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自衛隊ニュース   2010年11月1日号
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73個人、59団体が受賞
防衛大臣感謝状贈呈式
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防衛協力・自衛官募集で多大な功績
 平成22年度防衛大臣感謝状贈呈式が10月23日、グランドヒル市ヶ谷で行われた。これは、自衛隊記念日行事の一環として防衛協力や自衛官募集等で功績のあった方々を表彰するもので、今年度は73個人、59団体が受賞した。
 式では、防衛省・自衛隊の高級幹部が陪席する中、北澤俊美防衛大臣が受賞者一人ひとりの席を回って直接賞状を手渡したあと、受賞者の防衛省・自衛隊に対する日頃の尽力に感謝しながら「今後とも一層のご支援、ご協力を」と挨拶した。最後に、受賞者を代表して中村利夫氏(長崎県)が自らの戦争体験を語りながら心温める謝辞を述べ、式を終了した。
 防衛大臣感謝状受賞者は次のとおり(敬称略)

 〈防衛協力功労(一般功労・団体)〉▽(株)ニッカウヰスキー北海道工場(北海道)
 〈同(一般功労・個人)〉▽浅野元(宮城県)▽安達清司(京都府)▽渥美巖(宮城県)▽渥美堅持(東京都)▽跡部昌洋(宮城県)▽井上澄和(福岡県)▽宇田川雄弘(東京都)▽江藤勝彦(大分県)▽大木久壽(東京都)▽大澤陽一(青森県)▽翁長雄志(沖縄県)▽河村幾喜(鳥取県)▽楠晴雄(京都府)▽倉智英吉(大阪府)▽久利雅宣(埼玉県)▽近藤眞策(青森県)▽坂本美洋(青森県)▽鈴木百合子(山形県)▽千宗守(京都府)▽仙頭議寛(高知県)▽高井進(新潟県)▽高田義巳(京都府)▽高橋治朗(愛知県)▽高橋久志(埼玉県)▽田尻健次郎(熊本県)▽田尻正司(神奈川県)▽鶴戸清子(宮城県)▽朝長則男(長崎県)▽中村利夫(長崎県)▽西川正志(三重県)▽樋口武弘(東京都)▽房川樹芳(北海道)▽伏見悦夫(北海道)▽本多利夫(千葉県)▽真塩卓(群馬県)▽松岡博史(奈良県)▽松沢成文(神奈川県)▽松下蛟(熊本県)▽松本義文(神奈川県)▽宮武克安(北海道)▽森真(岐阜県)▽山口潔(北海道)▽山田義範(沖縄県)▽山西三重子(宮崎県)▽湯村芳則(大阪府)▽渡辺繁次郎(北海道)
 〈同(就職援護・団体)〉▽ALSOK山形(株)(山形県)▽医療法人菅野愛生会緑ヶ丘病院(宮城県)▽医療法人山柳会塩味病院(埼玉県)▽羽後運送(株)(秋田県)▽SMBCデリバリーサービス(株)(大阪府)▽おびしんビジネスサービス(株)(北海道)▽学校法人川崎学園(岡山県)▽(株)エイチシーエム(北海道)▽(株)NPK(宮崎県)▽(株)データ・キーピング・サービス(東京都)▽(株)にしけい熊本支社(熊本県)▽(株)西日本クリーン(福岡県)▽(株)名古屋高速道路協会(愛知県)▽三銀ビジネス・サービス(株)(三重県)▽滋賀県自衛隊除隊者援護協議会(滋賀県)▽総合メディカル(株)(福岡県)▽帝国繊維(株)(東京都)▽日本通運(株)旭川支店(北海道)▽日本通運(株)郡山支店(福島県)▽宝栄工業(株)真岡工場(栃木県)▽三菱電機(株)(東京都)▽宮川興業(株)(福井県)
 〈同(就職援護・個人)〉▽竹林秋雄(青森県)▽山崎重光(千葉県)
 〈同(予備自衛官等雇用・団体)〉▽秋田三八五流通(株)(秋田県)▽丘山産業(株)(群馬県)▽小野田通運(株)(山口県)▽(株)紀泉物流(大阪府)▽(株)太陽ミリタリーセキュリティ(北海道)▽(株)札幌ニチエー(北海道)▽(株)日産クリエイティブサービス栃木支店(栃木県)▽川合運輸(株)(福島県)▽弘南バス(株)(青森県)▽金刀比羅宮(香川県)▽セントラル警備保障(株)東京事業部(東京都)▽綜合警備保障(株)神戸支社(兵庫県)▽大豊運輸(株)(鹿児島県)▽日本通運(株)熊本支店(熊本県)▽日本通運(株)和歌山警送支店(和歌山県)▽都城ダイキュー運輸(株)(宮崎県)▽(株)谷運輸(香川県)▽(株)中村空調設備(北海道)
 〈自衛官募集功労(地方自治体)〉▽秋田県男鹿市▽秋田県鹿角市▽佐賀県神埼郡吉野ヶ里町▽佐賀県杵島郡白石町▽福島県大沼郡会津美里町▽福島県須賀川市▽宮崎県都城市▽山形県西村山郡河北町▽山形県最上郡戸沢村
