防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年6月1日号
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逸見岸壁オープン
《横須賀基地》
新設ヘリポートと一体化
砕氷船「しらせ」が初入港艦艇に
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 4月15日、横須賀基地に新設されたヘリポートと一体となった逸見岸壁の完成披露行事(執行者・松岡貞義横須賀地方総監)が行われた。
 式典に先立ち、第21航空群(群司令・山本敏弘海将補)のSH―60Kがヘリポートに着陸し、山本群司令が式典に参列、岸壁には今月9日に初任務を終えて東京晴海埠頭に帰国した砕氷艦「しらせ」(館長・小梅三津男1海佐)が初入港艦艇となり、小梅艦長が松岡総監に入港報告を行った。
 式典は吉田横須賀市長をはじめ自衛艦隊司令官(杉本正彦海将)ほか、来賓、自衛隊関係者ら約200人が参列し行われ、松岡総監は「関係者の努力により、念願であった逸見岸壁が完成し、本日披露できることは誠に喜ばしい。逸見岸壁が新に完成したことにより有時平時を問わず、これにより、自衛艦隊等の艦艇部隊に対する後方支援機能が充実するとともに、災害発生などのいざという時には、横須賀における救援活動の拠点としても活用できることが期待されている」と挨拶した。
 引き続き、来賓を代表して吉田横須賀市長が「災害時・緊急時に速やかに対応できる態勢が整ったことは、我が国の防衛はもとより沿岸の自治体すべてにとって非常に心強いこと」と祝辞を述べ、式典は終了した。
 一方、逸見岸壁では真っ白な岸壁と「しらせ」のオレンジ色の船体が横須賀港に新たな華を咲かせていた。
 完成した逸見岸壁の規模はヘリポートを含めた長さ390m、幅28m(ヘリポート50m×50m岸壁とヘリポートの共有部分有り)、水深11mであり、横須賀地区での大型艦艇に対する係留施設不足の解消、物資の集積や搭載など、後方支援能力の向上が図られた。特に災害派遣時の援助物資の輸送に活躍が期待されている。また、海上自衛隊の保有する全ての艦艇が接岸でき、ヘリポートも現在日本国内に保有する全てのヘリコプターが離発着可能となった。


護衛艦「おおよど」隊員が清掃登山
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 護衛艦「おおよど」(艦長・小幡哲也2海佐)は、定期検査の期間を利用した保健行軍として4月7日、弓張岳清掃登山を実施した。多少肌寒いものの天気にも恵まれ、春のさわやかな陽気の下、乗員は佐世保重工業(SSK)から片道約1時間半をかけて、ゴミ収集を行いながらの登山に汗を流した。弓張岳山頂に至る道程で収集したゴミの量は、ゴミ袋にして8袋分。紙屑や空き缶等が中心であったが、中には自動車のホイールも含まれていた。山頂の西海国立公園では収集したゴミを前にして記念撮影を行った。
 参加者は心地よい疲労感のもと笑顔をみせたが、ゴミの量の多さに少し戸惑い気味で、「普段はあまり意識しなかったが、意外とゴミが多いことに驚いた。道中でゴミを拾う我々に声をかけてくれる市民の方々がおり、交流を持てて非常に充実した一日だった」と額にうっすら汗を滲ませながら感想を語った。


不発弾を処理
《15旅団》
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 第15旅団(旅団長・反怖謙一陸将補)は4月17日、うるま市勝連平安名の民家で発見された米国製対戦車りゅう弾(1964年製)不発弾の現地安全化処理を実施した。
 この不発弾は、昨年11月9日に沖縄県警察の緊急要請を受け、第101不発弾処理隊が現地で識別した結果、米国製対戦車りゅう弾(1964年製)の不発弾と判明。不発弾は、米国製で陸上自衛隊の不発弾処理隊が処理できない不発弾だったため、行政機関相互の調整に時間がかかり、5カ月後に処理することとなった。
 この不発弾を安全に処理するため、第101不発弾処理隊は、米海兵隊から安全化処理要領等に関する教育を受け、処理準備を完整させた。
 処理に先立ち午前11時34分、島袋俊夫うるま市長を本部長とする現地対策本部が地元の小学校に開設され、その開所式で島袋本部長は、「関係機関の連携不足により地域住民に不安とご迷惑をおかけした事に誠に申し訳なく思います。関係機関が今後迅速円滑な対応が出来る危機管理体制の構築を強く要請致します」と述べた。
 第15旅団は、旅団司令部幕僚長(日根野伸一1佐)を不発弾処理隊長とし、本部班、処理作業隊、広報班を編成して安全確実な処理に万全を期した。
 処理は、処理現場から半径120mを避難対象地域に約100世帯、約300人が避難し、14時42分、処理作業が開始され、15時37分、ディアマ処理により無事、安全化処理作業を完了した。
 現地対策本部長は、15時51分に安全宣言を行い、住民避難は解除された。
 避難対象地域に住み、地元小学校の体育館に避難していた70代の女性は「無事に処理が終了し、本当に嬉しい。安心しました。早く沖縄から不発弾がなくなってほしいね」と語った。
 第101不発弾処理隊は、創隊以来37年間1件の事故もなく不発弾の処理を実施し、沖縄県民のため、日夜職務に邁進している。


