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自衛隊ニュース   1132号 (2024年10月1日発行)
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読史随感
神田淳
<第158回>

国家の徳、尊厳、及び平和

 自民党総裁選に9人が立候補し、論戦が行われた。この随筆が掲載される10月1日には、新総裁が誕生しているだろう。自民党総裁は日本の総理大臣になるので、総裁選の論戦で、日本をこのような国にしていきたいといった国家像に関する論戦があればよいと思ったが、論戦は政治とカネの問題、党の信頼回復、経済・財政政策、少子高齢化などが主で、国家像に関しては、外交・安全保障のテーマで断片的な意見の開陳にとどまった。
 大きく変化していく世界の中で生きる今の日本に、目指す国家像、すなわち国家ビジョンが必要だと思う。「有徳の尊厳ある平和国家」。これが私の掲げたい国家ビジョンである。日本は言論自由の民主主義の国なので、一国民がかくありたいと思う国家像を表明することが全く無意味ではないと思いたい。
 国家ビジョン「有徳の尊厳ある平和国家」の、まず「有徳の国家」であるが、これは松下幸之助が昭和の時代に説いた国家論である。松下は「人間として一番尊いものは徳である」と言い、国家にも徳がなければならないと説いた。人に徳望や人徳があるように国家にも国望、国徳がある。国望、国徳のある国家は世界の国々から信頼され、頼られ、国望、国徳は国の力となる。松下は、1.国民の道義道徳心が高く、マナーが良いこと、2.文化の薫りが高く国土整備が行き届いていること、3.日本の伝統や歴史が国民の間で大切にされ誇りとされていること、4.経済力が充実していること、を国徳として挙げたが、こうした国徳も、国民の良識の程度、民度の高さに帰着すると考えていた。松下の説いた有徳国家論を改めて令和日本の国家ビジョンとして掲げたい。
 次に「尊厳ある国家」であるが、尊厳とは人間の生命や人格のように、尊くて侵しがたいこと(もの)をいう。人が尊厳をもつのと同様、国家も尊厳をもつと考えられており、国際法でも国家の尊厳は尊重されるべきものとされる。国家がなぜ尊厳をもつとみなされるのか。まず、国家は法と秩序を維持することで国民の自由、尊厳、権利を守るゆえ尊厳をもつ。次に、国家は自ら主権をもち、他国に従属せず独立して存在するゆえ尊厳をもつ。そして、国は独自の歴史と文化をもち、それが国民のアイデンティティや誇りの源泉となるゆえ尊厳をもつ。人間の尊厳は生まれつき備わっているが、国家の尊厳は人がつくるものである。独立しておらず他国に隷属する国家や、自国民の自由や権利を守らないような国家に人は尊厳を認めないだろう。尊厳ある国家は国民が努力してつくり維持するものであるゆえ、改めて国家ビジョンとして掲げたい。
 最後に「平和国家」であるが、世界がまた戦争の時代になるのかとの懸念もある今こそ、平和国家のビジョンを掲げたい。この時、平和は血のにじむような努力をしてつくりあげるものだという徹底した認識が必要である。その意味で、消極的平和主義でなく、積極的平和主義を掲げたい。考えられるあらゆる国際戦略を取り、戦争を未然に防ぐ。それでも自衛のために戦わなければならない時が来るかもしれない。その時も平和主義を堅持して戦う。しかし戦争はあくまで避けたい。日本の徳望、尊厳、国力、防衛力、国際的な連携が総合的な抑止力となって、日本と戦争する気が起きなくなるようにしたい。
 「有徳な尊厳ある平和国家」像が、令和日本のビジョンとなると思うのだがどうだろうか。
(令和6年10月1日)

