中部方面隊
中部方面隊創隊50周年記念行事が10月17日、伊丹駐屯地で盛大に開催された。この日は、秋晴れの穏やかな晴天に恵まれ、一般市民約2万人が駐屯地を訪れた。
午前10時すぎ、中部方面隊れい下部隊の隊員約1000名がグラウンドに整列する中、観閲官の荒川決齪Y中方総監をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、来賓多数が臨場、創隊50周年式典が始まった。最初に、全員で志半ばにして殉職された235柱の英霊に対して黙祷し、国旗に敬礼をしたあと、荒川総監が観閲部隊指揮官の白井純夫3副師団長以下整列した全隊員を順次巡閲した。
荒川総監は式辞の中で、2府19県を守る中部方面隊の歴史、沿革や阪神淡路大震災などの災派への対応、カンボジア、ホンジェラス、イラク、ハイチなどの国際平和協力活動などの実績について触れながら隊員に対して「任務必遂の信念」のもと、「実戦においては訓練以上の事はできない」という事実を真摯に受け止め、常に「武の練磨」に心掛けるよう要望した。次いで、来賓を代表して橋下徹大阪府知事、井戸敏三兵庫県知事らが祝辞を述べ、命をかけて国を守っている隊員に感謝と敬意を表しながら「今後とも国や地域の危機管理に一層のご尽力を」と要望した。
引き続き、観閲行進が始まり、中方音楽隊を先頭に人員約1000名、車両約150両、航空機約20機が各部隊ごとに威風堂々のパレードを披露、観客席から大きな拍手が沸き起こった。
訓練展示では、普通科部隊と戦車部隊が実戦さながらの戦闘を展開、射撃音のすさまじさや装備品の迫力に観客は終始圧倒されていた。また、「1812年」の曲に乗って、音楽隊と特科部隊によるコラボ演奏も行われ、観客は初めて見る光景に目が釘付となり、特に高射砲の轟音には大歓声があがっていた。
一方、駐屯地内の各地区で、子供広場、美術展、装備品等体験コーナー、広報展示、音楽イベント、模擬売店などが催され、大勢の家族づれで終日賑わっていた。
米子駐屯地
「きずけ伝統!はつらつ・感動!米子駐屯地60周年」をキャッチフレーズとして10月10日、米子駐屯地(司令兼8普連隊長・豊留廣志1陸佐)創設60周年記念行事が行われた。前日まで雨天の予想だったが、この日は暑い程の秋晴れ。約1万人の来場者は秋の一日を満喫していた。
10時から開始された式典では、「土砂崩れが起きそうだと土砂を予め崩してくれて災害を未然に防いでくれるなど、地域がお世話になっているお礼を言いに来た」平井伸治鳥取県知事や「国民の生命と財産を守ってくれる自衛隊は昔から米子になくてはならない存在。いざという時頼りになる。鳥取県西部地震から10年、あの時の自衛隊の活躍は感謝してもしきれない」と祝辞を述べた湯原俊二衆議院議員ら多数の来賓を招いて行われた。
その後行われたパレードには、出雲駐屯地の偵察部隊や日本原駐屯地の日本原駐屯地の特科部隊さらには防府駐屯地の航空部隊らも応援にかけつけ、人員約260名・車両約60両で厳粛に行われた。また、航空自衛隊築城基地から祝賀飛行のためにF―15が飛来してきた時は、テントの中の見学者が全員テントから出てきてしまう程の興奮度だった。
次いで行われた模擬戦闘。状況開始から終了までの様子に観客は大興奮。74式戦車の轟音や空砲に歓声をあげ、155mmりゅう弾砲の空包から飛んでくる灰にびっくりし、軽装甲機動車を見て「あれがイラクに行っていたのですか?」と近くにいる隊員に質問をなげかける、グラウンドの周りを見回すと、レンジャー展示や災害時の状況展示など、駐屯地に訪れた人たちは思い思い楽しんでいた。
「駐屯地全隊員一丸となって、県民、市民に信頼され頼りになれるよう、研鑽努力する覚悟」と式辞で豊留司令が述べた言葉が来場者の身体にしみ込んでいくような光景だった。
東北方面隊
9月26日、東北方面隊は霞目駐屯地(宮城県仙台市)で「郷土に半世紀 更なる飛躍へ」をテーマに東北方面隊創隊50周年記念行事を挙行した。