 〈同(学校)〉▽青森県立大湊高等学校▽鹿児島県立鹿屋農業高等学校▽熊本県立熊本工業高等学校▽長崎県立大村工業高等学校▽八戸工業大学第一高等学校(青森県)▽北海学園大学(北海道)▽北海道遠軽高等学校▽北海道札幌南陵高等学校▽宮崎県立都城工業高等学校
 〈同(募集相談員等)〉▽青野忠男(東京都)▽上野祥雲(北海道)▽大林幹雄(東京都)▽梶茂義(愛知県)▽梶田武男(愛知県)▽勝野喜八(大阪府)▽川田勲(沖縄県)▽北原文夫(長野県)▽久保田宣彦(神奈川県)▽小松哲之(大阪府)▽佐藤良一(岩手県)▽四百刈房(岩手県)▽進藤榮治(福岡県)▽末廣孝(北海道)▽末藤嘉一(福岡県)▽関高(宮城県)▽高橋直芳(東京都)▽竹本知行(京都府)▽中川泰三(神奈川県)▽野崎義弘(北海道)▽平礒和夫(東京都)▽藤井泰代(北海道)▽松田清(大阪府)▽松田公一(熊本県)▽山田允孝(北海道)


厳粛に中央追悼式
新たに9柱を顕彰
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 平成22年度自衛隊殉職隊員追悼式が10月23日、防衛省慰霊碑地区(メモリアルゾーン)で厳粛に行われた。今年度新たに顕彰されたのは陸自4柱、海自5柱の計9柱で、警察予備隊以降の顕彰者数累計は1813柱。
 式には、菅直人首相、北澤俊美防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、歴代大臣、衆参国会議員、協力団体の長や来賓など約300人が出席した。
 午前10時、国歌斉唱に続いて音楽隊の荘厳な演奏の中、北澤大臣が新殉職隊員9柱の名簿を供奉した。次いで、第302保安警務中隊による特別儀仗隊の捧げ銃とともに参列者全員で拝礼・黙祷を行った。
 菅首相は、追悼の辞の中で「この度、新たに祀られた御霊は9柱であります。御霊は、我が国の平和と独立を守るという崇高な任務に志を抱き、自衛隊に奉職され、任務を遂行中に不幸にしてその職に殉ぜられました。御遺族の方々の深い悲しみに思いを致しますと、痛恨の極みであり、哀惜の念に堪えません。私達は、このような不幸な事態が再び起こることのないよう、今後とも最善の努力を尽くさなければなりません。また、私達は御霊の尊い犠牲を無にすることなく、その御遺志を受け継ぎ、我が国の平和と独立を守るという崇高な任務を全うするとともに、世界の平和に全力を尽くしてまいります。最後に、ここに重ねて御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、御霊の御冥福を衷心よりお祈り申し上げます」と述べた。
 また、北澤大臣が「防衛省・自衛隊は、我が国の平和と独立を守るという国家存立の基本にかかわる崇高な任務を担う組織であります。その任務を遂行するにあたり、隊員諸官は『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える』と宣誓し、国民の期待と信頼に応えるべく日夜精励しております。その誓いのもと、本日顕彰させていただいた方々をはじめ幾多の方々が、たゆまぬ研鑽努力を積まれ、強い使命感を抱きながら任務の精励に努め、志半ばにしてその職に殉じられた事実を我々は決して忘れることがあってはなりません。このようなかけがえのない方々を失ったことは、御遺族の皆様はもとより防衛省・自衛隊、ひいては国家にとって誠に大きな痛手であり、悲しみに耐えません。私どもは、このような不幸な事態を再び起こさないよう、今後とも最善を尽くして参ります。そして御霊の御功績を自衛隊員の鑑として永く顕彰するとともに、御遺志を受け継ぎ、防衛省・自衛隊の任務達成のため更なる努力を尽くすことを、ここにお誓いするものであります。本日の追悼式にあたり、御霊の御功績をたたえ謹んで御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様には出来る限りのお力添えをさせて頂く所存でございます。どうかお心を強く持たれ、一日も早く悲しみから立ち直られ、そして御健勝であられますよう祈念いたします」と追悼の辞を述べた。
 引き続き、菅首相、北澤大臣、新遺族、遺族会会長等、防衛省・自衛隊高級幹部、歴代大臣、国会議員、協力団体の長が順次献花したあと、遺族代表が挨拶を述べた。
 最後に、拝礼、特別儀仗隊による弔銃が行われ、出席者全員で殉職隊員の御冥福をお祈りした。

