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自衛隊ニュース   2010年10月1日号
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総合戦闘力演習「玄武2010」
《北部方面隊》
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 北部方面隊(総監・千葉徳次郎陸将)は8月23日から9月22日までの間、北海道大演習場、矢臼別演習場等において平成22年度総合戦闘力演習「玄武2010」を実施した。これは北部方面隊が有する4つの役割(1)本格的な侵略事態等に対応し得る部隊の練成 (2)警備区域内で生起する各種の事態等への対処 (3)他方面区で生起する各種の事態及び国際活動等への部隊等の派遣 (4)将来の戦い方の研究への対応)から、あらゆる事態に適切に対応するとともに、陸自としての総合戦闘力の最大限発揮に係わるノウハウの具体化・継承が必要なことから実施した演習。本格的侵略事態における作戦準備から、内陸部の作戦までの場をとらえて、方面隊としての「現有編成装備における戦闘力の最大限発揮のための練度向上」を図ることを目的として実施された。
 8月23日から9月5日までの防衛作戦準備の段階では、道内各演習場において第一線の防御準備、指揮所及び各種支援施設の開設等を実施した。また、北部方面施設隊(隊長・淵之上徹1陸佐)は同期間、北部方面会計隊(隊長・砂本伸幸1陸佐)は8月28日まで訓練検閲を受閲した。方面施設隊は北海道大演習場、矢臼別演習場等で保有する施設技術を駆使し、作戦部隊の任務達成に寄与すべく指揮所等の築城作業を実施。方面会計隊は北海道大演習場西岡地区で予算、経理その他の会計活動及び現地調達等を行い、各部隊を支援してそれぞれ任務を完遂した。
 9月11日から14日までの攻勢作戦の段階においては、方面隊レベルの作戦として、第2師団が敵部隊を阻止し、その援護下に第7師団が攻撃するとともに、空挺部隊の降下等と連携し敵部隊を撃破する行動を主体に、方面各部隊の行動を練成した。この間、「国民保護(避難住民対処)」として、一般住民居住地域への敵部隊接近に伴い国民保護対策本部から出された避難支援要請に基づきヘリによる輸送支援を行った。また、「大量負傷者対処」として同時期に発生した多数の負傷者への対処等を前方支援地域に展開した野外病院において整斉と実施した。この間には火箱陸上幕僚長が視察し、部内外から多数の研修を得たほか、13日及び14日には訓練が公開された。
 9月19日から22日までは、方面隊指揮所訓練システムを使用し、海上から沿岸部までの戦闘における方面総監部の指揮幕僚活動を演練した。
 平成18年度から5カ年計画で実施され、集大成としておよそ1ヶ月間にわたり方面隊の総力を挙げた平成22年度総合戦闘力演習は、多大な成果を得て終了した。

在日米陸軍の研修を第10師団が支援
《守山》
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 第10師団(師団長・河村仁陸将)は8月24日から26日の間、在日米陸軍が行う隊付見学(戦史)を支援し、本隊付見学の円滑な実施に寄与した。この隊付見学は、在日米陸軍が関ヶ原合戦場の現地に赴くなどして、関ヶ原合戦の戦況の分析や当時の武器、兵站、指揮法等について研修するもので、司令官ワーシンスキー少将をはじめとする司令部幕僚等約50名が参加した。
 一行は8月24日、守山駐屯地に到着、現地研修に備えて講義を行い、合戦の状況や当時の兵の装備、または日本における武士道に至るまで詳細に研究した。また、夜には日米交流会が催され、陸自側から師団長をはじめ司令部幕僚や通訳支援要員が参加して盛大かつ友好的な雰囲気の中で日米相互の親睦を図った。
 翌日の現地における研修では、大垣城を研修した後、関ヶ原に入り、合戦場の陣地跡地や史料館等を研修した。陣地跡地では、主に西軍の跡地を回り、あらかじめ指定を受けた米隊員が合戦に参加した大名に扮して当時の陣の様子や心理状態、合戦に挑むまでの背景などを説明して活発な討議を行った。

雪花月
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 本紙7月1日号で紹介した古家<RUBY CHAR="菜沙","なずな">ちゃん(8歳)は拘束型心筋症の疑いで、心臓移植しか治療方法がないといわれた。国内では15歳未満の臓器移植が認められていないため、膨大なお金がかかるものの外国での移植に望みを託す以外に道がない。幸いなっちゃんは自衛官を始め多くの人たちの支援で治療費や渡航費の目途が立ち、今、カナダの病院で(臓器を提供してくれる)ドナーが現れるのをまっている。やっと日本でも7月17日に改正臓器移植法が成立し、本人の意思が不明でも家族の承諾で脳死からの臓器移植が可能となった。待っていたかのように8月に入り何例かの移植が行われている、手術の成否は報道されないのでわからないが全部成功しているものと思いたい。ここでまた別の問題が浮かび上がった。脳死状態になっているとはいえ本人以外の者が生命に結末をつけることだ。生前に何んらかの意思表示があれば決断をする家族や身内にも救いはあるが、現実には呼吸をし生きている子供や親、配偶者の生命への終止符を打つ役割には複雑な思いがあろう。決断をした人への厚労省の聞き取りによれば「決断後もまだまよいがある」「思い出したくない」など苦悩、悲観反応を体験しているそうだ。いまのうちに脳死状態での臓器提供の意思表示をすべきかもしれないが筆者にはまだその勇気がない、ただなっちゃんがカナダで1日も早く適合するドナーにめぐり会えることを祈っているだけだ。

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