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   2004年3月15日号
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航空自衛隊 C-130、イラクで初空輸
アリアル・サレム〜タリル間
新生児保育器、心電図ほか サマワの陸自宿営地へ
 C−130がイラクを飛んだ。医療器材と善意を運んでナシリア近郊のタリル飛行場へ。陸自業務支援隊と合流し、イラク復興支援誓い固い握手──。
 イラク復興支援特別措置法に基づく初の任務で、航空自衛隊のC−130輸送機は3月3日、クウェートのアリアル・サレム飛行場から、イラク南部のタリル飛行場まで、新生児保育器、心電計、顕微鏡などの医療器材を空輸した。各飛行場の安全性やニーズなどを慎重に勘案し、輸送業務を開始した。
 今回の任務は、外務省が支援するNGO法人「日本・イラク医学協会」が実施する、緊急支援事業の一環。タリル飛行場でC-130から下ろされた器材は、陸自部隊の大型車両3台でサマワの陸自宿営地まで運搬された後、「サマワ母子病院」へ引渡される。
 空自の派遣部隊は、昨年末の先遣隊到着以来、現地の治安状況などに関する情報収集や、人道復興支援活動実施のための諸調整を実施。クウェートとイラクで3機のC-130により訓練を重ね、任務実施態勢を整えてきた。
 日本から送られクウェートに集積されている文房具、医療用消耗品、サッカーボールなどの支援物資も近くイラク国内に輸送する予定だ。(写真はタリルで)

サマワ〜防衛庁
テレビ電話で現況報告 イラク支援郡
警備施設など宿営地完成も間近
第1次イラク復興支援群の本隊第1波(番匠幸一郎群長以下約140名)は、2月22日のクウェート到着後より行っていた米陸軍キャンプでの訓練を終え27日朝、軽装甲機動車などでイラクに移動。午後にはサマワの仮宿営地に到着し先遣隊、本隊先発隊と合流した。
 翌28日の朝礼時には初めてイラク国旗及び日本国旗が掲げられ、番匠群長以下全隊員は両国旗に敬意を表して捧げ銃を響かせた。
この日、番匠郡長は佐藤正久業務支援隊長らとオランダ軍司令官、ムサンナ県知事、サマワ市評議会を相次いで表敬、3月1日はキッダ市評議会を、2日はCPA代表のソリアーノ氏をそれぞれ表敬した。ソリアーノ代表は懇談の中であたたかい歓迎とともに自衛隊の活動に理解と協力を示し、これまで築いた相互の良き協力関係を維持することで合意がなされた。
 また、MNDSE師団長が自衛隊宿営地に表敬に訪れるなど、番匠郡長はサマワ到着以来、精力的に現地の他機関関係者らと意見交換しながら活動の準備を進めている。
 4日の午前(日本時間午後)には、宿営地プレスルームと防衛庁をつないでのテレビ電話会談が行われ、郡長が石破茂長官に直接現地の様子を報告した。
 浜田靖一副長官、嘉数知賢、中島啓雄両政務官、守屋武昌事務次官も隣席する中、会談ではまず、番匠郡長が全員が元気にそれぞれの職務を遂行していると報告し、これまでの活動や生活ぶり、さらに本格化する復興支援業務に対する抱負などが伝えられた。
 長官はモニターに写しだされる郡長の姿を前に隊員の健康、生活環境などを質問。安全確保と体調管理に努め復興支援業務に邁進するよう激励した。
 午後は宗教指導者との会談や空自輸送機で到着した人道支援物資等の車両運搬、受け入れ作業が行われた。
 また現在、宿営地の拡張工事は8割がたが完成。壕、外壁などの警戒施設の整備が急ピッチで進められ、浄水作業も開始されるなど着々と準備が整えられている。復興支援活動を行う本隊前部隊がそろう3月末までには完成の予定。

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