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自衛隊ニュース   2010年10月1日号
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北澤防衛大臣を表敬
坂本2尉、國原3尉
世界選手権、金・銅メダル獲得を報告
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 9月15日、防衛省において、レスリング世界選手権優勝者の坂本日登美2陸尉と柔道世界選手権で銅メダルを獲得した國原頼子3陸尉が北澤俊美防衛大臣を表敬した。
 北澤大臣は「君たちの活躍は国民の誇りだ。自衛隊の名をあげてくれてありがとう。オリンピックを目指して益々頑張って欲しい」と述べ二人の活躍を労った。また、記念品として『防衛大臣の帽子』を贈り「ランニングなどのトレーニングで被って、防衛省をアピールして欲しい」と励ました。
 なお、榛葉賀津也副大臣、長島昭久大臣政務官及び元海上自衛官の小原舞衆議院議員が同席し、活躍した2人を祝福した。そのほかに、内局から徳地秀士人教局長、石尾慎一郎人育課長。陸幕からは火箱芳文陸幕長、岡部俊哉教訓部長、体育学校からは渥美学校長、宮原2教課教育班長、酒井柔道班監督、藤川レスリング班女子コーチが同席した。
中江事務次官表敬
 全国自衛隊柔道連盟会長でもある中江公人事務次官は「柔道世界選手権の試合に応援に行きたかったが行けなくて残念だった。試合後、陸幕長から電話をもらい、銅メダルをとったという結果を聞いて本当に嬉しかった。(坂本2尉、國原3尉の2人は)これからも精進し、まずはオリンピックを目指し頑張ってもらいたい」と激励した。
火箱陸幕長表敬
 大臣表敬に先立ち、坂本2尉と國原3尉は火箱芳文陸上幕僚長を表敬した。火箱陸幕長は「(坂本2尉には)さらにロンドンオリンピックを目指してもらいたい。(國原3尉には)銅メダルに終わったのは残念だが、良いステップになったと思う。やはり金メダルを取るのが使命である。これからも精進してもらいたい。君たちのことは15万人の陸上自衛官が応援していることを忘れないでもらいたい」と激励するとともに、陸幕長自身、柔道6段の武道家であり、銅メダルに終わった國原3尉に対し「表彰式で笑顔を見せなかったのは立派だ。一番との差は紙一重の差だ。しかし、その差を超えるためには大変な努力が必要だ。特に直感力を養ってもらいたい。直感力とは試合の中で咄嗟に状況判断できる能力のことだ。この直感力を持つためには、様々な事態を想定した練習を行い、いつでも試合の方向性を見極めることのできる大局観を持たなければならない。そういった精神的な修養も怠りなく行い、しぶとい選手になってもらいたい」と柔道家としての熱い思いを語った。

