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全国の部隊・駐屯地で周年記念行事が行われた。まだ新型コロナの影響はあるものの万全の対策を講じ地域住民が来場する駐屯地も。活気が戻りつつあるようだ。 |
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新町駐 71周年 |
4月1日、新町駐屯地(司令・川畑裕幸1陸佐)は、満開の桜が咲き誇る中、「新町駐屯地創設71周年記念行事」を昨年同様部内行事として挙行した。
例年であれば、駐屯地を一般開放して新町支所との共催による「しんまち桜まつり」を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮し、残念ながら一般開放を取り止め、感謝状受賞者のみを招待して実施した。
観閲式では、川畑司令が「あらゆる事態に迅速に対応し、あらゆる困難を克服して与えられた任務を完遂し、地域の方々をはじめ国民の期待に応えられることが求められる」と式辞を述べた。観閲行進では第12音楽隊によるドラムマーチを皮切りに、第12後方支援隊、第12施設隊、第12対戦車中隊、新町駐屯地業務隊の計290名の隊員が参加し統制のとれた車両行進を実施した。また今月入隊予定の、自衛官候補生29名は本行事を研修し、各部隊の威風堂々とした雄姿を目に焼き付けていた。
また観閲式に先立ち駐屯地司令による感謝状贈呈式も実施され、駐屯地に対し功績のあった新町支所長はじめ5名の方々に対して駐屯地司令から感謝状を贈呈した。
駐屯地は本行事において更なる防衛基盤の育成・強化に努めるとともに、新町駐屯地に対する一層の理解促進と信頼強化を大いに図ることができた。 |
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1師団 60周年
練馬駐 71周年 |
第1師団(師団長・兒玉恭幸陸将=練馬)は4月10日、練馬駐屯地において「第1師団創立60周年・練馬駐屯地創設71周年記念行事」を挙行し、第1師団及び練馬駐屯地に対する地域住民の理解と信頼を深めるとともに、隊員の使命の自覚と士気の高揚を図った。
当日は天候に恵まれ、招待者、師団の協力者や地域住民等約2300人が駐屯地を訪れた。
式典は、執行者(師団長)及び観閲部隊指揮官(副師団長)のリぺリングによる入場から始まった。その後、観閲部隊の人員767人が師団の威容を示した。
式辞で師団長は「我が国周辺の安全保障環境はこの60年間で最も厳しい情勢となっている。まさに、自衛隊の真価が問われる時代、国民の生命・財産を守り抜くため、還暦を迎え0歳に戻ったように原点に立ち返り首都防衛の備えを完整させていこう」と観閲部隊に訓示した。また来場者に対し「第1師団は最後の最後の砦です。ただし、第1師団約6千名のみで首都機能を維持することは不可能です。警察・消防・海保・地方自治体等公共機関の皆さんの協力が必要です。電気・ガス・水道・通信・交通・医療などの指定公共機関のライフラインは首都機能の生命線です。防衛産業は日本の防衛力そのものです。フル稼働で装備品等の補給・整備をお願いします。自衛隊OBの先輩方、有事の際は、もう一度自衛官になって銃を取ってください。そのためにも健康にご留意を。そして最後にご来場の都民・県民の皆様、引き続き自衛隊の行動に関するご理解ご協力をお願いします。加えて、普段自衛隊とは中々接することのない市民の皆様に我が国防衛や自衛隊の現状について啓発していただければと思っています」と式辞を述べた。
小池東京都知事は「首都東京、都民・国民の生命と財産を守るため、兒玉師団長の指揮の下、強い責任感と使命感をもって、任務に精励されることを心から期待いたします」と祝辞を述べた。
本年度の記念行事は、観閲行進は行わず、各部隊の特性を活かした動的展示と静的展示による部隊紹介を行った。特に注目を浴びたのは、今年度より新編された第1偵察戦闘大隊の16式機動戦闘車の迫力ある性能展示であり、来場者のどよめきと大きな拍手がわき起こった。
装備品展示では、各種装備品がどの様に機能を発揮するかについて、来場者に分かりやすく理解してもらうため、装備品の動的な展示をツアー形式で行った。間近で動く装備品を見て、来場者からは「初めて近くで動いているのを見て感動しました。迫力があって格好良いです」等の感想があった。
また、装輪車体験試乗や、自衛隊体験のイベントのほか、駐屯地食堂では記念会食が和やかに行われ、行事は成功裏に終了した。 |
