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自衛隊ニュース   1132号 (2024年10月1日発行)
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機略縦横(82)
第5旅団最先任上級曹長 准陸尉 小野剛
 隊員から、「あれが問題なんです」等の話を耳にしますが、大半は問題ではなく現状を言っているだけと感じる事があります。伝えたい事は分かりますが、階層に関係なく、教育及び指導すべき立場になれば、あるべき姿と現状を正しく把握し、また、状況によっては個人の能力及び性格、心情を把握した上で、具体的に分析を実施しなければ真の問題点を導き出せません。
 指導及び教育をする立場の隊員が任務を遂行していく中で、目的や背景を理解して発言及び善導していかなければ、隊員は何のために実施するのか、何をやっているのか、どうやれば良いのか、また誰に聞けば良いのか不明のまま、ただ周囲に合わせて意味も分からず行動をしているだけで、達成感も成長も得られいないのではないでしょうか。このため、指導及び教育をする立場の隊員は現状と問題点を整理して、目的意識を忘れず問題点に対しての実行可能な対策を導き出すように伝えています。
 今後も、現状に対する問題点は何なのか、その本質を見極め、隊員のために尽力していきたいと思います。

第173回定期演奏会 陸自中央音楽隊
 9月14日、「VIVA!!吹奏楽!!」をテーマに、陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・志賀亨1陸佐)第173回定期演奏会がすみだトリフォニーで行われた。
 第1部のスタートは、柴田昌宜副隊長指揮で、国歌「君が代」から「エスプリ・ドゥ・コー」へとスピード感溢れるオープニングを展開。続いて、J・F・スーザの代表的作品と言える「行進曲 黒馬騎兵中隊」を演奏。いずれも昨年12月、中央音楽隊が参加した全米吹奏楽指導者協会(ABA)で取り上げられた作品である。そして、日本の印象をモチーフした「付喪神(つくもがみ)」に三善晃作曲の「深層の祭り」へと続く。この2曲は、吹奏楽の限界への挑戦を垣間見た超絶技巧の作品。アンケートでは吹奏楽部の学生からも人気であった。そして前半の最後は「はじまりの島」。ソプラノ歌手鶫真衣3曹の詩をもとに作曲された作品。日本神話の世界観と描写と日本の悠々の歴史が鶫3曹の美しい歌の調べとともに表現されていた。
 第2部は、志賀中央音楽隊長の指揮。今年、パリ・オリンピックが開催され、日本選手団の目覚ましい活躍を記念して「オリンピカ」で幕開け。続いて、7月に参加したスウェーデン・エークシェー軍楽祭で選曲した「行進曲 青と黄色の旗の下に」を演奏。日本国内での演奏は少ないものの、スウェーデンの伝統と美しい風景を連想させる作品であった。そして「メモリー」は誰もが知るミュージカル「キャッツ」の代表作。鶫3曹の奏でるメロディが会場の雰囲気を一変させた。
 最後は、P・スパーク作曲の「ドラゴンの年」。この作品も学生からの人気が高く、約15分間、息を付かせぬ超絶技巧が続く作品。吹奏の直線的な立体感が止め処なく溢れ出た演奏となった。司会は元フジテレビアナウンサーの横井克裕さん。アンコールの「栄冠は君に輝く」と「メリーゴーウランド」も巧みな横井さんの話術で、あっという間に観客を引き付け、感動へと導いてくれた。
 次回以降のコンサートは陸上自衛隊中央音楽隊ホームページ、SNSなどでご確認下さい。

第5音楽隊が服務無事故2000日達成
服務無事故は任務遂行力の向上
 第5旅団(旅団長・岸良知樹陸将補)は、9月12日、帯広駐屯地において、第5音楽隊(隊長・吉田年成1陸尉)が服務無事故2000日(平成30年4月から起算して5年5カ月)を達成した功績を讃えるため、服務無事故優秀部隊として表彰し、第3級賞状を授与した。
 本表彰は、服務事故の発生がない部隊を表彰することにより、部隊内の相互注意喚起を行いやすい環境を醸成し、服務事故による不幸な隊員の発生を局限させ、部隊の誇りを持たせるとともに、士気の高揚を図ることを目的としている。
 今回の受賞は、脈々と歴代隊長から繋がれてきた隊長の統率力、先任上級曹長や各指導係による服務指導、そして隊員一人ひとりが自衛官としての使命を自覚して、服務の本旨を理解していた努力の賜物であり、このことが受賞達成に繋がった。
 第5旅団長は、訓示において「服務事故が未発生であることは、隊員一人一人が規律の維持を心がけて行動している証左であり、引き続き、吉田隊長を核心に音楽隊が一致団結して、任務完遂に邁進してもらいたい」と述べた。
 引き続き第5旅団は、旅団内の全部隊に対して本表彰を実施できるよう、服務事故の絶無に努めていく。

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