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自衛隊ニュース   2010年10月1日号
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護衛艦「せとぎり」「まきなみ」
ソマリア沖・アデン湾に向け出港
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〈大湊〉
 8月23日、大湊を定係港とする第3護衛隊所属護衛艦せとぎり(海上保安官4名を含む約200名乗組)が、海賊対処法に基づくソマリア沖・アデン湾派遣海賊対処行動第6次水上派遣部隊として出港した。
 この日、護衛艦隊司令官・松下泰士海将、大湊地方総監・武居智久海将をはじめ隊員や「せとぎり」乗員家族、むつ市、自衛隊協力団体及び日本船主協会関係者など約500名が参加し、出港行事が執り行われた。
 大湊基地からのソマリア沖・アデン湾派遣の出港は護衛艦「はまぎり」、「ゆうぎり」に続き3隻目となる。
 まず、武居総監が防衛大臣、松下護衛艦隊司令官が自衛艦隊司令官の訓示をそれぞれ代読、続いて「せとぎり」艦長・西脇匡史2海佐が「国益に寄与できることを名誉とし、皆さんの激励を勇気に変え、頑張ってまいります」とあいさつした。
 参列していた「せとぎり」乗員は大湊音楽隊の演奏する「軍艦マーチ」にあわせ艦に乗組み、出港準備の整った午前10時、「せとぎり」は見送りに来た隊員家族の「頑張って、元気に帰ってきて」の声と「蛍の光」の演奏の中、大湊港第1突堤を静かに離れた。
 「せとぎり」は同26日、佐世保基地から出港する第3護衛隊司令・三船忍1海佐乗艦の護衛艦まきなみと洋上で合流し、ソマリア沖・アデン湾に向かった。
〈佐世保〉
 ソマリア沖・アデン湾における第6次海賊対処水上部隊(指揮官・第3護衛隊司令 三船忍1海佐)として8月26日、護衛艦「まきなみ」(艦長・秋元辰夫2海佐)が佐世保から出港した。
 乗員家族や来賓等約500名が参列した出国行事では、佐世保地方総監(加藤耕司海将)が、「この任務は、海上交通に安全をもたらし、海域を利用する全ての国の繁栄の礎を築くという極めて重要かつ崇高な意義を有している」と北澤防衛大臣の訓示を代読した。さらに護衛艦隊司令官(松下泰士海将)が「全貿易量の99パーセント以上を海上輸送に頼る我が国においても安全な海上交通の確保は、死活的な問題として国際社会と協力して海賊行為の根絶に努力している」と自衛艦隊司令官(倉本憲一海将)の訓示を代読した。
 その後、社団法人日本船主協会から派遣部隊隊員に対して花束が贈呈され、第3護衛隊司令が、「国際貢献の一翼を担えることを誇りに思い、期待に応え全力で任務に邁進します」とあいさつした。護衛艦「まきなみ」は、ゆっくりと岸壁を離れ、佐世保を後にした。

協力会らの部隊見学を支援
《中業支》
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 陸自中央業務支援隊(隊長・新村暢宏陸将補)は9月26日、港区防衛振興会や市ヶ谷自衛隊協力会、同モニターら約70人に陸自朝霞駐屯地の見学会とヘリの体験搭乗をおこなった。
 一行はまず同駐屯地にある体育学校(校長・渥美晴久陸将補)を訪問、ロス五輪重量挙げで4位入賞した我孫子2佐の滑らかな説明に納得しながら自衛隊選手が五輪や世界選手権で獲得した金銀銅のメタルにくぎづけ、重量挙げのバーベルを持ち上げようとしたり、競技用小銃で的をねらったり大喜びだった。
 つづいて輸送学校(校長・佐藤正陸将補)では高瀬技官の案内で資料やパネルがいっぱいの輸送教育センターを見学した。今でも海外18か所に国緊隊やPKOで自衛隊が活躍していることはみんな初耳、イラクのサマワから撤退命令が出たあとも完全撤収に2カ月を要したのは、機材に付着した砂や泥が税関に引っかからない様に洗い落とすことも必要だったとか、目からうろこのはなしだった。また海外派遣には海自輸送艦の支援や空自輸送機の協力があった事も再確認した。
 このあと同駐屯地のグラウンドでヘリの体験搭乗、陸自立川飛行隊のUH-1多用途ヘリ2機により約20分間、建築中の東京スカイツリーの上空を飛んだり、横浜のランドマークや富士山も視界にきざみこんだ。飛行隊員のキビキビした動きと安定した飛行に参加者は有事・災害のときもこうして飛んできてくれるんですねと安心した表情を見せていた。一行は日曜日にもかかわらず中央業務支援隊の竹田副隊長ら10人を超す隊員が熱心に対応してくれたことに感謝していた。