神田 淳(かんだすなお)
 元高知工科大学客員教授。
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


防衛省・自衛隊 地方協力本部
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「礼儀正しく、さすが自衛官」
合同企業説明会に107名
<青森>
 青森地方協力本部(本部長・岡村正彦1空佐)は、7月23日と8月27日に、八戸市内及び青森市内において「令和6年度青森県合同企業説明会」を担任した。
 本説明会は、一般財団法人自衛隊援護協会仙台支部主催、自衛隊青森地方協力本部の担任により実施するもので、県内外の企業合計74社と任期制隊員及び定年制隊員合計107名が参加した。
 説明会開始に先立ち、主催者である自衛隊援護協会仙台支部長の挨拶を受け、その後、企業と隊員との面談に移行し、参加した隊員は希望する各企業のブースにて面談を実施し、どの回も企業側・隊員側とも時間が足りなくなるほど熱心な面談となった。
 また、説明会開始前には参加隊員所属部隊の中隊長等に対する就職指導識能向上教育及び参加企業に対する事前説明を行うとともに、会場内には就職相談コーナーや予備自衛官等相談コーナーを設置し、多岐にわたる相談にも対応した。
 企業担当者からは「隊員はどなたも礼儀正しく、さすが自衛官、と感心しました」「意欲的な方々が多く、参加して良かったです」、隊員からは「気になっていた企業から話を色々聞けて良かったです」等の所見があった。
 青森地本は今後も引き続き、部隊と連携し隊員の希望を踏まえた再就職援護に尽力していく。
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民間企業を身近に
合同企業説明会に104社
<熊本>
 熊本地方協力本部(本部長・笹島昭佳1陸佐)は、8月28日、令和6年度熊本県任期制隊員合同企業説明会(共催=一般財団法人自衛隊援護協会福岡支部)を開催した。
 本説明会は、退職間際まで任務を遂行し、十分な就職活動ができない自衛隊新卒(任期制自衛官を修了して民間企業に就職する隊員)のため開催している。今年度は任期制隊員59名、企業104社の参加となった。本説明会の冒頭、自衛隊熊本地方協力本部長と自衛隊援護協会福岡支部長代理から参加企業に対し、日頃から退職自衛官の雇用に対する謝辞や本説明会の重要性、任期制隊員の有用性及び予備自衛官等制度への協力について挨拶を行った。
 隊員は、はじめに合同企業説明会に参加し再就職を決めたOBから、企業の業務内容、本説明会にあたっての心構え、業種を選ぶ際のポイントなどの説明を受け、職業選択の拡充及び不安の軽減を図っていた。その後、関心のある企業のブースで業務内容等の説明を受けるとともに25分の面談により企業への理解を深めた。面談後、多くの隊員から「たくさんの企業の話を詳しく聞けて良かった」と好評を得て、企業からも隊員に対し「今後の活躍を期待したい」「是非、入社していただきたい」等の声が聞かれた。
 また、企業に対し面談の空き時間を利用して、予備自衛官等担当者が予備自衛官等制度の重要性の説明や予備自衛官等の活躍の紹介を実施し、雇用企業の拡大を図った。
 今後、隊員と企業の就職(採用)の意向を確認し、会社見学や採用面接等の再就職に向けた取組みを本格的に進めていく。
 熊本地本は、企業の皆様のご支援・ご協力のもと、これからも就職援護業務・予備自衛官等業務に部員一同努めていく所存である。
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合同企業説明会事前教育
マナー教育等理解深める
<長野>
 長野地方協力本部(本部長・力久健1陸佐)は、8月2日に松本駐屯地において、長野県任期制隊員合同企業説明会の参加者に対する事前教育を実施した。
 本教育は9月18日に松本市内で開催される、長野県任期制隊員合同企業説明会に参加するに当たり必要な知識を付与することを目的としており、今回は長野県内・県外から11名の隊員が参加した。
 午前中は部外講師を招いてビジネスマナー教育を行い、第1印象が良くなるスーツの選び方・着こなし方や、面接の際に気を付けるチェックポイント、社会人として守るべきマナー等を教育した。特にネクタイの結び方については、参加者各人が実物を用いて練習しながら理解を深めていた。
 午後からは合同企業説明会に参加する企業を紹介し、求人票の注目すべきポイントを解説するとともに、援護担当者が直接訪問して見聞きした情報や職場の雰囲気などを交えた説明を行い、企業のイメージアップを図った。この際、各隊員に配布した「合同企業説明会参加企業情報」の冊子については、業務内容やアピールポイントがコンパクトにまとめられており、隊員から企業の情報がわかりやすいと好評であった。
 教育参加者からは、「スーツの着こなし方や場面にあった服の選び方、名刺の交換要領は学ぶ機会が少なく、とても勉強になった」「援護担当者の生の意見を聞くことで企業に対するイメージを深めることができた」などの感想が寄せられた。
 長野地本は、今後も隊員が希望する企業へ再就職できるよう、引き続き親身な就職の援助を実施していく。
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バス・タクシー・トラック
職場見学会・運転体験会
<佐賀>
 佐賀地方協力本部(本部長・佐々木防衛事務官)は、8月5日、陸上自衛隊目達原駐屯地及び近隣駐屯地の退職予定自衛官6名に対し、九州運輸局佐賀運輸支局及び佐賀県バス・タクシー協会並びに佐賀県トラック協会との共同開催により、退職予定自衛官向けバス・タクシー・トラック職場見学会・運転体験会を実施した。
 本職場見学会・運転体験会は、4月10日に目達原駐屯地で実施した事業説明会・乗車体験会に続く第2弾として、タクシー事業者「中央タクシー(株)」、バス事業者「祐徳自動車(株)」、トラック事業者「(株)ロジコム」の各事業所を訪問し、各協会から業種説明並びに各社の概要・魅力などの説明を受けるとともに、施設や車両を使用した見学・説明、乗務員の業務の様子や自衛隊OBを含む社員との質疑応答などを行った。
 また、4月に実施した事業説明会・乗車体験会では参加した隊員・企業双方から「試乗体験がしたい」「運転を体験してほしかった」などの声も多く、運輸業への理解促進や運転に対する不安解消のため、職場見学会に先立って佐賀市内の「ふじ自動車学校」において、自動車学校指導員からの助言のもと教習用大型トラック及びバスを使用した運転体験を行った。
 参加者は運転体験を楽しんで、「大型バスの運転を行って、バスの特性等の(普段運転する車両との)違いを把握する事が出来て、運輸業界にも魅力を感じた」との感想も聞かれた。
 佐賀地本では、佐賀県で再就職を希望する退職予定隊員に県内企業の魅力を伝える事が出来るよう、今後も様々な事業を計画していく。
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就職補導を実施
グループディスカッション等
<鳥取>
 鳥取地方協力本部(本部長(進藤將宗1空佐)は、7月30日から8月1日までの間、米子駐屯地において任期満了等退職予定隊員等17名に対し令和6年度就職補導教育を実施した。
 教育初日の午前は、各界から部外講師を招へいし、雇用情勢、職業選択及びビジネスマナー等について講話を受けるとともに、午後からは任期制OB、現役即応予備自衛官及び予備自衛官を招へいし、参加隊員を3つのグループに分けてグルーブディスカッションを実施し、再就職に向かう心構えや準備、就職後の生活等について意見交換した。

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