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   2004年3月1日号
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神奈川自衛隊音楽まつり2004
横浜市みなとみらい21で開催
約4,300名の観客が来場し東部方面音楽隊の演奏を楽しんだ
 「神奈川自衛隊音楽まつり2004」が2月1日、横浜市みなとみらい21地区パシフィコ横浜国立大ホールで開催された。
 これは神奈川地連(部長・山口康彦1海佐)の協力3団体が主催するもので、会場はこの春自衛隊入隊を予定している若者や、その家族、葉書等で公募した一般客など約4,300名の県民で埋め尽くされた。
 第1部の「入隊予定者激励会」では、高木幸夫神奈川県隊友会副会長が主催者代表として挨拶を述べた後、尾高暉重神奈川県副知事より同知事の祝辞が代読された。
 また、陸曹候補士入隊予定の遠藤敦さんが県内約380名の仲間を代表して「入隊したら目標を見失わず、今日のこの日の感動を忘れることなく勉学に勤しみ一日も早く一人前になりたい」と決意を新たにするとともに、激励会への謝辞を述べ、最後に小泉首相の激励の祝電が紹介された。
 そしてステージには一転、軽快な司会進行で音楽まつりがスタートした。まずは海自横須賀音楽隊、在日米軍軍楽隊、陸自東部方面音楽隊により華やかな演奏が繰り広げられた。やさしく美しい歌声、アニメ主題歌のアレンジなどそれぞれの音楽隊の持ち味が生きたステージで顧客を魅了した。
 続いて趣を変えて、落語家の三遊亭歌武蔵師匠が登場。自らの体験入隊の思い出を織り交ぜながら落語を披露し、笑いあふれる、あたたかい激励の一幕となった。
 また、自衛太鼓が迫力満点の見事なバチさばきを見せたあと、「防大応援部」と「湘南学院バトン部」の神奈川音楽まつりならではのコラボレーション、防大儀仗隊のファンシードリルと続き、大きな拍手があびせられた。フィナーレでは出演者全員が「ドレミの歌」を大合唱。会場を沸かし、感動と興奮に包まれたまま幕を閉じた。
 今回初めて訪れたという主婦は「素晴らしいステージ。イラク派遣のイメージとダブり色んな意味で拍手に力がこもって、特に防大儀仗隊の統制美には感動。自衛隊の全く知らなかった一面を見ることが出来、新隊員を応援したい気持ちになった」と感想を話していた。

「東大生よ」日本のリーダーから世界のリーダーとなれ
東京地連 部長が東大で講義
 東京地連部長・用田和仁陸将補は、1月21日、東京大学大学院工学部8号館で、同大学工学部の講師として「産業総論」の特別講義を行った。250席の会場は、満席となった。
 講義は午後1時から始まり、「イラク戦後の中国・米国を中心としたアジアの戦略環境の地殻変動」について概要を説明するとともに、「現在イラクに派遣されている軽装甲機動車開発の経緯」を題材に物作りの大切さと喜びについて語った。
 講義中、部長がレーザーポインターでスクリーン上を指そうとしたが、何度試しても指せないハプニングがあり、かわりに指し棒を渡されると、「自衛隊と一緒ですね。レーザーポインターよりも棒の方が良い。頭がいいと難しい物を作るけど物は『単純・頑丈』が一番!」と語った。学生たちからは笑いが起こり、歯切れの良いユーモアを交えた話に聴き入っていた。
 部長は、「自衛隊が好きとか嫌いとか以前の問題で、今後は君たちが中国・米国など諸外国と付き合う場合、『安全保障』の問題を避けて通ることはできない」また、「世界のリーダーとなるためには安全保障を巡る各国の動向をしっかりと知っておくことが必須」と語り、本講義を終了した。
 講話終了後、工学部システム創成学科・奥村清香さんは「安全保障について考えたことはなく、良い講義を聴くことができました。また、熱心なお話ぶりに日頃の勤務状況が伺えました」。
 同部産業機械工学科・大海寛嗣さんは、「めったに聞けない話なので今日一番楽しみでした。自衛隊の統合運用の話をもっと聞きたかったです。時間があればいろいろと質問したかった」と感想を述べた。

