2003年12月から2008年12月まで、自衛隊は様々な形でイラクにおける人道復興支援活動を実施した。2006年夏に陸上自衛隊が現地の活動を撤収した後も、航空自衛隊は国連等への空輸活動を行っていた。しかし、国内では陸自が撤収した際に全ての自衛隊がイラクから撤収したと思う人が大多数だった。
そこで、空自の活動を再認識してもらう意味で、「Wing of Piece(平和の翼)」をキャッチフレーズとして腕にはめる「ブルーリング」を航空自衛隊が作成。防衛ホーム新聞社はその趣旨に賛同し部隊外に販売した。これは収益を得るためではなく、イラクの復興と空自隊員の無事を祈るのが趣旨だった。1個のブルーリングに20円の義援金を含めて販売し、イラクの子ども達に寄付をする事にした。43,914人に購入していただき義援金は878,280円となった。
平成22年10月6日、イラク大使館において在イラク日本国大使館公使 高橋克彦氏、空自イラク派遣に縁の深い溝口博伸元空将補ら立ち会いの元、ルクマン・フェーリ イラク共和国特命全権大使にその義援金を吉田佳子本社社長から贈った。贈呈式でルクマン・フェーリ大使は「自衛隊がおこなってくれた支援は、復興活動だけでなく暖かい心も支援してくれた。これまで以上に日本が近くなった」等と謝辞を述べ、自分でイラクの子ども達に手渡してくると約束した。
贈呈式後、大使自身も出席された小牧基地での隊旗返還式の記事が載った防衛ホーム新聞を感慨深そうに見ていたルクマン・フェーリ大使。「本当にありがとう」と自衛隊・国民に改めて感謝を述べた。
現在も海外で活動している自衛官は多数いる。改めて、自衛官の無事任務完了することを祈りたい。ひとつひとつのブルーリングに込めた一人一人の思い、43,914人の気持ちが一つになって大きな「平和の翼」が完成した。 |