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12旅団 21周年
相馬原駐 63周年 |
第12旅団(旅団長・坂本雄一陸将補=相馬原)は4月8日、相馬原駐屯地及び相馬原飛行場において、「第12旅団創立21周年及び相馬原駐屯地創設63周年記念行事」を開催した。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から一般開放はせず、部内行事として実施し、3年ぶりの開催となった。
本記念行事では第12旅団創立21周年及び相馬原駐屯地創設63周年を祝うとともに、第12特科隊及び第12対戦車中隊が本年度末で廃止となり、また、第12偵察隊が第12偵察戦闘大隊へと改編される機動旅団化に向けた大きな節目という特性を踏まえ、隊員の使命の自覚と士気の高揚及び団結の強化を図る目的で観閲式、部隊行進、オートバイドリル、操法展示、太鼓演奏、音楽演奏・祝砲及び祝賀飛行などを実施した。
観閲式において執行者(第12旅団長・坂本雄一陸将補)は、「第12旅団は今年度末、新たに機動旅団として改編されることとなる。旅団から特科隊及び対戦車中隊が廃止となり、偵察隊は偵察戦闘大隊へ機能強化される。これらは陸上自衛隊として、各種事態における実効的な抑止及び対処能力を向上するための改編の一環である。その中で第12旅団が果たすべき役割は今後さらに拡大し、いかなる環境下においても最大限の能力を発揮して任務を完遂することが求められる。我々は現状に満足することなく、地域・国民の皆様からさらに信頼される部隊・駐屯地たり得るよう、一層精進しなければならない。小官もあくなき執念をもって、妥協することなく、諸官とともに挑戦し続けていく覚悟である」(要旨)と式辞を述べるとともに、「第12旅団の輝かしい将来への発展と相馬原駐屯地のさらなる隆盛を切に願う」と締めくくった。
その後実施された部隊行進では、改編が予定されている12偵、また廃止が予定されている12特及び12対戦が旅団記念行事としては最後の車両行進を行い、威容を示すとともに有終の美を飾った。
オートバイドリルでは12偵が華麗な運転技術を披露、また操法展示では12対戦が79式対舟艇対戦車誘導弾の操法をコミカルな演出を交えつつ展示し、場を盛り上げた。太鼓演奏では第13普通科連隊が編成する松本アルプス太鼓が荘厳な演奏を披露、また音楽演奏では第12音楽隊が演奏と歌唱で記念行事に華を添えるとともに、12特のFH70とコラボレーションし旅団の21周年にちなんで21発の祝砲を響かせた。さらに第12ヘリコプター隊による祝賀飛行を実施し、改編される部隊の新しい門出を祝うとともに、廃止される部隊の功績を称えた。
旅団は3年ぶりの記念行事を隊員を主体として参加した隊員が楽しめる形で祝うとともに、部隊改編を見据え新たな一歩を踏み出した。 |
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6師団 60周年
神町駐 66周年 |
第6師団(師団長・鬼頭健司陸将=神町)および神町駐屯地(司令・叶謙二陸将補)は4月17日、桜の開花を迎えた神町駐屯地において、新型コロナウイルス感染症拡大の予防に留意し「第6師団創隊60周年・神町駐屯地創立66周年記念行事」を3年ぶりに挙行した。
駐屯地中央営庭で実施された観閲式での式辞において鬼頭師団長は、来場者に感謝の言葉を述べるとともに、隊員に対して「『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える』という服務の本旨を、今一度心に刻んで隊務にまい進し、さらなる飛躍、躍動の未来へともに頑張っていこう」と要望した。
観閲行進では、観閲部隊指揮官の叶陸将補以下656名、16式機動戦闘車など車両167両、航空機2機が威風堂々と行進し、第6師団の威容と真姿を披露した。引き続き増強普通科中隊の機動展開から敵陣地攻撃による戦闘訓練展示が行われ、会場となった中央営庭では機動戦闘車や火砲の轟音が響き、煙幕の中、隊員が空地の掩護下で敵陣地に突撃していく迫力ある展示に、観客席から大歓声と盛大な拍手が寄せられた。
また、装備品展示や装輪装甲車等の体験搭乗などを行い、第6師団に対する理解と信頼、親近感を深めてもらうことが出来た。
第6師団及び神町駐屯地はこれからも「任務完遂」の信念を堅持し、何時、如何なる事態にも即応して任務を完遂するべく、進化を続けていく。 |
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