中村2曹(49連隊3中隊)
人命救助で感謝状受賞
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 第49普通科連隊第3中隊所属の中村真太朗(なかむら・しんたろう)2陸曹は、溺れている児童を救助した功績で8月27日、中津川警察署長より感謝状の贈呈を受けた。
 8月15日12時頃、岐阜県中津川市の付知川キャンプ場で中村2曹は家族でバーベキューをしていたところ、付近で泳いでいた愛知県武豊町の少年(小学校6年)が溺れ、下流に流された。中村2曹は、これに気付き川沿いの道を走り抜け、流されている少年を発見するや川に飛び込み、少年を泳ぎ追いつつ川中の岩につかまるよう指示した。
 少年が岩につかまっていたところ中村2曹がその岩に到達し、少年を抱きかかえ救助した。約400メートル程流された影響もあり少年の体は冷え切っていたため、中村2曹は付近の山小屋に搬送するとともに体を抱きかかえ体力の回復をはかった。
 救急車が到着すると少年とともに下呂温泉病院に同行し、中村2曹本人も数カ所の擦り傷・打撲をしていたが他に異常が無いことを確認すると、救助した少年が回復するのを見守り少年の父とともに激励した。少年は、午後4時頃点滴も終え、回復し無事退院した。
 同18日、救助した少年の父親(秋吉満治氏)から連隊に対し、「自らの危険も顧みず我が子の救助に尽力していただき本当に有り難うございました」とお礼の電話があった。
 8月27日、中津川警察署長は「自分の危険を顧みず国民を救助して頂き厚くお礼を申し上げる」として勇気ある素早い行動を称え感謝状を授与した。
 中村2曹は、「人としてあたり前の事をしただけです。最後まで諦めずに頑張った少年に感謝したいです。少年が助かり本当に良かったです」と話していた。
 また、この救助劇及び感謝状贈呈式は岐阜新聞で詳しく掲載された。

隊内生活体験を支援
《48普連隊》
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 第48普通科連隊(連隊長・山崎倫明1陸佐)は9月8日〜10日の間、相馬原駐屯地で北群馬信用金庫の社員10人に対する隊内生活体験を担任した。
 この生活体験は、自衛隊に対する理解と認識の促進を図るとともに、日課時限を基準とする規則正しい生活及び集団生活における協調性と団結意識を高めることを目的に実施され、参加者は酷暑の中、営内生活、基本教練、10km行進訓練、ロープの結束法及び救急法等の訓練を体験した。
 特に、営内生活では起床から消灯までの規則正しい日課時限の体験、正確かつ節度ある基本教練及び10km行進訓練では30kgの背嚢を背負い行進するなど、本格的な訓練を体験した。
 生活体験終了にあたり参加者からは「滅多に出来ない貴重な体験で、多くのことを学ばせていただきました」「いかに自分で考えて行動するかで、時間は作れることを身をもって感じました」など様々な所見があった。元々、テレビ等のマスメディアしか自衛隊を知らない参加者だったが、この生活体験を通じて自衛隊の現状等に対する理解を一層深めていた。

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