体験入隊 インターンシップ大好評
<練馬駐屯地>
ロープによる降下訓練実習は生徒たちに強いインパクトを与えたようだ
 「第1師団、練馬駐屯地のみなさま。インターンシップを受け入れていただき誠にありがとうございました」−−。練馬駐屯地で実施された高校生の体験入隊「インターンシップ」が好評だ。
 わずか2日間の体験入隊で生徒達に「一本筋が通った」。自分の行動に責任を持つことを知った生徒たちは、今後の学校生活によい成果が期待できる。参加校の進路指導部主任からは喜びの声が届いた。
 生徒からも前向きな感想が寄せられた。自衛隊は体力・精神力が必要だと知り「自分の甘えや、だらしなさを自覚した」。また、できないと思っていることも「基本をしっかり学び、勇気を出せば達成できることを始めて学んだ」「自信がでてきた」など。送られた礼状には、教師と生徒達のこんな言葉があふれていた。
 今回インターンシップに参加した東京都立練馬工業高校からは、次年度も是非にと協力要請があり、また「入隊希望者には採用支援を」と、成果は体験学習にとどまらない。

『宮園2曹さんへ広報班の方々へ』
 職業人として果たさなければならない責務を学ぶことができた−−。生徒たちの礼状を原文で紹介する。
 (機械科2年2組 石橋修)自衛隊のみなさま方へ。先日は大変お世話になり、ありがとうございます。自衛隊に行って、自分の人生の中で1番の経験になりました。今は「自衛隊に入れ」と言われても「入るかどうか」悩みますが、もし入隊する機会があるときは、宜しくお願いします。
 (電子機械科2年1組 石塚昌弘)今回は、お忙しい中お世話になりました。インターンシップで駐屯地に行くことが決まり、期待と不安で少し心配でした。正門の所で宮園さんにお会いし指導して頂く中で徐々に緊張が解かれていきました。
 最初は体力測定をしても自分の体力のなさを痛感し、情けない気持ちになったこともありましたが、体を動かした後の美味しい食事や、隊員の方との交流の中で、様々なことを知ることができました。またロープ訓練は、特に忘れることができない訓練のひとつでした。
 練馬駐屯地の生活を通して大変貴重な体験をさせていただくことができ、積極的に取り組むことの大切さを学ぶことができました。この経験は、これからの生活に活かして行きたいと思います。本当にありがとうございました。これからもお仕事頑張ってください。
 (電子機械科2年1組 佐野健)今回、体験入隊を受け入れてくださり、誠に有難うございました。初日、宮園2曹と始めてお会いしたときは、とても緊張していて、その時は自衛官の皆さんは遠くの存在に思えていましたが、実際はやはり普通の方で、寧ろとても良い人だと分ったとたん、今までの自分の勘違い・思い込みがとても恥ずかしく感じました。
 僕らの担当をしてくださったどの隊員の方も、とても熱心に指導してくださって、とても良い経験をする事が出来ました。今回の体験は一生忘れる事が出来ないと思います。この忘れられない体験を少しでも自分の今後に活かせるよう、努力したいと思います。陸上自衛隊の皆さん、これからも頑張ってください。
 (電子機械科2年1組 北條和之)今回のインターンシップでは、大変お世話になりました。2日という短い期間ではありましたが、教えてもらったことは将来、何らかの役に立つと思います。
 今でこそ言えますが、高いところがダメだったのでロープ訓練の時は本当に死ぬかと思いました。しかし、あのロープ訓練を体験したことによって、ある程度の高さでは動じなくなりました。今回のことで、人間として一回りぐらいは大きくなれたと感じます。自分もあと1年ぐらいで卒業するので、進学するにしても就職するにしてもこのインターンシップの経験を活かしていきたいです。

降下訓練で気合い
 人命救助訓練、体力測定、結束およびロープ訓練、安全指導からロープで降下訓練実習、体力測定、広報センター見学…。生徒の生活態度まで変化したという2日間の訓練は、どのようなものだったのか。
 とりわけ強い印象を残した降下訓練の指導にあたった駐屯地広報班長・鴨志田武人1尉は「声の小さい者は気合の足らない証拠。まずは大声で返事をさせる。注意力の必要な実習の際には『さん』や『くん』などでは呼びません。学生生活に喝を? いや、もっと長い目で考えてほしい」と語っていた。「人間が最も恐れる高度は11メートル。それ以上でもそれ以下でもだめ。降下には勇気が必要だが、内なる恐怖に訓練で打ち勝つことを少しでも学び、生徒たちも成長すれば、駐屯地としてもうれしい」。今後のインターン受け入れにも意欲的だった。


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