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   2004年3月1日号
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防医大病院、初の演奏会
入院患者ら350名に安らぎを
 防衛医大病院(関根勇夫院長)は2月1日、入院中の人々を対象に、防衛医大創立30周年記念行事の一環として、「創立30周年記念ウィンターミニコンサート」を開いた。
 病院外来診療棟玄関ホールには、およそ350人が訪れ、「早く元気になって」という心のこもった演奏にくつろいだ日曜日の午後のひとときをすごした。
 防衛医大弦楽アンサンブル部(代表・大西きぐな学生)が「見上げてごらん夜の星を」、交響曲「運命」と「だんご3兄弟」をアレンジしたオリジナル「だんご3兄弟の運命」などを、また、陸上自衛隊第1音楽隊(隊長・渡部栄司1陸尉)が「世界に一つだけの花」、「ドラえもんのうた」など、なじみの20数曲を演奏。最後には、第1音楽隊がアンコールに応え「四季のうた」を演奏した後、学生代表、渡部隊長に患者さんから花束が渡され、大盛況のうちに終了した。
 会場からは「病室にいると病気のことだけ考え気が滅入ってしまうので、一時的にも忘れることができとても良かった」、「チェロの音色になぜか涙が出てきて感激した。元気にならなきゃ、早く会社に行きたいと思った」、「全員思いやりが感じられ、笑顔があり感動した」などの声が聞かれた。
 病院での演奏会は初めての試みであり、午後1時半及び午後3時からそれぞれ1時間ずつ行われ、用意した椅子も足りなくなるほどの盛況ぶりで、非番の看護師、高等看護学院学生や事務部職員が支援に当たった。

旅行で融和団結図る
<立川駐業隊>

 立川駐屯地業務隊で構成する親睦会「親和会」(会長・上田正文2陸佐)は、隊員の慰労と融和団結を促進するため、1月23日・24日の週末に1泊2日で草津温泉を旅行した。
 午前8時半、立川駐屯地を出発、正門を出たとたん幹事長である冨樫総務科長の音頭で乾杯し、否応なしに旅行は盛り上がっていた。
 途中、水澤観音を見学し、梅田幹事の「みなさん、写真を撮ります。六角観音の前に3列横隊集まれ!」の号令で全員基本教練のような迅速さで記念撮影。さすが自衛隊! また昼食は、名物水澤うどんで舌鼓を打った。次に、伊香保おもちゃと人形博物館の見学、浅間酒造での試飲会など、参加者のボルテージは否応なしに上がるばかり。
 午後4時には日本三名泉の一つである草津温泉のホテル桜井に到着した。ホテルでは、女性部屋・喫煙者部屋・鼾部屋・うるさい人(科長)部屋など、参加者の各種希望を取り入れた多彩な部屋編成? 天然温泉の大風呂・露天風呂で1日の疲れ(飲み疲れ)を癒し、午後6時からは懇親会を開催した。
 2日目はスキーと芸術鑑賞のオプションツアーで、スキーには10名が参加。風も降雪もなく絶好の半日スキーとなり、参加者はスキーやスノーボードを休憩もとらず時間いっぱいまで元気に楽しんでいた。

3大イベント開催
<陸自広報センター>
 陸上自衛隊広報センターでは、「ヘリコプター体験搭乗」「こどもの日フェスタ(大型トラック体験試乗&体験喫食)」「戦車体験試乗ツアー」の各イベントを開催します。 イベントの概要、申込み方法などは次のとおりです。
<写真3点>
<エトキ=ヘリコプター体験搭乗>
<エトキ=こどもの日フェスタ>
<エトキ=戦車体験試乗ツアー(駒門駐屯地)>
 〈ヘリコプター体験搭乗〉陸上自衛隊の中型ヘリコプターで約15分間の飛行が体験できます。小学生以上69歳までの方が対象で、広報センターに備え付けの専用申込用紙に記入して下さい。抽選で80名(小中高生の親子ペア20組40名、中学生以上の個人40名)が搭乗可能となります。【実施日】4月17日(土)予定【申込受付期間】2月25日(水)〜3月28日(日)正午まで【抽選日】3月28日(日)15時
 〈こどもの日フェスタ(大型トラック体験試乗&体験喫食)〉大型トラックに乗って朝霞駐屯地内を見学したり、災害などで活躍している野外水具を使った炊き出し=体験喫食(材料費200円/広報センター友の会主催)を行います。【実施日時】5月2日(日)、3日(月)、両日とも10時〜15時
 〈戦車体験試乗ツアー(初企画)〉広報センターから自衛隊の大型バスに乗って駒門駐屯地(富土地区)に向かい、そこで戦車の体験試乗や隊員食堂での喫食を行います。参加費(食事代、保険料など)は500円程度で、対象年齢は小学生以上69歳まで(ただし、安全上の理由により一人で乗り降りできない方は除く)。【実施日】6月27日(日)【申込受付期間】4月24日(土)〜6月6日(日)正午まで【抽選日】6月6日(日)15時
 ※〈陸自広報センター〉〒178-8501東京都練馬区大泉学園町 電話03・3924・4176