前日まで続いていた秋雨もあがり、当日は朝から快晴にめぐまれた。観閲式では第6師団副師団長の福田敏陸将補が指揮する観閲部隊約2100名が参列する中、観閲官である東北方面総監の君塚栄治陸将が「50年間の歴史と成果を継承し、未来に向け発展させるべく、隊員諸官とともに国民の皆様のニーズ・期待されている役割に応えるため、自らを鍛え、自らを律して、あらゆる事態に対して即行動でき、完璧に任務を遂行できる東北方面隊の育成に向け、日々精進していく」と式辞を述べた。続いて村井宮城県知事と東北防衛協会等連絡協議会会長兼ねて宮城県防衛協会会長の丸森氏が自衛隊に対する信頼と強い期待を込めた祝辞を述べた。
次いで、音楽隊の演奏と戦車、大砲、機関銃の射撃音やヘリコプターの飛行音が共演する東北方面隊創隊50周年記念曲「七彩の奥羽国(なないろのおくこく)」を初披露した。この曲は、自然豊かで伝統ある東北地方を敵の侵攻から東北方面隊が守るというストーリー性を有しているもので、多くの観客から称賛を受けていた。
その後行われた観閲行進では戦車等約160両の装備品が一糸乱れぬ行進を披露し部隊の威容を示した。ヘリコプターなど25機が快晴の上空を飛行した観閲飛行の後には、ブルーインパルスによる記念展示飛行も行われ多くのファンを喜ばせた。そのほか、在日米陸軍ヘリ(ブラックホーク2機)によるデモンストレーションも行われた。
訓練展示においては、増強普通科中隊の攻撃の場を披露した。東北方面隊初となるCH―47からファストロープによる降下及びエキストラクションロープによる離脱、空挺隊員の落下傘降下、FH―70やTKの空包射撃等30分間にも及ぶ展示が飛行場地区全面を使用して実施された。
また「体験型」のイベントも多数行われ、ミニ制服を着ての写真撮影や、実際に設置された自走橋柱橋を渡ったり、自衛隊ウルトラクイズなど自衛隊らしいイベントも催された。特に戦車14両を使用した戦車の体験搭乗は約1600名の方が参加する大好評ぶりだった。この日は約3万人の来場者が駐屯地を訪れ、自衛隊に対する信頼を深めていた。
高等工科学校
高等工科学校(学校長・市野保己陸将補)は9月23日、改編後初めてとなる創立55周年記念行事及び開校祭を行った。
当日は、横粂勝仁衆議院議員、小泉進次郎衆議院議員、佐藤正久参議院議員、古屋範子衆議院議員をはじめ多くの来賓や、この日を楽しみに全国から駆けつけた家族等、約1400名が来校した。今年度は自衛隊観閲式参加とグラウンド改修工事のため、例年2日間で行う行事を1日とし、体育館で記念式典・ドリル演技・和太鼓演奏が行われ、その後、御幸浜道でパレード、また、食堂で祝賀会が行われた。
式典において学校長は「職員一同は、自衛隊生徒発足以来50年余りにわたり営々と培われてきた良き伝統を踏まえ、「情熱と愛情ある教育」をもって本校の理念に合致した生徒育成に取り組むとともに、改編に伴う新たな制度及び校務の運営等を整斉と実施する『変革の推進』が、今我々に与えられた重要な使命であると考えております。生徒諸君は、高等工科学校に改編しましたが、少年工科学校の輝かしい伝統を引き継ぎ、未来に大きく羽ばたくため、目標をしっかりと立て、勉学や訓練、クラブ活動などにおいて、日々その目標に向かって努力するとともに、ここで集い、共に学んだ陸上自衛隊生徒の同期・先輩・後輩としての絆を生涯大切にできる真の友情を育んでもらいたいと思います」と式辞を述べた。
午後からは、開校祭行事として、体育館で5個体育クラブ(空手道部・剣道部・少林寺拳法部・銃剣道部・柔道部)による武道展示、続いて5個文化クラブ(軽音楽部・弁論部・吟詠尺八部・英会話部・和太鼓部)による発表会を実施した。特に、文化クラブの発表会では、校外でも活躍する和太鼓部『桜花太鼓』の部員達の迫力ある演奏で来場した家族や職員、生徒は大いに盛り上がった。また、数々の大会に出場し好成績を収めているロボット研究部をはじめとする11個文化クラブの作品展示も教室舎で行われ、来校した家族等を楽しませた。 |