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自衛隊ニュース   1083号 (2022年9月15日発行)
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自衛官にとっての「人生100年時代」(13)
「意識改革」の4ステップ

「意識」は遺伝子さえ変えられる!
 最近、「意識は遺伝子(DNA)さえ変えられる」という筑波大学名誉教授の論文を知る機会を得た。教授によると、遺伝子は決して生まれつきの固定的なものでなく柔軟性があること、心の状態や意識次第で新しい人間性や才能を見出せるというのだ。つまり「意識こそがすべてのすべて」であり、人は「意識」を変えることによって、一生涯、進化できる可能性があると説いておられる。
 この説は、私達にとても朗報であり、「自分の未来は自分で創り出す」ことに即、適用できる。前回から「意識改革」を取り上げているが、「意識」をして「行動」することが「新たな自分を創り出す原動力そのもの」なのだ。

4ステップにトライしてみよう!
 「意識改革」については、雇用環境の変化などを踏まえ、民間企業等でも盛んに話題になるが、実際にはそう簡単ではなく、様々なアプローチが提案されている。その中で個人向けの「意識改革」の4ステップを自衛官の立場に置き換えて紹介しよう。
 
 ステップ1‥何を変えたいか明確に考えよう!
 これまで繰り返し述べてきたように、自衛官の場合、自分が "夢見る" 定年後の人生のため、今の自分の何を変えればいいのか、を明確にすることであろう。

 ステップ2‥自分の生活習慣を知ろう!
 人にはそれぞれ、長い間に身についた「生活習慣」がある。その「生活習慣」を知ることによって、自分を変えようとした時、「生活習慣」のどこを変えるのか、何を失うのか、そのための対処はどうするかなどを考えることである。

 ステップ3‥自分を変えるメリットを考えよう!
 現役自衛官の中には定年後の人生を具体的にイメージアップできない人もいるだろう。だが、今の自分から一歩踏み出すことによって、将来の選択肢が広がることはイメージできるはずだし、そのメリットも浮かび上がってくるだろう。

 ステップ4‥目的に向かって行動しよう!
 あとは「行動」あるのみだ。一念発起、資格やスキルの取得でも、趣味を持つことでも教養を深めることでも何でもいい、新たな一歩を踏み出すことだ。
 「意識」して「行動」することは、簡単でもあり難しいことでもあると言われる。難しいのは、難易度が高いからではなく、自分が「決意」し切れないことが原因だ。根気が大事だが、一度、その「決意」がくじけてもまたやり直せばいい。今なら何回でもやり直しができる。数年後、その場になって、「あの時こうしておけばよかった」と後悔するよりよほどいいのである。
 次回は「教養」について取り上げよう。

 「退職自衛官の再就職を応援する会」詳細と問い合わせ、本シリーズのバックナンバーはこちら。https://www.saishushoku-ouen.com/


ダイヤモンドを胸に令和4年度師団集合
教育レンジャー帰還式
<遠軽>
 第25普通科連隊(連隊長・茶園宗武1陸佐=遠軽)は7月30日、遠軽駐屯地において令和4年度師団集合教育レンジャー帰還式を実施した。
 レンジャー訓練は困難な状況を克服して任務を遂行する技能及び精神力を養うことを目的に実施され、教育の間は厳しい訓練により身体的にも精神的にも追い込まれる。
 教育前半に行われた基礎訓練を克服した学生達は山岳地等で数日間の日程で各種任務を遂行する想定訓練と呼ばれる行動訓練を7月上旬から幾度にわたり行ってきた。
 総仕上げとなる4夜5日の最終想定を終えた23名の学生(25普連4名、3即機連6名、26普連2名、2特連4名、2戦連3名、2施大1名、2高大1名、2偵2名)がレンジャー旗を先頭に遠軽駐屯地の門をくぐると、駐屯地の隊員や各地から駆けつけた所属部隊の上司同僚や家族が拍手で出迎えた。学生達は気力を振り絞り歩みを進め、グラウンドにおいて担任官である連隊長に帰還を報告した。その後、勝利の象徴である月桂樹と堅い意志の象徴であるダイヤモンドを意匠としたレンジャー徽章が連隊長から学生一人一人の首にかけられた。
 自身もレンジャー隊員である連隊長は式辞で「よく帰ってきた。君たちは部隊の誇り、日本の宝である。胸に輝くレンジャーき章に恥じぬよう共に努力していこう」と述べ、訓練を乗り越えた学生達と指導を担ってきた教官・助教を労った。帰還式後、出迎えた家族や同僚と久しぶりに顔を合わせ、学生達の顔に笑顔が輝いた。
 レンジャー隊員としての道はこれで終わりではなく、始まったばかり。ダイヤモンドを胸に抱き、訓練を重ね国防の任にあたっていく。