菅首相訓示
自衛隊観閲式
日米同盟の深化目指す
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 自衛隊の観閲式に当たり、規律正しく、士気旺盛なる隊員諸官の勇姿に接し、観閲官としてまことに頼もしく思います。
 自衛隊は、創設以来、我が国の平和と独立を守り、国の安全を確保するという、国家存立の根本に関わる任務を遂行してまいりました。近年は、国際的な活動を含め、任務は一層拡大しており、国民の自衛隊に対する期待も広範に及んでおります。
 さて、我が国周辺の安全保障環境を眺めれば、ミサイルや核兵器の開発が懸念される北朝鮮や、軍事力の近代化を進め海洋における活動を活発化させている中国に見られるように、厳しさを増しております。国際的にも、大量破壊兵器の拡散、国際テロや海賊被害などの多様な事態への対応がますます求められております。
 こうした中で、自衛隊は、時々の国際情勢のもと、多様な事態に実効的に対処し得る態勢を常にとっておく必要があります。真に役に立つ実効的な防衛力整備を進めるため、これからの時代にふさわしい防衛計画の大綱を、本年末までに策定する予定です。
 次に、安定した安全保障環境は、地域の平和と繁栄の前提となっており、国際社会の課題の解決に、国家同士が協力して取り組むことは、ますます重要になると考えます。
 私はかつて、我が国のPKO活動の原点であるカンボジアPKOの現地タケオを訪問し、現地の方々が自衛隊の真摯な活動を賞賛する様を直接目にしました。現在も、ゴラン高原、ネパール、スーダン、ハイチ、アデン湾、更には東ティモールといった各地で隊員諸官が頑張っております。自衛隊はこれからも、国際的な安全保障環境の一層の改善を目指して、国際的な活動に果敢に取り組むとともに、防衛交流や多国間の安全保障枠組みでの取り組みについても意欲的に進めていく必要があります。
 日米同盟については、我が国の防衛のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄を支える上で、重要な役割を果たしております。本年は日米安全保障条約の改定から50周年にあたります。この同盟関係を21世紀に相応しい形で、着実に深化させていきたいと考えております。
 さらに、国内の自然災害その他の緊急事態に対する対応も重要であります。自衛隊は、各種の自然災害への対応のほか、宮崎県において発生した口蹄疫への対応においても、長期間にわたり真摯な活動に取り組み、県民からも高く評価されました。今後とも、国民生活の安全のためにも、自衛隊はその持てる力を十分に発揮していくことが求められております。
 これからも、自衛隊は、国民の負託と期待に応えるべく、全力でその広範な役割を果たさなければなりません。そのために、私は自衛隊の最高指揮官として、隊員諸官に対して、次の3点を望みます。
 第一は、自らの任務に関する知識と技量を十分に持て、ということです。隊員諸官には、自らが安全保障のプロフェッショナルであるとの気概を持ち、内外の情勢、そして国民の自衛隊への期待をよく知るとともに、自らの任務に必要な知見を十分に涵養し、その技量の練磨に努めてもらいたいということです。
 第二は、自らが自衛隊員であることを常に自覚せよ、ということです。隊員として相応しい倫理観と常識的な判断力とを常に維持することが、国民からの一層の理解と信頼を得るために重要だからです。
 第三は、真の勇気の持ち主であれ、ということです。隊員諸官は「事に臨んでは危険を顧みず、責務を全うする」と宣誓した自衛隊員であります。真の勇気を持つ者として、万が一の事態における瞬発力や積極果断な姿勢を、平素から涵養してもらいたいと思います。
 いにしえより「百年兵を養うは一朝のためにあり」と言われます。長年の訓練の成果は、いざという時に、しかも急に問われるものである、ということを教える言葉です。緊張感に裏打ちされた、持続的かつ真摯な歩みを、隊員諸官一人ひとりが忘れずに、しかも日々実践すること、このことが国民の自衛隊に対する期待に応える基盤を成すものであることを述べ、隊員諸官がますます任務に精励されることを強く希望して、私の訓示といたします。(10月24日)

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