで12人を抜く健闘も見せたが、首位のロシア人選手に途中抜かれ、周回遅れで完走できなかった。順位は53位だった。
山下2曹は日本代表、自衛隊代表として、続く50キロフリーなどに挑む。 |