レスリング世界選手権
(モスクワ)
坂本2尉、V7達成
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 9月8日、モスクワで開催されたレスリング世界選手権第3日目、女子48kg級に出場した自衛隊体育学校所属の坂本日登美2陸尉が優勝。48kg級では初、51kg級時代を含めると7度目の世界制覇となった。坂本は平成20年に行われた世界選手権を最後に一度は引退。今年、オリンピック種目である48kg級での復帰を決意し、5月に行われた明治乳業杯全日本選抜選手権大会で公式戦復帰、優勝を飾り、今回世界選手権に挑戦した。
 坂本は初戦1回戦エルサルバドルのイングリッド・ヒオマラ・メダルノ・カエラーを第1ピリオド1分10秒フォール勝ち。第2回戦ウクライナのクリスティナ・ダラナウツァとの戦いでは、坂本が第1ピリオド腕を取って攻めようとしたところ返されてあわやフォール負けという態勢になったが、坂本がこらえてバックに回り形勢を逆転し、1分16秒相手をがっちり押さえ込んでフォール勝ち。3回戦は北京五輪金メダリスト、キャロル・ヒュン(カナダ)。第1ピリオド、タックルで先制し、さらに1点を加え、合計2-0点で先制。第2ピリオドも相手のタックルをかわし1点を取ると、続いてタックルで1点、さらにバックを取って1点、合計3-0でピリオドを制し、ピリオド数2-0で勝利。準決勝はイウォナ・マトコウカ(ポーランド)。第1ピリオド、タックル、ニアフォールと攻めて4-0で制すると、第2ピリオドをバックをとって奪った1点を守りきり、1-0で制し、ピリオド数2-0で勝利。
 決勝は、今大会優勝候補の筆頭、昨年の世界選手権2位、現在欧州チャンピオンである地元ロシアのラリサ・オーザク。第1ピリオドは坂本が1点を先制するが相手に倒され2失点し、1-2でこのピリオドを落とす。だが、坂本は動じない。第2ピリオドは序盤に坂本がテークダウンを奪うと、そのまま逃げ切り、ピリオド数はタイ、決着は第3ピリオドへ。第3ピリオドは、坂本がタックルを決めて2点を奪うと、さらに5秒ルールで1点を追加。終盤、相手の反撃をこらえて逆に得点を重ね、6-0のテクニカルフォールとなり勝利、初優勝を決め、今大会日本選手団初の金メダルを獲得する。
 試合後、坂本は「51kg級の時と今回の48kg級の時との違いは、やはりオリンピックにある階級はレベルが違いました。試合のスピードが速く、相手が予想以上に動き回り、タックルを簡単には決めさせてもらえませんでした。また、決勝で戦った選手は地元ロシアの選手でどんなことをしても勝ちたいというハングリーな思いが強いということに驚かされました。今回の大会は反省点が多く、オリンピックで勝つためには減量を含めていろんなことを改めて考え直さなければならないことを痛感しました」と語り、優勝の喜びをかみしめながらも、坂本の目線はあくまでもロンドンオリンピックを見据えていた。20年東京で行われた世界選手権で優勝を飾り感動の引退をした坂本が、絶対女王としてレスリングの世界に帰ってきた。だが、それはオリンピックで金メダルを取るためで、この世界選手権制覇もその一つの通過点に過ぎない。坂本日登美五輪への道はこうして始まった。

<柔道世界選手権>
國原頼子3尉
自衛隊初の銅メダル
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 9月10日、東京国立代々木競技場第1体育館において世界柔道選手権東京大会が開催され女子70kg級に自衛隊体育学校の國原頼子3陸尉が銅メダルを獲得した。また、今大会期間中、第1師団第1連隊の隊員10名が表彰式での国旗掲揚の任務にあたった。
〈3位決定戦〉
 國原は3位決定戦の相手はブランコ・セシリア(スペイン)。國原は試合開始1分15秒、大内刈りで有効を奪うと、それを守りきり勝利。自衛隊体育学校史上初めて世界選手権に出場した國原は初のメダルを手にした。だが、表彰式でも笑顔はなかった。金でなければ敗者、それが日本代表の宿命だ。國原は試合後、「左膝の怪我を言い訳にしたくない、デコス戦(準決勝)では自分の柔道をさせてもらえなかった、相手より速く技を仕掛けようとしたが、切られた、これからがやり直しです」と語った。だが、國原はロンドン五輪への道から外れず、残ることができた。また、自衛隊史上初の柔道世界選手権銅メダルは間違いなく快挙だ。試合後、この大会を視察していた火箱陸幕長は國原に「良くやった。これを機会にこれからも強くなってもらいたい」と労いの言葉をかけていた。
 國原の戦いは11月に講道館杯、12月にグランドスラム、1月の世界マスター選手権と絶え間なく続く。世界で勝つためには、心技体、そしてデコスが見せた、チェスやつめ将棋の心理戦のような駆け引きが必要だ。『力必達』、自衛隊に入隊して2年半、発展途上の國原の新たなる飛躍に期待したい。
1連隊の支援
 世界柔道開会期間中の9月9日〜13日の5日間、第1普通科連隊の隊員10名が、スポーツの祭典であると同時に日本文化の振興・海外へ向けた紹介という意味を持つ本大会を五輪に準じた行事と位置づけ、国旗掲揚等の任務にあたった。この10隊員の支援は、國原が熱戦を繰り広げたのと同様に、関係者から高い評価を受けた。また、10日には火箱陸幕長も支援隊員を激励した。
 支援隊は長が佐間田曹長(5中隊)、副長が鳥首曹長(2中隊)。第1組が松尾3曹(本管中隊)、高橋士長(本管中隊)。第2組が、高橋3曹(3中隊)、杉江士長(本管中隊)。第3組が、吉田3曹(3中隊)、北嶋1士(1中隊)。第4組が、吉田3曹(4中隊)、濱村士長(4中隊)。

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