ソマリア派遣部隊84留守家族を支援
《佐世保》
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 佐世保地方隊(総監・加藤耕司海将)は4月17日、ソマリア沖での海賊対処行動のため、派遣中の第6護衛隊隊勤務及び護衛艦「さわぎり」乗員の留守家族に対する支援連絡会を佐世保基地業務隊平瀬体育館等で行い、合わせて84家族267名が参加した。
 これは、留守を預かる乗員家族に対して、派遣隊員の任務、勤務状況、艦内生活等を説明し、安心してもらうとともに、日頃の労をねぎらい、親子で一緒に楽しい一日を過ごしてもらうことを目的に、佐地隊先任伍長(小川正宗曹長)ら佐地隊先任海曹会が中心となって企画、佐地隊の他にも護衛艦部隊等の協力により実施した。この日正午から受付を済ませた乗員家族に対し、佐世保地方総監部第3幕僚室長(落合健1佐)がソマリア沖での海賊対処部隊の活動状況について説明した。
 その後、佐世保音楽隊(隊長・北村善弘1尉)によるミニコンサートでは、演奏に参加したい子供を募り、即興で指揮や楽器の演奏を体験し会場は大いに盛り上がった。
 他にもテレビ電話やビデオレターの撮影、また佐世保水交会及び隊友会佐世保支部の支援による子供たちへのお菓子等の配布のほか、ストラックアウト、輪投げなどゲームコーナーやお便りコーナー等も大変好評だった。


輸送艦「おおすみ」
舞鶴・由良川で防災訓練
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 海自第1輸送隊の輸送艦「おおすみ」(隊司令・佐々木俊也1海佐、艦長・田邊明彦1海佐)は4月14日、京都府舞鶴市由良川河口で各自治体防災関係者に対し、海上自衛隊の輸送用エアクッション艇LCACの有用性について理解してもらうことを目的とした防災意識向上訓練及び体験航海を実施した。
 当日は、LCAC2隻が由良川河口に揚陸し、うち1隻には第7普通科連隊(福知山)の災害派遣車両5両及び隊員約20名を搭載、もう1隻には部内外の防災関係者等約100名を乗艇させ、由良川河口沖の「おおすみ」に帰艦した。
 艦内見学では、「おおすみ」の優れた医療設備に多くの参加者が高い関心を示していた。その後、「おおすみ」の格納庫において、輸送艦の概要、また、国緊活動、災害派遣及び防災訓練等の実施などについての説明を受けた。
 現在、第1輸送隊は全国でLCACの揚陸適地調査を行い、その状況を理解してもらうために、各地の防災関係者に対し防災意識の向上のための説明会を実施している。


隊内生活体験を支援
《出雲駐屯地》
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 出雲駐屯地の第304施設隊は、4月7日から4月9日までの間、いずも農業協同組合が実施する隊内生活体験を支援し、同組合員の教育に寄与するとともに、陸上自衛隊の任務及び活動を理解・認識させ、自衛隊に対する親近感の醸成及び防衛知識の普及に努め、地域防衛基盤の育成を図った。
 まず、初日の4月7日については、着隊したいずも農業共同組合員12名(女性7)を出迎え、体験の概要説明、ベットメーキング、基本教練(各個訓練)を教育、午後からは基本教練(分隊教練)、ロープ訓練、持続走を実施した。
 特に基本教練では、停止間の動作、行進間の動作について教育し、不動の姿勢、行進時の手の振り、号令のかけ方を教育したが体験者は日頃実施する事がなく苦労をしていたが、真剣に取り組んで、徐々に上手くなった。
 二日目については、徒歩行進(約15キロ)実施し、午後からは、施設器材の概要を理解させた。次に医務室衛生陸曹による野外衛生(救急法)を教育し、AEDの使用法、心肺蘇生法を体験させ、緊急時の行動について理解させた。
 特に徒歩行進では、日頃からあまり歩く事がない者が多く、苦労していたが、天気にも恵まれ全員が完歩し、達成感を感じていた。
 また、夜間訓練において暗視眼鏡を体験させ、暗闇でもはっきりと見える事に驚いており、良い経験が出来たと喜んでいた。
 最終日は、体力測定を実施し、合格は出来なかったが、自分の体力を知ることが出来て、これからは、健康管理のため運動をやろうとの意欲が出てきたと話していた。
 この生活体験を通じ、自衛隊の訓練を体験させることによって自衛隊の任務の理解及び防衛知識の普及を図ることが出来た。
 最後に生活体験の感想文を作成させ無事教育を終了した。


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