10月4日、山崎幸二統合幕僚長は、防衛省で米インド太平洋軍司令官のジョン・C・アクイリーノ海軍大将と会談を行った。会談の2時間半前に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射、東北地方上空を通過して日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下した。両者はこの事案について既に電話で情報交換を実施していたという。北朝鮮のこのような行為を強く非難し、今後も密接に連携して対応していくことで一致した。
山崎統幕長はアクイリーノ司令官とは常日頃から意思疎通を図っており、「今まさに強固な日米同盟が我が国を含む地域社会の平和と安定のために行動を示す時期に来ている。我が国自身の防衛力の抜本的な強化を図りつつ、日米同盟をさらに強化し、アクイリーノ司令官と共に我が国と地域の平和と安定、また『自由で開かれたインド太平洋』の構築を実現していきたい」と述べた。アクイリーノ司令官も「この地域における他のパートナー国や友好国との協力関係が、日米の強力な関係に良い結果をもたらすだろう。共に『自由で開かれたインド太平洋』を目指していくために戦っていきたい」と述べた。
フィンランド国防軍司令官
9月28日・29日、山崎幸二統合幕僚長は、フィンランド国防軍司令官のティモ・キヴィネン陸軍大将を公式招待した。これは2018年に当時の河野統幕長がフィンランドに公式招待された返礼の意味合いがあり、コロナ禍を経てこの度実現した。
山崎統幕長はロシアによるウクライナ侵略を「国際社会のルールを根底から覆す断じて許されない行為だ」と非難。「欧州の安全保障とインド太平洋の安全保障は、密接不可分の関係だ」と述べ、「今こそ価値観を共有する国々同士が、国際秩序をいかにして維持していくか、共通的概念を共有して対応していくことが求められている」との見識を伝えた。キヴィネン司令官も「お互い同じ価値を共有する国として、同じ民主主義の国として今後協力していくことは不可欠だ」述べるとともにロシアのウクライナ侵攻を非難。「ロシアのウクライナ侵攻は戦略的にミス。その結果フィンランドはNATOに加盟することになった」と述べた。両者は戦略的パートナーとして今後の防衛協力・交流について意見交換し、ルールに基づく国際秩序の維持のため引き続き連携していくことで一致した。 |