ノーサイド
北原巖男
内なる敵

 全国の自衛隊員の皆さん・ご家族の皆さん、本紙読者の皆さんはじめ、僕たち国民いずれもが、日本を取り巻く現下の安全保障環境は、かつてないほどに厳しく、複雑高度化し、予断を許さない難しい状況にあると捉えています。
 同時に国内では、豪雨等の大規模自然災害が頻発し、東日本大震災に続く首都直下型地震や南海トラフ地震等の巨大地震の生起に対する底知れない不安感も抱いています。
 こうした中、防衛力を抜本的に強化して行くとの政府方針に基づいて、防衛省では、2023年度予算概算要求額として、過去最大の5兆5947億円を計上し、同時に90項目以上の金額未定の「事項要求」を財務省に提出しています。
 これから年末に向け、「国家安全保障戦略」・「防衛大綱」・「中期防衛力整備計画」の策定作業と併せて、2023年度政府予算案編成作業が加速されて行きます。
 「事項要求」の取り扱い如何によっては、年末の政府予算案における防衛費は、GDP比1%を超えて初の6兆円台になるのではないかといった報道も各種なされています。
 いずれにせよ、岸田首相は、既に8月10日の第2次改造内閣発足時に、(1)必要となる防衛力の内容(2)そのための予算規模(3)財源の確保、を一体的かつ強力に進めて行くことを示しております。
 そしてこの考えのもと、同首相は、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」を設置し、第一回会合は9月下旬に開催される旨表明しました。(9月8日記者会見 官邸HP 本稿を書いている時点では10名程度のメンバーは調整中。黒江哲郎元防衛事務次官の名前などが報じられています)
 浜田防衛大臣自身、この有識者会議に積極的に関与して行くとして、次のように述べています。(9月9日記者会見 防衛省HP 筆者抜粋)
 「わが国を取り巻く厳しい安全保障環境を乗り切るため、わが国が有するあらゆる政策手段を組み合わせて対応して行くことが重要であるとの観点から、防衛力の抜本的強化のみならず、自衛隊と民間との共同活動なども含めた総合的な防衛体制の強化や、総合的な防衛体制の強化と経済財政の在り方などについて、幅広く議論されるものと承知しています。私としては、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化して行く考えであります。・・・防衛力に関する議論が行われる場合には、当然ながら積極的に議論に参加してまいりたいと考えておるところであります」
 この政府主導の有識者会議では、膨らむ一方の膨大な国債残高、円安、物価高、停滞を続ける給与水準、加速の一途をたどる高齢化・少子化・人口減少等の、言葉として適切でないかもしれませんが強烈な「内なる敵」を多数抱える中で、サステナブルな日本の将来を見据えた総合的な政策提言を如何に見出して行くかが注目されます。大変だと思いますが、頑張って頂きたいです。
 もちろん、有識者会議の提言等も踏まえて総合的に検討し、最終的には決めるのは政府です。困難な決断になると思いますが、何としても国民の理解と支持を得ることが出来るものでなければならないことは論を待ちません。
 先日、こんな新聞記事を目に致しました。
 「・・・日本が防衛費を倍増したとして、その財源が借金だった場合に中国やロシアはどう受け止めるか。「しめしめ、10年後の日本が楽しみだ」と考えるのではないか。財政が破綻した国の防衛ラインを破るのは、赤子の手をひねるようなものであろう」(2022年9月2日付け 日本経済新聞「大機小機」欄)みすみす彼らを利することは出来ません。
 こうした政府・防衛省レベルでの重要な懸案事項の推移を国民が見守る中で、このままでは国民の自衛隊に対する信頼を失墜し、隊員の採用等にも甚大な悪影響を及ぼしかねない問題が、防衛省・自衛隊内部で起きています。ハラスメントです。
 約25万人の自衛隊隊員の圧倒的多数は、上司・仲間と信頼の絆で結ばれ、士気高く、自衛官・事務官・技官等の区別無く、各種階級の区別無く、男女の区別無く、世界・全国各地でそれぞれ与えられた任務の完遂に努め、さらにいかなる事態に際しても国民の負託に応えることが出来るよう、不断の教育訓練等に取り組んで来ています。
 しかし、近年における防衛省・自衛隊の相談窓口に対する各種ハラスメントの相談件数の急増は、この問題の根深さと深刻さを物語っています。「平成28年度256件、平成29年度326件、平成30年度625件、令和元年度1074件、令和2年度1468件、そして令和3年度は2311件」(浜田大臣 9月6日記者会見 防衛省HP)
 しかも、このような数字はおそらく一部に過ぎず、相談も出来ずに悩んでいる隊員や、病気になったり、ハラスメントの被害者なのに退官せざるを得なくなった隊員も、実は大変な数に上るのではないかと懸念されます。
 「ハラスメントは、基本的人権の侵害であり、また、自衛隊の精強性を揺るがす、決してあってはならないことであり、その根絶を図る必要がある」(浜田大臣 同上))
 浜田防衛大臣は、9月6日、関係幹部を集めて「ハラスメントの根絶に向けた措置に関する防衛大臣指示」を発出しました。関係幹部は、既に大臣指示を隷下の部隊等に周知徹底していることと思います。よもや「周知徹底されたい」の一言で済ませていることは無いと思います。それぞれどのように周知徹底を図って行こうとしているのでしょうか。
 僕は、関係幹部自らが先頭に立って、隷下の隊員をして、まずは、ひとりの人間として、ひとりの人間自衛隊員として、絶対にハラスメントを行わせないとの決意の下、そのための指導・実施・フォローアップ態勢を構築することが、大前提のような気がします。
 防衛省・自衛隊にとって、ハラスメントは、根絶すべき「内なる敵」です。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


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