<論陣>
鳥インフルエンザの恐怖
流行を機に飽食を考える
 「牛丼が店頭から消えた」「東南アジアから焼鳥用の肉が−−」。大騒ぎしているが、問題は、インフルエンザ(鳥)と食糧自給率、飽食への反省なのである。
 鳥インフルエンザについて当初は「人から人には感染しない」と言われていた。ところがベトナム、タイで"人"が死んだ事実が明らかになって、急に「鳥から豚、そして人間というルートで菌が移る間に、毒性が猛烈に強くなり、人から人に感染する」と言われ始め、日本をはじめ各国に恐怖が拡大した。もう食べ物の話題ではなく、人間、生きるか死ぬかの"事件"に発展した。人から人へ感染する鳥インフルエンザ菌は、どんなものなのか。
 なせ、それに疑問を抱くかというと研究者などの間では「鳥インフルエンザ菌が人間に感染することはまずない」が通例だった。ところが、そのごの調べで、菌が豚などの仲介物を通すと、その体内にすでに人のインフルエンザ菌に感染していて、加えてさらに鳥インフルエンザ菌に感染すると、このふたつの菌の遺伝子が混じり合い、豚の体内で"人から人に感染する新しい菌"が生まれることが判ったというのである。
 この菌については、現代人はほとんど免疫性を持っていないので、口や鼻から菌を吸い込むと、すぐ感染、発病してしまう。おまけに、困ったことには、医学的にも、この種に対する研究は、ほとんど手つかず。いままでの香港型、シベリア型などのインフルエンザと違って"有効なワクチンが開発できていない"のが現状である。言葉を変えると「一度、鳥インフルエンザが大流行すると、地球上でぼう大な人が死ぬ破目になる」というのだ。
 これを防ぐ方法は、まず、鳥インフルエンザに感染しているニワトリ、アヒル、七面島などを抜く手も見せず"処分"すること。「うちはまだ1羽か2羽だから大丈夫」などと考えていると、そこが、いつか火元になって"人間を死に追いやる"ことになる。少しでも疑いが生じたら保健所などと話し合って"処分"すべきである。
 "火元の対策"に次いで大切なのは「人をどう守るか」である。予防方法が決まっていない以上、まず、養鶏所など鳥を飼っているところに寄りつかないことである。どうしても避けられない場合はゴム手袋やマスクをつけ、帰ったら必ず消毒のうえ、うがいを実行することしか道はない。実際、タイ、ベトナムなどの死者の場合、養鶏所やトリ小屋で鳥を抱いたり、フンを片付けたりなど、直接、烏に触れた人や、触れた人と一緒に暮らした人が100%死んでいる。
 日本の場合、山口県で1月にまず、最初の「鳥インフルエンザ群」が発生、養鶏業者が飼育している、ほとんどの鶏を処分、消毒した。そして、2月19日午前0時、「終息宣言」が公式に発表された。ところが、その前々日、こんどは大分県九重町で観賞用のチャボから菌が見つかった。そうなると、もう、「日本は安全だ」とは言っておられない訳である。中国、香港、台湾、韓国、そして日本、東南アジアと"鳥インフルエンザ→豚→人→人"の猛烈な病気が、いつ、どこからまん延し始めてもおかしくない状態である。政府、都道府県、地方自治体の発表、マスコミの報道に注目していかなければならないのはもちろんである。
 いまひとつ、ここで注目しなければならないのは、わが国の食糧自給率の問題である。わが国の実質上の自給率は40%である。生産コスト、後継者難などのために、政府が決めた45%を5%も下回っている。ということは、残る60%の食糧のすべては、外国からの輸入に頼っている。そして、普段、そんなことも考えず、われわれは"飽食に甘んじている"のが実状である。事実、東京をはじめ大都市では、フランス料理、イタリア料理、はてはネパール、ブータン、メキシコと世界中の料理を食べることができる。コンビニでは調理後、数時間経てば"食事"を捨ててしまう。いまの日本人は、「それが当り前」と考え、見ている。これでいいのだろうか。牛丼が消えた。嘆く前に"この飽食の時代"を反省する必要があると思う。

防衛ホーム 俳句コーナー
 あられ食ぶだけの男の雛祭  西村 孝彦
 紅梅に寄ればひとりの風起る  益子 千翠
 波に乗り波止の灯揺るる春の闇  江口 景舟
 桜の芽明日がそこまで来てゐるよ  大谷 弥栄
 菊根分け世の喧噪に耳貸さず  佐藤 泰之
 昨日より森膨らまし囀れる  小野 道子
 蒲公英(たんぽぽ)の絮(わた)飛び子等の遊びをり  桑野 英毅
 小児科の診察室に雛飾る  中園美智代
 日向ぼこしてゐて見しは父の夢  山下 峰
 ふらここの子は満身に力こめ  幸保 洋子
 北風のまだ鳴り止まず独りの夜  後藤 けい
 惜しまるる色香のままに落椿  山口千鶴子
 初蝶の一瞥もなく遠ざかる  岩崎 悦子
 年年(としどし)に座りの悪き古雛(ふるひいな)  杉田 滝
 素顔にて過ごすひと日のもどり寒  中川 敦子
 紙飛行機すとんと落ちて二月尽  山内 瑞江
 春泥を来て春泥を帰りゆく  今村 淑子
 縫針のやうな飛機ゆく春の空  江田 雅子
 連れ立ちて梅千本の園めぐり  山口 生石
 春の滝岩を裂くかに轟けり  松野 藤枝
     選者吟
 遠くにも近くにも雲木の芽吹く  保坂 伸秋
     (「栃の芽」誌提供)
 「栃の芽」誌をご希望の方は<栃の芽会連絡先=仙台防衛施設局総務部・畠中草史氏 電話022・295・1281>へご連絡下さい。

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